009
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「聞いてほしい話と、頼みごとがあるんだ」
お風呂場でそう私に切り出したのは、ヴァンくんだった。
お風呂をあがって、隣にあった部屋――休憩室のような所に移動した私とヴァンくんとエアロくんの三人は、円卓を囲みながら、そこに用意されていた冷えたコーヒー牛乳を飲んでいた。クレイさん……本当に細かいです。そして、温泉だか銭湯だかの話を細かくしてくれたマサトさんと、その話をよく覚えてた二人にも感謝です。
やっぱりお風呂上がりの一杯は格別だよねぇ。火照った体に冷たい飲み物が丁度いいね!
いい感じに体もクールダウンしたので、さっそく二人からマサトさんの詳しい話を聞くことに。
「俺らがマサトにあったのは俺らがまだシルヴェストルになってないウィンディの頃だった」
最初に口を開いたのはヴァンくん。始まって直ぐに聞き覚えのない単語があったので、思わず「シルヴェストル?ウィンディ?」と聞き返すと、エアロくんが「僕ら四大精霊は中位精霊で一定期間の長い年月を過ごしたヤツだけが、上位精霊――シルヴェストルになれるんだ。ウィンディは風の中位精霊の種族名」と補足してくれた。
流石双子。合いの手が上手ですね。というか、やっぱり『アタイ』っていう一人称は作った言い方だったんだね。ヴァンくんよりも少し柔らかめの顔立ちをしたエアロくんに『僕』っていう一人称はよく似合っている。
話を続けてもいいか、と目でヴァンくんが尋ねてきたので、先を続けるように頷く。話始めから変な合いの手いれて止めちゃってごめんね。
コクリ、と頷いたヴァンくんは手に持ったコーヒー牛乳の瓶を両手で握り締めながら淡々と話をし出した。
「俺らみたいなシルヴェストルやウィンディは風のあるところならどこにだっているし、高い所が好きなんだ。それをアイツらに利用された」
「あの日、帝国に吹き降ろす風に乗っていた僕らは、背の高い尖塔に差し掛かった時、急に体が動かなくなっって気を失ったんだ。あいつら尖塔に精霊を捕える為の罠を仕掛けていたみたいなんだ」と、エアロくんもヴァンくんと同じように淡々と語り出した。なるほど、交互に話すスタイルなんだね、この子達。それにしても精霊さんを捕まえるとか、酷い国もあるもんだね。
二人の話に眉をしかめると、その時の事を思い出したのか次第に顔が歪んでいく二人。
「気がついた時には、透明な筒に押し込まれた状態で、中からどんなに叩いても、魔法で破壊しようにも何故か全く力が出せなかった。へたり込んだ筒の足元を見て理由がわかったよ。俺らの力を封じて生命力を吸い取る魔法陣がそこに刻まれていたんだ。力を封じられた俺らは見た目の通り子供の力しかない。そこから自力で逃げ出すのは不可能だった」
「筒の中から見える景色を見てゾッとした。僕ら以外にも同じように筒に閉じ込められた仲間や妖精なんかが魔法陣を取り囲むようにたくさん配置されてたんだ」
いきなり話が重くなる。精霊さんと妖精さんをたくさん捕まえてエネルギー代わりにしたって事!? それもこんないたいけな子供達を!? 信じられない!!
「黒いローブに身を包んだあいつらが、何か唱えた瞬間、体の中からごっそり何かを抜かれる感覚がして、酷い倦怠感に襲われたら、魔法陣が黒く光って中から何人かの人族がいきなり現れた」
「現れた人族たちは何が起こったのか分からない様子で茫然と立ち尽くしていたよ。そんな状態の人族たちを、アイツらが次々と隷属化していくのをみて、分かった」
「「こいつら手駒を集めてるんだ、って」」
苦々しい顔で二人同時に同じセリフを言ったけど、ここまでの話は直ぐには信じられないような内容だった。ただ『隷属化』と聞いて、それで気づいたここまでの背景に背筋が凍った。
私をこの世界に攫ってきたあの男と同じような事を、個人ではなく国単位でやっていた、って事になる。という事は、単純に考えても百……いや下手したら千人単位でどこかの世界から人が攫われてきているという事になる。
――冗談じゃない。平々凡々に安穏と生活していたら、突然訳も分からず知らないところに攫われて、問答無用にいう事を聞かされるなんて。何を考えているの、その帝国の人間は!? それに、何のためにそんなに呼び出しているっていうのよ!?
