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あああああああ  作者: けろっぐ
第1部:戦う力
31/42

005

004の続きです。


004の冒頭に意図的に消していた部分を追記してますので、軽く目を通してからこちらをどうぞ!

「他に聞きたいことはないかの?無ければ早うそのペンを・・・」

「あ、ああ、はい。最後に1つ。聞きたいことと言うか、交渉というか・・・」



 手をワキワキさせながら、話が終了したら即ペンを奪い取ろうと身構えているクレイさんに、私は先ほど考えていた、『私が持っているものいくつか買い取ってくれないか』と切り出した。すると、クレイさんはヒゲに手をやり何事かを考えるそぶりをする。あれ?すぐ食いついてくると思ったんだけどな?



「ふむ、持っているもの次第じゃの」

「あ、じゃぁ、いくつか出しますね」



 意外と冷静にそう返されたので、もしかすると買い取って貰えないかもしれないなー、等と思いつつ、荷物の中から譲ってもいいかな、と思うものをいくつかテーブルの上に並べた。とたん、キラキラと目を輝かせ並べた品物を食い入るように見つめるクレイさん。あ、もしかしなくても、興味深々だったりします?さっきのは食いつきすぎると出すもの出さないとか思われちゃいました?


 一通り品物を並べ終わると、私は順に品物の説明をする。たぶんこのプレゼンの良しあしで購入するかしないかが決まるはず!是非とも買い取って貰って最低でも一か月の食費は稼がないと!!



 さっそく私は一押しの手のひらサイズのアロマキャンドルを手に取り、アピールを開始した。



「これは、高級キャンドルメーカーが、100%天然成分だけを使って作ったアロマキャンドルです!このキャンドルの特徴は火をつけるとキャンドル毎に違う香りが漂うのはもちろん、自然素材で作られているので煙やススが出ず、香りと灯りを存分に楽しむことが出来るんです!」

「ふむ、煙やススが出ないというのは驚きじゃの、しかし火をつけると香りが出る意味がよく分からないのじゃが?それと、ロウソクっていうのは基本的に自然素材で作るもんじゃが、それ以外に作り方があるんかいの?」


 

 えええ?!一押しポイントの「アロマ」と「自然素材」に食いつかないの!?っていうか、この世界ではロウソクは天然素材でしか作られないの?・・・もしかすると、この世界の化学レベルって思ったより高くないのかな・・・



「えっとですね、私の世界ではストレス解消や気分転換に香りを利用する事があって、香り毎にいろんなリラクゼーション効果があるんですよ。あと、ロウソクも天然成分もあれば化学成分のものもあったりします」

「うーむ、すとれす?かがくせいぶん?なんじゃそれは」



 初めて聞いた、とばかりに、きょとんとした表情でそう返される。


 ぉぉう、そうか、『ストレス』という概念自体知らない人にはそこはセールスポイントにはならないのか!それに、化学成分を知らない!?・・・そうか、魔道具なんてものがあるぐらいだから、化学が発展していないのか。・・・しょっぱなから選択ミスった!?



 ちょっと気落ちしつつも『次がある』と頭を切り替え、アロマキャンドルを売るのはほぼ諦めて、適当に説明を続ける。



「えーと、説明すると長くなりますし、理解してもらえなさそうなんで、そこは割愛させてください。とりあえず、香りが出て煙やススが出ないロウソク、だと思ってください。あとは燃焼時間が約30時間ってところですかね?」

「何じゃと!?この小さいロウソク一つで30時間もともし続けれるのか!?」



 あれ?そこ食いつきポイントですか?



 急に眼の色を変えてロウソクを手に取り、観察し出すクレイさん。どうやら香りが出て煙やススが出ない事よりも、燃焼時間が長い事が気になったようである。



「・・・ふむ、今あるロウソクよりも便利そうじゃし、研究してみたいから1つは貰おうかの?」

「え!?ホントに買ってくれるんですか?ありがとうございます!」



 燃焼時間をついでに言っててよかった!取りあえず、これでこの世界のお金を手に入れる事は成功したことになるよね!さぁ、次々いこう!







