34 じいちゃん
セリは目の前の光景に驚き、固まった。
なんでおじいさんが杖を振り回してるんだ??
身分が高いのか、学園の警備も手を出せないようだ。
「わしの孫を返せ」
そう叫んでいる。
誰のお爺さんだ??
「前ブルック伯爵だな・・・」
「あれが?」
「あぁ、現役時代は人当たりもよく、傲慢だがやりてだったと聞いているんだが」
「何しに来たんですかね」
「アーニャ嬢は今、学園の反省室に入れてあるからな、助けに来たのではないか?」
学園の反省室、そこに入ると、自分の犯した罪を繰り返し書かされるという・・。
自分の罪と向き合う頃には、別人のようになると噂だ。
ブルック爺さんは杖を振り回し、口から唾を飛ばし、叫びまわっている。
あれ?こんな感じどっかで見たな・・・。
顔、赤くない?
息も切れてるし。
あ、あれ、やばいかも・・・。
昔、近所にいた怒りオジサンだ。
家の前を通るすべての人をにらみ、叫ぶ。
「ここを通るなぁ!わしの家だぁ!」
私と仲良しのちびっこは、肝試しのように何度も家の前を通り、怒鳴られる前に走り抜けるという遊びをやっていた。
そんなある日、家の前を荷物を持って通る商家の若い兄ちゃんに、
「きさまーーーーーー!きさまーーーーーー!」
そういって怒りオジサンは手を振り上げたままバッタリ倒れた。
若い兄ちゃんがすぐに医者を呼んでくれたが、オジサンはそのまま寝たきりになってしまった。
それと似てる…かも・・・。
「クロード様、あのおじいちゃん、あのまま倒れるかもしれません。
お医者さんを呼んでおきましょう?」
「倒れる?」
「はい、昔ああやって怒鳴って頭が切れて倒れた人がいまして・・」
「ゴウゼル!」
ゴウゼル様が素早く走って呼びに行ってくれた。
間に合いますように。
短いです。
病気の描写があります。




