そうだ、安眠妨害しよう。
まさかのテレパシー発動。
「ずっと家の中に居ろとは言わないけど、家の近くに居ておくれねぇ」と言って、トクサさんはドアをパタンと閉めて行ってしまった。
異世界に来てまで放置なの?でも、トクサさんはじめからわたしのこと分かってたみたいだし、そうだよね、畑のお世話は大事だよね。田舎のおじいちゃんちも畑あるから、帰省するといつもお手伝いしてたもんね。
ああぁぁぁ、それにしても異世界とか、ぶっ飛び過ぎだよ。しかも魂?がこっちの世界のだとか訳わかんない。
ワレワレは地球人だ!!
今はひとりだけどさ・・・・・・・・・・。
くっそー女神様とやらめ、猛烈に抗議するぞ、断固抗議するぞ!!高校で青春が待ってるはずだったんだっ!!!(←ただの願望)
女神様とか言ってただの酔っぱらいだったじゃん····
『ふぅ、見つけた途端随分と強力な念を飛ばして来るものですね。あなたの魔力は少し規格外です、今みたいにすればもう少し早く見つけてあげられたものを』
は?!なんか声が!!?
『それからわたしは酔っぱらいではありません。いくらお酒を飲もうが私の美貌も健康も害することはありません。いいですか、お酒を飲むのは言うなれば趣味です。人生を謳歌するためのステータスです。いいですね・・・・・Zzzzzーー・・・・』
なに?なんだったの?!おばけ?!
説明ぎぶみーーー!!!
・・・・ん?お酒??
「お酒・・・・。さっきのおねーさん?女神様?なんか最後の方いびきだったような・・・・・?やっぱり酔っぱらってただけじゃん!!」
せめて何でこっちへ飛ばしたのかくらい説明してよー!!
「はぁ。どうしよう、向こうじゃやっぱり行方不明扱い・・・・だよね?こらー!女神っぽい人!拉致るなー!家族とかにも説明しろー!!」
わたしは椅子に座ったまま女神様?に八つ当たりをした。ん?原因が女神様だから、普通に怒っていいのかな?
腹いせにトクサさんが置いていってくれたお茶を飲み、クッキーを食べ尽くす。頭を動かすにはなんか食べなくちゃね!それにしてもこれ、草っぽいの混ざってるだけなのにはちみつレモン味。不思議、でも美味しい。
『・・・・・・・・むにゃり・・・・・貴女また念を飛ばしましたね。寝られないじゃないですか!あぁ地球にいらっしゃる御家族の方を心配しているんですか?魂があるべき場所へ還ったのです、貴女の存在は完全になかったことにはなりませんが、海外へ移住したとかそんな感じの誤差範囲で収まると思いますよ。心配せずとも御両親や貴女を知る人々は貴女のことを覚えています。行方不明の捜索などでご苦労をかけることはないでしょう。貴女がどこへ行ったのか疑問に思わないだけで丸く納まりますから安心して下さい』
!!!!
安心できない、あんしんできなーい!!それ家族以外は対して変わってないし!!家族もそうなるって、
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・自分の存在が悲しい」
『貴女の魔力は私すら見つけるのに苦労しましたから、あのまま向こうに居ても認識されにくいままで、貴女の魔力が及ぼす影響は大きくなっていたでしょう。仮に恋人が出来たとしても、相手はすぐに貴女を見失ってしまうといったようなことが続きます。一生そんなことになるのは嫌でしょう?意識して使えば別ですが、本来のそちらの世界ならば問題ないはずです。
せっかくですからお教えしますが、貴女の求める青春にはそのうち出会えますよ。わたしを苦労させたのです。倖せになって下さいね、カオリ』
そう言ったっきり、女神様の声は聞こえなくなった。
「女神様・・・・・・・・・・・・!
ありがとう、わたし倖せになります!」
って、しんみりできるかー!!
最後の方は感動したけど・・・・・・・。
けど!
え?魔力?!
わたしにも魔力があるの?!どういうこと!?
きれいにまとめたと満足し、女神はヤケ酒だったことをうやむやにした!これより熟睡モード(?)へ移行。
なかなか進みませんが、読んでくださってありがとうございます。