「石鹸です!」

「それは昨日使っても使い心地が良かった!1つ貰うぞ!」



 1個お買い上げでーす。毎度ありー。





「折り紙です!」

「うーん、特に紙には用は無いのぉ」

「ほーら、折り紙でこんなものが作れるんですよ!」

「な、なんじゃ、紙が花になったぞ!それに、鳥!?か、紙にこんなに多様性が・・・って、それはカエデの技術じゃろうが!」

「(ち、ばれたか)」



 お買い上げならず。残念。





「これ、アクセサリーなんですがどうです?」

「指輪にネックレス、それに腕輪に耳飾りか・・・この細かい彫刻や色合いは目を見張るものがあるが、ワシは特に必要ないのぉ」

「ほら、そこは奥さんとか、娘さんとか、なんだったらお孫さんとかへのお土産に!」

「・・・ワシは独り身じゃ」

「(げ!?地雷踏んだ!?)」



 そそくさとアクセサリー類を片づけ・・・ご、ごめんなさい。クレイさん・・・





「えーと、私の世界の本です。好きなのをどうぞ!」

「ぉぉぉお!見事な製本技術!それに印刷技術もすごい!こ、これも貰うぞ!」

「ありがとうございます!」

「――なぁ、カエデ。ワシの眼がおかしくなければ、この本じゃが、おとこ・・・」

「ああああ!!クレイさん!!それはダメ!!それだけはダメです!!」



 目にもとまらぬ速さで強制取り替え実行!クレイさん!!こっちがおススメですよ!!

 

 あ、危なかった・・・、ふう。





 そんなこんなで、クレイさんは「アロマキャンドル1個」「石鹸1個」「ライトノベル1冊」を買ってくれた。各品物はクレイさん自身に値段をつけてもらい、私の手元には8カロンある。内訳はこんな感じ。



・アロマキャンドル→1カロン

・石鹸→3カロン

・ライトノベル→5カロン



 結構色をつけて買い取ってくれたみたい。クレイさんありがとうね!これでしばらくは路頭に迷わなくて済むよ!


 1日3食・・・2食として、最低でも500コロン、1か月が4週だから12000コロン・・・2カロンだね。この世界の宿屋に泊まるのにどのくらいかかるのか分からないけど、大雑把に考えても大体1か月は大丈夫だと思う。それまでに何とかお金稼ぐ方法見つけよう。



 

 さて、当座の資金は用意出来たし、かなり話がずれちゃったけど、二人は今後どうするのかな?・・・できればもう少し一緒にいて欲しいなぁ、って思うのは私の甘えだよね。もし、一人になったとしても、どうにか頑張らなきゃね!



 そんな事を思いつつ、二人に今後どうするのかを聞いてみると、



「私はカエデお姉さまについていくわ」

「え!?本当?いいの!?」



 ベルデちゃんから嬉しいセリフを頂いた。たぶん、困惑した表情を浮かべているであろう私に、ベルデちゃんはニコリと微笑んで頷いてくれた。



「もちろんよ。忘れたの?カエデお姉さまは私と契約しているのよ?契約者と一緒にいるのは当たり前の事よ」

「情けないけど、一人じゃどうしようって思ってたんだ!ベルデちゃんがいるなら心強いよ!ありがとう!!」

「ふふふ、どういたしまして」



 うわー、うれしすぎる!今後ともよろしくね!ベルデちゃん!!


 

 ベルデちゃんの両手を取り、手を引きちぎらんばかりにブンブンと握手し、感謝の気持ちを伝える。



 そんな私達を横目に、クレイさんは意外な言葉を口にした。



「ワシはそろそろリヒトの大樹に戻らなマズイ。それで、もう戻ろうと考えとったが・・・カエデ、ベルデ、お主らも一緒に来んか?」

「え!?」

「いやの、お主らの今の状況じゃと、山脈の一つも越えれんぞ。わかっとるはずじゃ」

「「・・・」」

「カエデは『自分自身の強化』『安定した食料の確保と安全な居住の確保』が必要じゃし、ベルデお主は大樹林から離れる為の道具が必要じゃ」

「!!?」



 クレイさんの厳しいお言葉に肩を落とした私達だが、その後に続いた言葉に驚きを隠せない様子のベルデちゃん。何?大樹林から離れる為の道具って?



「カエデに魔力が無いのに契約しとる、というからには魔力の供給元が断たれている状態という事じゃ。供給元が無い中級精霊は自身の本体からは離れられんはず、それなのに自由に動け取る今の状態は――、お主この大樹林のマナを身体に取り入れ、自分自身の魔力を削って無理やり本体から離れ取るじゃろ?」

「・・・」

「え?!それってどういうこと!?」



 クレイさんの言葉にうなだれたまま言葉を返さないベルデちゃんと、その指摘に驚きを隠せない私。・・・ベルデちゃん、無理して私についてきてくれたの?



