2話 Q.入学式の朝って緊張しない?
2/2 サブタイトル変更致しました。
そして、とうとう冒険者学校の入学式の日になった。
冒険者を目指す子供達が次々と学校の中へと入っていく。
常に死と隣り合わせになる冒険者だが、職業としてとても人気がある。その理由の一つとして金に困らないということが挙げられる。もちろん魔物を倒せなければ金は得られない。
冒険者ギルドは、冒険者の強さによってランク分けをしている。ランクと聞くと、E,D,C,B,Aランクと続き、最高クラスがSランクだろうと想像するのではないか。しかし、この世界では全く異なる。この世界ではとても細かくランク分けされている。弱い方から順に、A,B,C,D…と続いていき、X,Y,そして最高ランクのZランクまである。合計26ランクに分けられているのだ。魔物にも同様にランクがつけられている。そうすることによって相手がどのくらい強いのかを細かく知ることができ、「おらおら、そこの弱そうな魔物よ。俺様の業火に焼かれて死にな!って、ちょまこいつ強いんだけど、うぎゃああああああああ」というような自分に合わない相手と戦い、死亡してしまうという事故を減らしている。
また、冒険者達はランクA~Eを「フォーター」、F~Jを「サグター」、K~Oを「セグター」と呼ぶ。ここまでは普通なのだ。やろうと思えばここのランクまでは到達することはできる。ただ、ここからは中々ランクが上がらなくなる。
P~Tを「ファグニチューター」、U~Wを「ホルスコッパー」、そしてX~Zを「サミッター」と呼ぶ。
ファグニチューターはそこそこいるが、ホルスコッパーは世界に300人ほどしかいない。況してやサミッターなど5人しかいない。これは世界の人口の0.000000166%でしかない。それほどにサミッターは強いのである。
ちなみに勇者や魔王といわれる者も大抵サミッターだ。
学校の門の前でアダムは立ち止まる。
「うわぁ!これがアドベンチャースクールなのか…大きいなぁ。僕の村にはこんなに大きな建物はなかったよ」
そうつぶやくと再び歩き出し他の子供に混じって校内に入っていった。