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法則その1

中学生になりたての私は恋愛になど興味はなかった。

不健康な白い肌をもつインドア少年で本が大好き、

同級生の話すあの子が可愛いだのこの子は巨乳だのその手の会話には一切興味がなかった。

ただ穏やかに過ごし、そして学生らしく勉学に励むのだ。



「なぁ、俺達のクラスにすげー美人がいるらしいぜ?」

と、入学式で私に耳打ちしてきたのは私の数少ない友人の宮澤だ、彼はイケメンでスポーツ万能、先述の通り分子レベルで構造の違うリア充筆頭である。


なぜ地味男の私と彼が友達なのか?そんな事は私にもわからない、が小学生の頃から私に付きまとってくるのだ。


周りには私が彼の小判鮫のようにか見えないがな。


「なんてたっけな……小沼 春子?さん?」


続けて言う友人を僕は嘲笑する

小沼春子?


春子ねぇ、、、こいつは間違いなく4月か5月生まれだ、なんて安直な名前なんだ、親の顔が見てみたい、

そして漢字の「小」

この手の字を持つヤツは99%小さくない、隣クラスの太い細谷君がそれを証明している。

そして「沼」…うーん…えっと……これは…なんか汚い、そう!汚いのだ



以上で私の小沼春子脳内補完は完了した





「ボストロールみたいな奴に決まってるさ」


私が吐き捨てると友人はやれやれという顔をして会話を切った?

何、お前、やれやれ系まで持ち合わせてんの?







ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



入学式が終わりクラス事に別れると、自己紹介が始まった。

友達なんぞ片手で数えれるくらいが充分

と拗らせていた僕は新しいクラスメイトの自己紹介などもとより聞く気もなかった。

しかし、


「小沼春子です!」


ボストロールの御尊顔くらい拝見しますか、と思い顔をあげるとそこには




そこにはエンジェルがいた



彼女の背景には1億5千万km先ににあるはずの太陽が今や地球に降臨し暖かい日差しを振りまきバラやらチューリップの花が咲き乱れ白いハトと幸せの青い鳥が背後から飛び立ちネロ少年を迎えに来た全裸の猥褻天使もラッパを吹き鳴らし彼女を祝福していた。


小 沼 春 子……

小柄で慎ましやか、それでいて春のような陽気さと暖さが感じられ僕の心を底なし沼かの如く掴んで離さない。

小沼春子、なんて素敵な名前なんだ

御両親にはノーベル文学賞を、


などと惚けていると つんつん、と、ニヤニヤした宮澤に背をつつかれた、


「どうですかね、ボストロールは……」

「お前!おれのエンジェルをボストロールなどと!」


と叫んでしまって全員が私達をみる

幸いなんの話かはバレていない、キョトンとしていた小沼さんも私達をみて


そして彼女はクスッと可愛いらしく笑った




ズキューンという音がなって思わず私は胸を確認した


幸い風穴は空いていない、生きているようだ




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


その日の帰り道、



「なぁ〜トロール命名したのお前だろ〜」


マイエンジェルをトロール呼ばわりする宮澤など無視だ


そんなことより……

私は自分の変化に驚きを隠せずにいた。

この胸の高鳴り………中国の建物なら崩軽く壊させるだろう。


これは


これは 恋 だ

恋愛など興味ないし興味があってもそれは叶わないと思い込み切り捨てていた、

いや、叶わないだろう それでも、それでも私は…



「決めたよ宮澤」



小沼さんの笑顔に撃たれた瞬間、



「は?」



「おれ、リア充になる」



今までの私は間違いなく死んだのである



リアルを充実させるための法則その1





リア充になる決心をしよう




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