そんな私の疑問はすぐ晴れる事になる。最悪な方向で。
「丁度あの頃、帝国が送り込んだ勇者が引き金となって、魔王軍と帝国軍の間で戦争が激化し始めていたんだ。だから魔王軍と戦わせるための手駒がたくさん必要だったみたいなんだ。アイツら、自分たちから戦いを吹っかけたくせに、自分たちは安全な所で攫ってきた人間を操って第一戦線に突撃させて。危なくなったら隷属した奴らを見捨ててすぐ逃げ帰るんだ。それの繰り返しさ」冷たい目をしてそう吐き捨てるヴァンくん。
そして、エアロくんもヴァンくんと同じような目をして「同じ人間なのに、人を人として見てないんだよ、帝国の奴らは。あいつらは帝国の人間だけが唯一だと思ってるからな」とそう言い、鼻で笑った。
それが事実なら余りにも自分勝手な理由すぎてムカムカと腹が立つ。
自分たちが勝手に始めた戦争で、自分たちとは関係ない人たちを攫ってきて無理やり戦わせるとか、あり得なさすぎる。
苛立ちまぎれに手に浮かんだ汗をタオルで拭う。そしてカラカラになっていた喉を潤す為に、残っていたコーヒー牛乳を飲み干した。すると、二人も同じようにゴクゴクとコーヒー牛乳を飲み干し、タンっと同じタイミングで机の上に置く。
そして二人は一息つくと、虚空を見上げ話を続けた。
「どのくらいの人間が召喚されたのか、どのくらい仲間や妖精たちが干からびて消滅するのを見たのか分からなくなった頃。もう俺とエアロも体中ボロボロで、消滅しかかっていた時に、マサトが魔法陣から現れたんだ」
「マサトも最初はポカンと魔法陣の中央に立ちすくんでいたんだけど、僕たちの方を見た途端、恐ろしい勢いで暴れ出したんだ」
「取り押さえようとしたアイツらを素手で殴り飛ばし、蹴り飛ばし……十何人いたアイツらをあっという間に全員倒したんだ。カッコよかったなぁ……」
その時の事を思い出したのか、フフ、っと笑みを浮かべるヴァンくん。エアロくんも穏やかな笑みを浮かべ「ね。マサト、すっごいカッコよかった」とコクコクと頷き、少し間をおいて「『最後に見る光景がこれでよかった、少しはスッキリした』って思って目を閉じた時、倦怠感が一気に無くなって、びっくりして目を開けたら、いつの間にか、あの筒が取り払われてて……」と言葉を続けた。
二人とも、さっきは笑みを浮かべていたのに、今はすごく泣きそうな顔をしている。
――ううん、違う。もう泣く寸前なんだ。二人とも顔は青ざめ、大きな緑色の瞳に大粒の涙を溜めて今にも零れ落ちそう。そして、いつのまにかお互いの手を握りしめてブルブル震えている。
「――消えるしかない、って思ってたんだ。もう駄目だって思ってたんだ」
「次々干からびて消えていく仲間を見て、次は僕の番だって思ったら……怖くて!」
「「でも、一番怖かったのは<エアロ><ヴァン>がいつ動かなくなるかって、事なんだ! こんな所に<エアロ><ヴァン>一人を残して消えれないってずっと思ってた!!こんな所に一人だけ残せないって思ってたんだ!!」」
喉から絞り出すように、二人同時にそう言った。今はうつむいてしまっているので顔は見えないけど、その顔はきっと涙と思い出した恐怖でグチャグチャなんだろう、という事は簡単に予想出来た。本当は話したくない、確実にトラウマになっている出来事を必死に話してくれた――。
