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HP9999999999の最強なる覇王様  作者: ダイヤモンド
第7章 反逆のラファエ編
123/227

第123話 男の勝負

 それから僕は海に潜って様々な生き物を観賞したり、子供達と一緒に砂の城を造ったりと、それなりに海水浴を満喫した。


 が、やはり一番の醍醐味は、なんと言っても女子達の水着姿である。セレナ、リナ、スーの三人は今、浅瀬で水をかけ合って遊んでいる。


 そしてその光景を少し離れた所で眺める僕。こうしているだけで日頃の疲れが癒えていくようだ。



「いやー、ほんと目の保養になるよなー」



 僕の隣りではアスタがだらしない顔で、同じくセレナ達を眺めていた。いつの間のか戻ってきたらしい。



「特にセレナの破壊力はハンパねーな。あの反則ボディ、もはや兵器だ」

「……同感だ」



 動く度に上下に揺れるセレナの胸を見ながら僕は答えた。



「ちっ、オメーはいいよな。いつでもあの尻を触り放題おっぱい揉み放題○○○舐め放題なんだからよぉ!!」

「い、いや、まだそういうことは全然してないって」

「まだってことはいつかはするつもりなんだろ!? そうなんだろ!?」

「……そりゃ、まあ」

「うおおおおおおおおおおおおおおおおーーーーーーーーーー!!」



 いかん、アスタが壊れた。



「なんかすっげームカついてきた!! こうなったらオレと勝負だユート!! その勝負にオレが勝ったらセレナはオレのもんだ!! いいな!?」



 どうしてそうなる。僕には何のメリットもないし。



「ちょ、ちょっと! 二人で何を勝手に決めてんのよ!」



 アスタの声が耳に入ってきたらしく、セレナが慌てて駆け寄ってきた。



「ふっ。男と男の真剣勝負に口を挟まないでもらおうかセレナ。そしてこの勝負が終わった時、お前はオレのもんになるのさ!」

「そんなことしても無駄よ! だって……」



 セレナは恥ずかしそうに頬を染め、チラリと僕の方を見る。



「だって、アタシはもう、ユート以外の男なんて考えられないし……」

「がっはあっ!!」



 盛大に血を吐き、その場に倒れるアスタ。それを見た子供達がキャッキャと笑いながら砂をかけていき、アスタの首から下が砂山に埋まった。



「……ふ、ふふふ。なかなかやるじゃねーか。今のは結構効いたぜ……!!」



 ただ自滅しただけだろ。



「だがセレナがどう思うが関係ねえ!! とにかくオレはセレナがユートのものになっちまったことが許せねーんだよ!! オレは必ずユートに勝ってセレナを奪ってみせる!!」

「あのねえ、アンタいい加減に――」



 アスタの暴走を止めようとしたセレナを、僕は右手を出して制した。



「分かった。その勝負受けよう」

「っしゃあ!! そうこなくっちゃな!!」



 砂山を破壊して立ち上がるアスタ。一方のセレナは驚愕の表情で僕を見ていた。



「どうしてこんな馬鹿げた勝負を受けるのよ!? あ、アタシの事なんて、どうでもいいってこと……?」

「そんなわけないだろ。ただアスタの気が済むまで付き合ってやろうと思っただけだ。セレナを渡す気なんて微塵もない」



 僕がそう言うと、セレナは安心した表情を浮かべた。



「そういうことなら、まあ……。けど負けたら承知しないわよ!」

「分かってる」



 こういった茶番は別に嫌いではない。それにアスタも本気で言ってるわけじゃないだろう……多分。



「で、勝負方法は? この前のように『先に足以外のどこかが地面に付いた方が負け』ってルールでやるか?」

「それでも構わねえが、せっかく海まで来たんだ。どうせならそれにちなんだ勝負をしようぜ」

「……ちなんだ勝負?」





「つーわけで第一回戦は……ビーチバレー対決だあああああ!!」



 砂浜にビーチバレー用のネットが設置され、それを挟んで僕とアスタが対峙する。これが終わったら続けて第二回戦と第三回戦を行い、先に二勝した者がセレナを真の彼女にできる、ということらしい。改めて考えても僕に何のメリットもないな。



「先に五ポイント取った方の勝ちだ! いいな!?」

「ああ」



 僕は適当に頷いた。念のため水着に着替える前に【弱体化】でステータスは下げてきてあるので、誤ってアスタに大怪我を負わせたりすることはないだろう。



「それではビーチバレー、スタート」



 審判のスーによって開始が宣言される。サーブはアスタからである。



「覚悟しなユート。かつて〝ボールに愛された男〟と言われたオレ様の実力を思い知らせてやるぜ!! 呪文【電撃祭】!!」



 バチバチと電撃をボールに纏わせるアスタ。それアリかよ。



「くらえ!! スーパーアルティメットエレクトリックサーブ!!」



 アスタから強烈なサーブが放たれる。大口を叩くだけあってかなりのスピードだが、僕にはシャボン玉と同じくらいゆっくり動いて見える。僕は軽くそのボールを打ち返した。



「ぷぎゃっ!!」



 するとボールはもの凄いスピードでアスタの顔面に直撃し、風船のように破裂した。ドサッと砂浜に倒れ、目を回して気絶するアスタ。


 どうやらパワーが強すぎたようだ。まだ力の調整は完璧とは言えないか……。



「アスタ、戦闘不能。ユートの勝ち」



 審判のスーが判定を下した。もはやルールが変わってるけど、勝ったからいいか。





「第二回戦は……水泳対決だあああああ!!」



 海岸に立つ僕とアスタ。およそ1km先には大海原に浮かぶ小さな孤島が見える。先にあの島に着いた方が勝者となる。泳ぎはあまり得意な方ではないが、問題はないだろう。



「降参するなら今の内だぜ? かつて〝海に愛された男〟と言われたオレ様が負けるはずねーからな!」



 色々愛されすぎだろ。



「よーい、ドン」



 スーの合図によって、僕とアスタは海に飛び込んだ。アスタは華麗なクロールでどんどん先を進んでいく。海に愛されているかはともかくとして、その泳ぎは素人目から見ても大したものであった。



「何やってんのよユート!! このままじゃ負けちゃうわよ!!」



 未だにスタート地点で呑気に浮いている僕を見かねたのか、後方からセレナが発破をかけてきた。心配されなくても負けるつもりなど毛頭ない。


 僕は大きく息を吸って海に潜り、両足で強く水を蹴り上げた。すると僕の身体は水の抵抗など者ともせず、ジェット機のように海中を突き進み、あっという間に孤島まで辿り着いたのであった。





「第三回戦は……スイカ割り対決だあああああ!!」

「いや、もう僕が二回勝ったんだから対決する意味ないだろ」

「うるさい黙れ!! この対決に勝った方は10000ポイント獲得できるんだよ!!」



 どこのバラエチィ番組だよ。アスタの往生際の悪さには感心すら覚えてしまう。まあいいか、本人の気が済むまで付き合うって決めたことだし。


 しかし困った。これまでの勝負はパワー押しでなんとかなったが、スイカ割りにパワーはほとんど関係ない。主に〝直感〟に頼った勝負となる。


 流石の僕もスイカの気配まで察知することはできない。アスタめ、考えたな……。

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