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田代姉妹の保健 1

 3時限目は保健だ。

 まだ3時限目が始まる前なのに疲れた感じがする。


 保健の担当は田代ミカ。

 女子の体育の担当も田代ミカで、体育は3組の女子と一緒に受けるのだが、保健は4組だけで男女一緒の授業だ。

 普通は4組でやるのだが、生物室から戻ったら黒板いっぱいに、『本日の保健は体育館で行います』とオレンジ色のチョークで書かれていた。


 一昨日の放課後、私が桜井から話をされてる脇で煎餅をバリバリ食べていた田代ミカを思い浮かべる。

 ヤグチはその煎餅をもらったって言っていた。



 体育館シューズを持って体育館へ急ぐが、「薫!」と後ろから呼ばれてビクリとする。

 ダメだ。早くヤグチに『薫』と呼ぶのを止めさせよう。

「ヤグチ君、私の事を…」

「お前、放課後また高森に呼ばれたの?」

情報早いな。

「そうだけど私の事を…」

「桜井のとこ行くんじゃねぇの?ってか高森に呼ばれ過ぎじゃね?」

「生物の私いるグループで水槽運ぶの手伝う事になっただけ」

まぁ最初私だけが声をかけられたわけだけど。

「仕方ねぇな、オレも行くわ」

「いいよ来なくて!5人いるから」

 チャイムが鳴ったので私達は小走りに体育館に駆け込んだ。



 体育館の中には先に着いた20人くらいが少しずつグループになって何か話していて、私達の後からもばらばらと駆け込んでくる。

 先に着いた子たちの中にツブツブもいて目が合った。

 目が合ったのが嬉しくて、私はつい微笑みかけたがツブツブの視線はすぐ隣に移った。

 隣にいたのはヤグチだ。またヤグチと一緒にいると思われたかな。

 …もしかしてツブツブ嫉妬っぽい事してくれてる?

 それだったら凄く嬉しいけど、誤解されるのは良くないからヤグチから離れよう…



「「山根~~~」」

体育館いっぱいに響き渡るデカい声で呼ばれて振り向くと田代ミカだ。

 田代ミカまで私を呼ぶか。

 そしてもう一人田代ミカ…じゃなくて、田代ミカと双子の、1年の体育担当の田代リカも一緒にいる。

 ていうか私には…たぶん他のみんなもだと思うんだけど、どっちが田代ミカか分からない。


 ざわざわと体育館の中がざわめいた。

 田代姉妹は今日もお揃いのオレンジのジャージの上下だ。そして今日も2人ともツインテールでまとめている。


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