きっと私にしたいって言っていた『頼み』の為に。多分その頼みって、マサトさんに関わる事なんだろうなと、思う。
そうじゃないと、ぽっと出の私なんかにこんなつらい話を聞かせてまで頼みごとなんてしないはずだから。
下手に声をかけるより二人が自然に落ち着くのを待った方がいい、私はそう判断して「ちょっと喉が乾いたから新しい飲み物貰ってくるよ。二人の分も貰ってくるね」と、うつむいたまま動かない二人に声をかける。そして、空になった牛乳瓶を三つ手に取って少し席を立つ事にした。まぁ、バレバレだとは思うけどね。
新しい飲み物を冷蔵庫から取り出した私は、しばらくぶらぶら休憩室の中にあるモノを色々見て回っていると、「カエデ、もう大丈夫だ。続き、聞いてくれ」と声をかけられた。うん。やっぱりバレてたか。でも、もう大丈夫みたいだね。
席に戻ると、少し気まずそうな顔をした二人がいたけど、そこは気にせず新しい飲み物を手渡す。今度はよく冷えたお茶。泣いた後だから牛乳よりも水分取りやすそうなものにしてみた。
そんな、私の意図に気がついたのか、上目づかいでこちらを窺いながら、小さな声で「「ありがと」」と言ってくれたのにはかなりキュンとした。可愛い美少年達に優しくするのは当たり前ですから気にしないで!! こちらこそ『ありがとう』です!!
ちょっとにやけそうな顔を必死でこらえ、真面目な顔を作る。二人は受け取ったお茶をコクコク飲むと、暗い表情から一転してパッと明るい笑顔で口を開いた。
「そんな時、へたり込んでいた俺の頭を撫でて『もう大丈夫だ』って」
「身動きできない僕を抱え上げて『もう大丈夫だ』って」
「「マサトが俺たちを助けてくれたんだ」」
明らかにキラキラした空気を身に纏い、目を輝かせその時の話を聞かせてくれる二人。
「『なんで、人族なのに人族をやっつけて助けてくれたの?』って聞いたら『真っ青な顔をしたガキ共が、狭ェ所に押し込められていたら、フツウに周りにいる奴らが敵っしょ。ガキに手を出すヤツらは許せねェ。人とか人じゃねェとか関係ねェよ』って、助けて当たり前って顔してそう言ったんだ」
「――そっか、マサトさんカッコいいね」私がそういうと、
「「うん、マサトは強くてカッコいいんだ!」」と声を揃えてくるあたり、マサトさんへの二人の尊敬度がすごくよく分かる。
どれだけマサトさんがすごいのか、カッコいいのかを身振り手振りを交えて力説してくれる。その表情は明るく、さっきまでの暗い雰囲気がまるで嘘のよう。本当にこの二人はマサトさんが大好きみたいだね。
二人は一しきりマサトさんを誉め終わると「俺らカエデにお願いがあるんだ」そう言って、ヴァンくんが私の机の前に、ぽんっと茶色の少し大きな皮袋を乗せた。そしてその中を見るように促されて中身を取り出すと、真っ赤なお守りと、綺麗に折りたたまれた細長くて白い布、そして白い服が入っていた。
「マサトのお願いなんだ。『同じ世界の同じ国の奴がもし来たら、ソイツに頼んでくれねぇか?』って」
「『故郷にいる生まれてるはずの俺のガキと嫁にこれを渡して欲しい』って」
え!? それって、どこにいるのかも分からない、名前も住んでいる所も知らない人を探し出して届けて欲しい、ってことだよね!?
関東圏にどのくらいの人が住んでいて、しかも、100年以上前の人の家族とか、どこをどう探せば良いのか見当もつかない。無理無理!そんなこと無理!!
