お姉ちゃん、異世界の人?
皆が食べて飲み、落ち着いた頃に切り出してみることにした。
「あの、私気がついたらこの山の中にいたんです。道を聞きたくて」
あとはどう言おうか迷ってる間に、
「えっ気づいたらここにいた?」
「それは…まさか…」
男の人と女の人がとても驚いた顔をする。
「お姉ちゃん、もしかして異世界の人?」
「えっ?」
女の子の言葉にこちらもびっくりする。
(異世界って…?神隠し?!イヤアアア!)
私の動揺をよそに、女の子が続ける。
「実際に会った人から聞いたことがあるよ、異世界からの人は突然現れるって。変わった格好と道具を持ってね。私はまだ会ったことが無いけど」
「見ず知らずの自分達に貴重な食料や水を分けてくれて、世話になったことだし力になりたいと思う。
よければもう少し状況を教えてもらえるか?この森は普通の人は入れない場所だから」」
女の子と男の人の言葉に、言うべきか少し迷った。
でも本当のことを知りたいから隠しても仕方ないと思い、話し始める。
「ありがとうございます。私は車で走ってたら、車が飛び出してきて、衝撃があって。いつの間にか気を失っていたんです。目が覚めたら、カーナビに聞いたこともないような地名が出ていました。
迷いの森、コブ山、とか」
私の言葉に、三人がそれぞれ反応する。
「クルマって何?
知らない言葉!やっぱりそうだよ!」
「コブはここの山の名前だ。いやしかし…」
「あなたが気がついた場所に行ってみましょうか。
何か痕跡など、わかるかもしれません」
(…どうしよう、私…これ、帰れなくなるやつじゃないよね…?)
何だか大変な事になってきた気がする。指先が冷たくなって、喉の奥がカラカラに渇く。
唯一の自分との繋がりである車が、消えてたりしませんようにと祈りながら頷く。
車の場所まで三人と移動することにした。




