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夕飯は外食で?

短いです。いつも短いですが今回は特に短いです。

長く書けるようになりたいー!

「ひょわ」



 メリーさんに出してもらった服を着て出れば、出てすぐのところにメリーさんが立っていた。いちいち怖い人だ。



「電話する?」


「あ、借ります」



 手渡された白いシンプルな――悪い言い方をすれば写メ機能もついてない古い型の携帯に目を剥く。今時らくらくフォンでももっと高機能だろうに。


 番号を押し、耳に当てる。そして、音声。



『おかけになった電話番号は、ただいま使われておりません』


「は?」



 もう高校生なんだから携帯を持たせて欲しいと強請っても親は許してくれなくて、家への連絡は公衆電話を使ってる。その私が家の電話番号を間違えるはずがない。一縷の望みと母親の携帯電話にもかけたがかからない。



「電話がかからない……」


「そう」



 メリーさんは何故か頬をピンク色にして言った。熱でもあるんだろうか。



「今日は泊っていけば良い」


「迷惑じゃない?」


「全く」



 メリーさんは無表情のまま一度頷くと、クロゼットに向かい扉を開けた。中には布団が入っていて、最近の若い子にしては珍しくベッドじゃなかったようで感心した。――って、何だ私は。『最近の若い子』だなんて言っていくつのつもりだ。



「客用布団はないから、一緒」


「あ、はい」



 異性同士じゃあるまいし、ちょっと狭いかもしれないけどせっかく布団で寝させてくれると言うんだから甘えよう。メリーさんって見た目養生がなくて怖いけど優しいなぁ。



「あ」


「はい?」



 メリーさんが、何かに気付いた様子で声を上げた。



「夕ご飯」


「ああ」



 そう言えば食べてないけど、目覚めた時のことがあまりに衝撃的すぎて空腹感は全くない。でもメリーさんはただ私を拾っただけだしお腹も空いてることだろう。



「レアが怒る……茉里」



 生活感のない部屋の真ん中に置かれた敷布団を台にして立つメリーさんの姿は、異様だった。ひょいとメリーさんは布団の上から降りると扉に小走りし、私を手招きしてドアを開けた。



「夕ご飯を食べに行く」


「分った」



 外に出ると言うことは外食だろうか? 備え付けのキッチンも使用されている感じがしないし、そうなのかもしれない。財布の中には数千円くらいなら入ってたはずだから、食事代くらいなら出せるはず。


 ――ところで、部屋着で外食に行くんだろうか。メリーさんは早く来いと手招きしてるし、どうしたものか。



「茉里?」


「あー、今行く」



 諦めよう。某、脳天に一発撃たれて死ぬくらいならと後悔、オレ復活! なマンガの主人公よりマシだと諦めよう。

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