「じゃが、それは一時的に動けているにすぎん。お主、今の状態じゃと大樹林から抜け出た瞬間、力尽きて倒れるぞ。そんな状態でカエデの役に立てると思うてか?」

「――お見通しでしたか・・・」



 クレイさんの言葉にしょんぼりと肩を落としたベルデちゃん。というか、私が魔力が無いせいでベルデちゃんに負担をかけているとは全く気がつかなかったよ。ごめんね、ベルデちゃん。

 

 二人して暗く落ち込んでいると、そんな空気を一掃するように、優しく声をかけられる。



「じゃからお主ら二人とも、ワシについてこい。カエデはワシが鍛えてやるし、食料も寝どこも用意してやる。ベルデ、お主にも大樹林を抜け出ても大丈夫なように魔道具を作ってやる」



 それって、私達の手助けをしてくれるって事?でもなんで!?



「ど、どうしてそこまでしてくれるんですか?クレイさん」

「なぁに、手持ちに食料が殆ど無いのに昨日も今日も旨い飯をごちそうしてくれたから、そのお礼じゃよ。――それに、ワシはお主が気に入ったんじゃ、カエデ」



 ふぉっふぉっふぉ、とヒゲを撫でながらそういうクレイさんだが、チラリと見えた耳の先が少し赤かったから、少し照れてるに違いない。


 やっぱりクレイさんはカッコいいね。独り身っていうのはウソじゃなかろうか?こんなに気遣いが出来る男前だし、絶対モテるはずなのになー。






 そんなことを思いながら、私たちはクレイさんと共にリヒトの大樹へ向かう事を決めたのだった。









 で、冒頭に戻って、私達はただ今綺麗なお姉さまと綺麗なお兄さま、昔懐かしヤンキー&レディースにもみくちゃにされています。



「土のジジイ!てめぇ、何考えてやがる!ここに人間なんか連れてきやがって!!追い出せ!」

「兄貴の言うとおりだよ、さっさと追い出せ、このジジイ!」

「うるさいの、風の小童どもが。ワシが連れてきた客人じゃ!お主らにとやかく言われる筋合いはないわ!」



 昔懐かしいヤンキースタイルの男の子と、これまた懐かしいレディーススタイルの女の子が、クレイさんに睨みをきかせている。

 二人とも綺麗な緑色の髪をした美形さんなのに、その残念スタイルが全てを台無しにしている。なんてもったいない。普通の恰好をすれば二人ともお人形さんみたいなのに!





「そこにいる新緑を思わせる美しい髪をしたアナタはもしかしなくても、ドリュアスじゃないですか?森の妖精にこんな所に逢えるだなんて、これは運命に違いない!」

「あ、すみません、火の精霊様。それ以上寄られると私燃えるんで近寄らないで貰えますか?」

「その小さなハートに火をつけてしまうだなんて、なんて罪作りなんだ僕は!さぁ、小さなプリンセス、僕の手を取りたまえ!」

「・・・うざい(ボソッ)」



 ベルデちゃんは真っ赤な髪をしたこれまた美形のお兄様に、一目で気に入られたらしく、何か言い寄られているが、綺麗にあしらっている。

 ていうか、あのお兄様、キンキラキンのド派手な衣装にいちいち作ったかのような口調と動き。それにケバケバしい化粧・・・すごく宝塚(ヅカ)っぽい。もしかしてお兄様じゃなくてお姉様なのだろうか・・・?





「あらぁ、アナタのお肌ツルツル!なんの化粧品使っているの!?その真っ白なお肌、うらやましい!」

「は、はぁ・・・」

「それに、このお肌のハリ!若さが憎いわ!!」

「は、はぁ・・・」


 そして私は、キラキラ光る水色の髪を高く結い上げ、アラビアンナイトに出てくる踊り子さんのような薄い衣装を着た、綺麗なお姉さまに絡まれてます。


 うん、ものすごく美形。彫が深い顔立ちにサファイアみたいにキラキラした切れ長の大きな瞳。真っ赤なルージュが引かれた口角の横に小さなほくろが色っぽい。

 

 スタイルもとてもよくて、盛り上がった胸筋(・・・・・・・・)に鍛え上げられた上腕筋。割れた腹筋から引き締まった臀部まで無駄な脂肪が一切ない、というとても素敵なナイスバディ。


 えーと、ガチムチ?っていえば分かりやすいかな?そんな別の意味でものすごくいい身体をした綺麗なお姉さま(・・・・・・・)です。はい。





 えーと、すみません。もしかしなくても、ここ四大精霊が勢揃いしてたりします?



 そして、何なのこのカオス・・・





 どうしてこうなった・・・

ヤンキー口調が思い浮かばなくて若干苦労しました。


・・・こんな感じだよね??

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