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Q.神様!これはおかしいのでは? A.地球産は異世界では貴重品です  作者: 郵便局が銀杏坂
第一章 アドベンチャースクール編
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3話 Q.入学式ってつまらなくない?

 アダムが入学する学校は、正式名称を、ギルバード第二冒険者学校という。「第二」なのは、この国で二番目に作られた学校だったからだ。同じようにこの国にはギルバード第一冒険者学校もある。


 学校の権力としてはやはり一番最初に作られた「第一」の方が強く、「第二」より「第一」の方が優秀な生徒が集まる。


 「第二」には全部で7つの学年がある。12歳~18歳までだ。今年入学した生徒アダムを含め500人ほどいる。そして試験で順位を決める。順位をつけることで向上心を養おうという考えだ。もちろん成績優秀者には6~7年生のころにある「いいこと」がある。ただ、成績優秀者は1学年に3人。成績優秀者になるには狭き門をくぐらなければならないのだ。


 そしてギルバード第二冒険者学校で入学式が始まった。


 ステージの上にいかにも校長風のおじいさんが現れた。


「えー、おほん。………なんていうのか忘れてしまった…」


 おじいさんはステージ裏へと消えてしまった。


「なんだあのおじいさん。僕の村の村長と同じじゃないか」


 アダムはよく村長が話す内容を忘れ、あたふたとしていたのを思い出した。そして、おじいさんが去ってから周りが急に騒がしくなった。気になったアダムは隣の少年に問う。


「ねえ、あのおじいさんがどうかしたの?」


すると少年は声を荒げて言った。


「ばっばか!あの方はだなぁ、あの有名な《星の砦》(キャスタル)のうちの一人、通称エアリズ様だぞ!本名を~」


 彼の話はその後10分続いた。


「僕は村からこっちにきたからあまりそういうことについて分からなかったけど、確かに《星の砦》は聞いたことがあるような気がするな」


 隣のひと曰く、300人ほどのホルスコッパーの中でも魔術に長けている12人を《星の砦》と呼ぶらしい。


「あんななのに強いんだ」


 アナウンスが響く。


「それでは、在校生代表お願いします」


 どうやらもう校長は出てこないようだ。ステージには長身のいかにも優等生らしい見た目の男が現れた。


「こんにちは。新入生の皆さん。あなたたちは~」


 優等生を見た周りの人が再び騒ぎ出した。


 そして優等生の話が終わる。


「~ということなのです。これから頑張りましょう。7年生 生徒会長 ファルハン・リーブ」


その名を聞いた途端隣の人も騒ぎ出した。


「はぁ…はぁ…あの方はやはりファルハン様…すごい…」


 念の為、確認してみる。


「ファルハン・リーブって人そんなにすごいの?」


「は、はぁ?知らないのか?剣術の天才と呼ばれているんだ。今の7年生、いや、学校全体の中で1番の天才だ。憧れるな。はぁ…はぁ…」


「あっ、この人おかしい人だ」


 アダムのつぶやきは冒険者オタクの耳には届いていないようだった。


 アナウンスが再び流れる。


「それでは新入生代表、エレナ・マリアンヌさんお願いします」


 ステージに金髪が腰まである華奢な少女が現れた。そして、またまた隣の人が何かつぶやき始めた。


「あれは…そう。あの人が今年の新入生の試験で1位を取ったのか。頭良すぎだろ」


 アダムはあえて声を掛けなかった。


 そして、新入生のあいさつが終わり、入学式は幕を閉じた。

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