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体育館で話す人たち 1

「私はたまにな~」

田代ミカ、だと私が思っている輪の真ん中の田代ミカが言った。

「ていうかちょくちょくな~~、双子じゃなかったらよかったかも~~と思う。で、双子で良かったな~~とも思う。しょっちゅうな。それで何にもなくてただ、あ~~あたしら双子なんだな~~と思う時もある。今はどうかっていうと、あたらしら双子なんだな~~と思ってる」

そこで田代ミカは黙って体育館の中はしん、となる。

 そして田代ミカは続けない。

 え、なにそれ?終わり?目を開けたい。

 みんなどんな顔してるんだろう。

 ほんの少し顔を上げて、ものすごい薄めで廻りを見ようとするが見えない。

 ドスドスと足音が聞こえたのでビクッとしてぎゅっと目をつむる。

 そしてまた入れ替わりにドスドスという音。それは真ん中へ移動した音だ。

 田代ミカと田代リカが入れ替わったんだなと思う。



「あたしが~~~」と真ん中の声が言った。

さっきの田代ミカの声と同じだ。

「ミカかリカかわかるやつ手ぇ上げて~~」

さっきのがミカだとして入れ替わっていたら今の声は田代リカだけれど、

本当に入れ替わったどうかは分からない。

私は手をあげない。

「よし手ぇおろせ~~~」

…どのくらいの人が挙げたんだろ…



「あたしはな~~、双子で生まれて良かったな~~て思ってきたな~~、ずっと。たまにけんかするとな、双子じゃなくても良かったな~~って思ったけど、それでも双子で良かったと大半思ってるな。この世に一人きりじゃないって感じがする。例えどっちかが先に死んだとしてもな、この世に生れて来た時一人じゃなかったと思うと、寂しくはないような気がする。ずっと一緒~~~みたいな、な?」

ぴゅううううううう~~~と指笛が聞こえた。

 みんなびっくりして目を開けてキョロキョロしている。

 私もだ。

 そしてまたヤグチの腕が私の腕に当たった。


 どうやら指笛を拭いたのは田代ミカのようだった。今話していた田代リカの話に反応したのだ。

 嬉しかったのかな?なんか二人とも可愛い感じがする。



「よ~しお前ら~~」田代リカが言った。「後であたしらのダンス見せてやるから~~。今度ダンス大会出るんだよ~~。取りあえずじゃあ次~~~山根~~」

え~~やっぱ私?

「「あ~~じゃあ誰でもいいよ、誰がしゃべる~~?」」

私がすっと立ち上がらないので田代姉妹が言った。

輪になった私達は全員がお互いを見回す。

 何かごめん、みんな。私が最初に言われたのに。



「お前らノリ悪いな~~。じゃあ来ん中で双子の奴~~」

そうそう双子何かいないよ、双子の兄弟姉妹がいるなんて話、クラスで聞いた事なんかない

 と思った所に3人も手を上げるので驚いた。

 コンドウくんとムラヤマさんと、後、今私の右隣に座っているデガワさんだ。

「よしじゃあその3人~~~、順番に双子について話してみ~~~?山根~~~」

「…はい」

「よく聞いとけ~~~」

「はい…すみません」



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