カラスによると②
「そんで、どんげなことだったかいね?」
このカラス、自分の喋りたい事だけ喋って10分は軽く過ぎている。いい加減に本題を話して欲しい限りだ。
「カラスであるはずなのになぜ喋れるのか理由を聞いてるんです!」
「おお!だが!たが!そげな話もしょったな!」
やぁっと一番気になってる所に戻って来た。長かった……。気がつくと思い出に話が逸れているのだ。もう、本格的に面倒臭い人間のおじいちゃん味がする。
「いやぁ〜、えらい昔のことだかいよ小せぇことは覚えてねえが、まぁ、元を辿るとお嬢のお目付役兼友人役みたいなもんを目的として作られたのが俺だわな」
「作られた!? 生き物なのに作れたの!?あっ、小さい頃から喋れるように訓練されてたって事? …いやいやいや無い無い…………ん?ドユコト?」
「ガッハッハッ落ち着かんか、今から話すかいよ」
「えぇ……………」
(落ち着けって言われても……ねぇ、未知すぎるし)
「俺は魔物生成術半生命体て言っど難しかよな、前にお嬢が改名されたーちいーよった気もすっしな、あ〜、どんげなもんだったかね〜ちよ……一応、魔法生物ってやつにあてはまっとは思うんだがなー」
「……今、なんて?マホー?」
(まさか、そんな訳ないよね?世界でも3人しかいないらしいし、もう御伽噺やファンタジー小説の架空の存在に近いし、マホー?真宝の事だよね?何か特別な宝石で作られ……)
「魔法は魔女やらが使うあれだがよ有名なもんだがね?」
「マジかよ……そらカラスも喋るわ」
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★説明しよう!★
今、世界で魔法使い・魔女は合わせてもたったの3人しか確認されていない。理由は大きく2つある。
1つ目は約1000年前の戦争で最前線で戦わさせられたからである。そこで過半数の魔法使い・魔女達は力尽きてしまったのだ。
2つ目は魔法使い・魔女の多くが興味関心の幅が狭く自由を好む傾向があったため独り身で一生を過ごすことも珍しくなかったことだ。その為、戦前から魔法使い・魔女の人口は減少傾向にあった。加えて戦争により多くの魔法使い・魔女を失い必然的に血が薄まって行き魔力を持つ者が生まれにくくなったのだ。そして約300年前を最後に純粋な魔法使いは居なくなったとされる。
つまり現代の魔法使い・魔女は先祖返りに近い。近い、と言うのも純粋な魔法使い・魔女に比べると質も力が劣るからだ。戦争が終わり、1000年たった今でも完全な先祖返りは1人も確認されていない。
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なかなか説明する機会がなかったので最後に無理やりねじ込みましたね。
読んでくれてありがとうございます( . .)"