「ちょ、ちょっと待ってよ!『マサト』って名前しか知らないし、家族がどこにいるのかも分からないのに――」
慌てて皮袋をヴァンくんに返そうとしたけど、二人とも泣きそうな――それでいて必死な顔をして私の手を取り握りしめてきた。うっ、その捨てられた子犬みたいな顔はちょっと卑怯よ?二人とも。
「『はちまき』と『とっこうふく』はマサトが魔法陣から出てきた時に着けてたやつ。ここ一番って時には必ず使ってた。『おまもり』は肌身離さずにずーっと身に着けてた」
「マサト、『絶対帰れる、帰ってやる』って言ってた」
「でも、死ぬってなったとき、その三つを手渡されて一生のお願いだって……」
「カエデ、もし帰れたらでいいんだ。それをマサトの家族に渡して欲しい」
「――でも」
悩んで言いよどむ私に、二人して頭を下げてくる。
「お願いだよ、カエデ!本当なら僕らが直接会いに行きたいくらいなんだ!けど僕らがカエデの世界に行くのは無理なんだ。同じ所から来た人だけが同じ場所に帰れる可能性があるから、僕らが行くことは不可能なんだ――だから、お願いだよカエデ!マサトと僕たちの頼みを引き受けてよ!!」
そうだよね、本当は私なんかに託さないで自分たちで届けてあげたいんだよね。でも、それが出来ないから、だからこんなに必死なんだ。
私のバカ。二人の話の何を聞いてたの?こんなに悲痛で真剣な『頼み』をよく考えもせず簡単に断ろうとして……本当にこの子達のような状況じゃないと『無理』なんて使っちゃダメじゃない。
――よし、反省は後からでも出来る!今はどうやったらマサトさんとヴァンくん達の思いに答えられるか考えなきゃ!!
取りあえず……100年以上前の人のご家族だから、いない可能性の方が高いよね……
でも、もしかしたら子孫の方がいるかもしれない……その人たちに渡せれば……それでも良いなら――
ブツブツとそんなことを考えていると、思いがけないことを二人が口にした。
「マサトがここに来た時『高校中退したその足でバイクに乗って安産祈願した帰りに、突然ここに居た』って言ってた」
「それに『へーせー元年の大晦日に生まれる予定なんだぜ。俺もあと少ししたら親父になるんだ』って、生まれてくる子供の話をニコニコしながら話してくれた」
ん?へーせー……って、へいせいのこと?……平成!?
「ねぇ、エアロくん!本当にマサトさんは平成って言ってたの!?子供さんが生まれるのが!?」
「う、うん……そう言ってた『へーせー元年ギリギリの子とかラッキーっしょ!』って。何のことか分からなかったけど……」
100年前に――『平成元年』って――まさか!?時間軸を越えて召喚出来るって事!?ウソでしょ!?もしそういう事が可能なら、時代の流れも変わっちゃう可能性が――
ううん、今はそれよりも!もし本当にそうなら、元年生まれのお子さんなら20を少しこえたぐらいの年齢のはず。ってことは、マサトさんの家族はまだ生きている可能性があるってことだよね!? それなら、もしかすると何とかなるかもしれない!!
後は……
「ご、ごめん。ヴァンくんかエアロくん。どっちでもいいからマサトさんの姿とか魔法で出せない!?前ベルデちゃんが記憶の姿を魔法で出してくれた事があって、それ出来ないかな!?」
「ぼ、僕がたぶん出来ると思う。鮮明じゃないけどいいかな?」
「いい、容姿が分かればいいから!」
エアロくんがブツブツ何かを言うと、空中に緑色の丸い光が現れ、一瞬にしてその光が人型を取った。確かに鮮明では無いけど特攻服を着た意外と顔が整っている青年の上半身の映像が浮かび上がった。
釣り目がちな黒目の瞳に、リーゼントに白い鉢巻を巻いた頭は黒髪。この顔だちを見て確信した。間違いなく日本人だ。
カバンから取り出したスマホを映像に向け、カメラを起動しシャッターを切る。
急いで確認すると――よかった!撮れている!!ベルデちゃんの時に撮れてなかったからうまくいくか心配だったけど、撮れてよかった。私が覚えて誰かに似顔絵描いてもらうより、こっちの方が確実だったから、一安心!
