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犬っぽいナニカ。

遭遇2。

 わたしは再び混乱に陥った。

 この際、非常にヒジョーに遺憾ながら家族のことは女神様の言葉を信じ、(わたしが居なくても)元気にしててくれそうなのでひとまず置いておこう。いつか絶対連絡付けてやる。

 

 「・・・・・・・・・・。」


 え?

 魔力?

 ホントに?


 おもむろに、自分の手をグーパーグーパーしてみる。

 うん。何の変哲もないわたしの手。お手入れはしていないし、ちょっとカサカサしてる。こっちの世界にも化粧品とかあるのかな?

 女神様の話しからすると、くノ一と言われるようになった・・・・・・・・・・・原因は魔力ってことになるみたいだけど、よく分かんないな。無意識で使ってた、ってことなの?

 


 「・・・・・・・・・・。」


 

 魔法とか魔力とか言われても、さっぱり分からない。分からないことばかり。



 「・・・・・・・・・・。」



 トクサさん帰ってきたら聞いてみよう、そうしよう。自分では埒があかないから頼れる人に丸投げしよう。そうしよう。

 わたしはこれについても先送りすることにした。できない政治家みたいだ。とりあえず混乱は去った。


 「それにしても、規格外の魔力?ってなに。トクサさんのお家吹き飛ばしたりしないよね?」


 とりあえず大人しくしてれば魔力云々関係ないよね!と、深く考えることを放棄して。家の外に出てみることにした。幸い飲み食いしたおかげか、知らない場所に居るという危機感は大分薄れてきていた。

 

 玄関のドアを開けて外に出る。

 パタン!と閉めて、振り返ったそこに()()()がいた。

 


 『ヤッホー☆』



 「ん?」



 きょろきょろ、おや?今のはなに・・・・・


 『アレー?こっち!こっちだよ~』

 

  きょろきょろ、女神様の声と違う、よね?うーん??


 『・・・・おねーさんちょっと下を見て~☆』


 「下・・・・・・?」

 

 わたしは言われるままに下を見た。そこには手乗りインコならぬ・・・・・、なんだろ?犬のぬいぐるみ?かなり小さい。色は白、柴犬の仔犬っぽいのかな?さらに小さな尻尾が揺れてるのが、ちょっぴりだけど、見えた。


 『ヨカッタ~☆ボク待ってたかいがあったよ~。これからよろしくね~』


 ???

 しゃべってるからぬいぐるみではない、んだよね?それにしても小さい・・・・・。

 眉を寄せてその仔犬っぽいものを無言で見つめてたら、


 『あー、あのね、別の世界から来たバッカリでナゾすぎると思うけど、魔力を分けて欲しいんだ~☆お願い、急いで来たからボク消えちゃう』


 本当に謎なことが起きている。仔犬っぽい何かは、何だか、輪郭がさらさらと空気に解けていく・・・・?!


 「え?!ちょっ、はぁ?!」


 『抱きシメテ☆』


 仔犬っぽい何かは、犬らしくチョコンとお座りしていた姿勢からいきなり、跳び上がってわたしの腕の中の住人となった。なお、許可は出していない。こらー!


 もこ、ふわっ  ぽわり。


 反射的に抱きとめてしまったけど、まず感じたのがその動物らしい柔らかさとふわふわの毛並み。やっぱり小さい。うわ、小学生の頃こんなペット欲しかったんだよねー!


 違う。そんな場合じゃ・・・・・それに本当にこれは犬??

 腕の中の、いいや、もうこれは犬!は、輪郭が元に戻っている。と思った瞬間、ぽわり、と優しい光に包まれて・・・・・・・・・・寝息をたてはじめた。


 ピキッ


 いやいや、なんかきっとか弱いんだよきっと。見た目どおりに。

 イライラ・・・・・。

 ううん、もう高校生になるんだし(一度も通えなかったけど)、大人げない行いは慎みマショウ。

 

 その時のわたしは、まだこちらに来て半日も経たないうちに忍耐力とか適応力とか諸々を求められているようだった。圧倒的に説明が足りないのは本当何とかしてほしい。


 抱きとめた手前、地面に下ろすのも気が引けるし、どこか座れるところがないかと辺りを見まわすと、すぐそばの木の下は木漏れ日が気持ち良さそうだった。

 制服が汚れるかなと、思ったけど通えないんだしいいか、と気にせずに根元に腰をおろす。ついでだから安らかな寝息をたてているこの生き物の毛皮を堪能させて貰おうっと。




 そうして、しばらくは撫でたりして穏やかに過ごした・・・・・・・結果、自分も寝てた。

 

カオリちゃんはちょっぴり短気な女の子。(文章中に書き入れるとくどいかなと思って・・・・)


またしても、無意識下に置いて魔力を補充してあげたようです。

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