後は元の世界に戻れば、なんとでもなる!情報社会万歳!!
大きく息を吸い、振り返って固唾をのんで見つめている二人に宣言する。
「ヴァンくん、エアロくん。この大切な品物だけど……私が預かってもいいかな?」
「カエデ……それって」
「うん、もし、私が元の世界に戻れたら、責任もって必ず家族の方に渡す!絶対見つけるから安心して!――でももし、ご家族が亡くなってたら……その時はごめんね?」
二人ともぱっと笑顔になって、私の手をとるとブンブンと引きちぎらんばかりの勢いで振り回す。痛い痛い!!嬉しいのは分かるけど、手加減して!!
「「いい!それでいい!!ありがとうカエデ!!きっとマサトもそれで納得してくれる!!」」
さっきの悲しくて苦しい涙とは違って、今は喜びの涙を瞳に浮かべ、満面の笑みを向けてくる二人。
よかった……完全に断る前に気がついて。あの時断ってたら、この笑顔は見れなかったんだね。この笑顔が見れただけでも、マサトさんのご家族を見つける報酬になるよ!それに、帰る目標がまた一つ出来たからある意味私にとってもメリットあるよね!!
あの後、私に皮袋を託してくれた二人は『マサト』のお墓に報告してくる、と言って部屋を飛び出して行ったので、休憩室には今は私一人。
机の上に置かれた皮袋をそっと開き、中のものを取り出す。
最初に手に取ったのは、お守り。それは手のひらに乗る程小さく、布地と刺繍が毛羽立ち、角の方は何か所か擦り切れてしまっている。表には中央に金色の刺繍で『安産祈願』と書かれている。ひっくり返して裏を見ると、布に滲んで読みづらいけど、『ミハル』『ハルト』と書かれた文字。たぶん、奥さんとお子さんの名前だと思う。お守りの中に何か入っているのか普通のお守りよりもこんもりと膨れている。
お守りを袋の中に戻して、細長い布を手に取り、丁寧に広げる。予想通りそれは長い長い鉢巻だった。中央には赤い日章旗の刺繍を挟んで『特攻』と黒字で刺繍されている。元は真っ白だったと思われる鉢巻は所々黒ずみ、焼け焦げ、薄汚れてしまっている。
最後に特攻服を手に取り広げると、鉢巻同様に、元は真っ白だったはずの服は所々黒ずみ、焼け焦げ、薄汚れてしまっている。上下ともに殆ど原型を留めていない。たぶん、これを着てマサトさんは戦ったんだね……
必死だったんだね。マサトさん。
突然この世界に攫われて、愛する人たちから突然引き離されて。
帰ろうと必死に帰る手段探して、見つからなくて。誰かに託したくないのに、託さなければいけなかった心情を考え、涙が零れ落ちた。
零れた涙をぬぐって、きちんと鉢巻と服を袋に収めると、私はもう一度決意し直す。
絶対、帰ってマサトさんの家族に託された思いを伝えなきゃ。
それが、同じ世界に攫われてきた同郷の私に出来る、唯一の事。
それには誰にも負けない強さを手に入れる必要がある。
30手前でこの思いは、ちょっと暑苦しくて、子供っぽ過ぎる考えなのかもしれないけど、今の私は16歳の姿だし、このくらい熱い気持ちになっても今はいいよね?
そんな風に息巻いていると、丁度休憩室の入口からクレイさんがやってくるのが見えた。
私は急いでクレイさんの前に行くと、その勢いのまま頭を下げた。
「クレイさん!特訓今からお願いします!私強くなりたいんです!!」
そう、絶対強くなるんだ!誰にも負けないくらい強く強く!!
これにて、第一部完です。次回から第二部になります。
(とその前に、いくつか幕間を入れるかもしれませんが)
第二部も引き続きよろしくお願いします!




