31 新たな嵐
学園に行くと、馬車の溜まりが騒がしい。
なんだかデジャヴ。
甲高い声で騒いでいるのは・・・・誰?
「トマスってば!学園を案内して!」
おいおい、相手はトマス様かよ。
「いや、君は先に学園長室に行くんじゃないのか?」
「え~場所がわかんない~」
「だから、そこにいる使用人の後ろをついていきなって」
「ヤダっ、怖い~」
なんだこの生き物。
「何この騒ぎ」
「あーなんか編入生らしいよ」
「ふ~ん、なんでこんな騒ぎになってるの?」
「なんかあの子がトマスと一緒じゃないと嫌だって騒ぎ始めたみたい」
「編入生はまず学園長に挨拶してからだもんね、ちゃんと案内の人もいるし」
「何がしたいんだろうね」
馬車溜まりで通学してきた生徒たちが情報を共有していく。
トマス様がクラスに来てからものすごく愚痴っている。
「俺さぁ、馬車だまりで困ってうろうろしている女子がいたから、声かけたんだよ。
そしたらさ、「お名前なぁに」って」子供みたいに聞かれてさぁ、
見学者かと思って「トマスだよ」って言ったらそこからベタベタされて、最後はあんな感じで・・・
俺、何が悪かった??」
運が悪かったんだな、トマス。
「セリ・・・・っ私もあんな感じだった?」
ミーナ様・・・まあ、そうだなって言っていいかな?
「「「ミーナ様もう少し可愛かったです」」」ってクラスの皆さま。
「やっぱり、あんな感じだったのね・・・」
「でも、今ちゃんと反省を生かしてますし、編入生も多分慣れたらちゃんとしますよ」
って言った口をひねりたい。
「あたしぃ、皆から意地悪されてぇ~~~」
うへぇ、よりにもよって悪魔と眼鏡に絡む?
【貴婦人会】の皆様も、クラスの人たちも 毎日ミーナリア様の時のようにニコニコしながら囲んでいるにも関わらず、彼女はいつも男性の腕にからまっていく。
授業中も、昼休みも同じクラスの女子が案内をしようとしても、全く無視して男子にばかりからんでいく。
【貴婦人会】の皆様も声をかけるのだが、
「あたし、こないだまで平民だったの、だからわかんない~」
意味がわからんのはこっちだよ。
「あたしぃ、授業がよくわからないんですぅ」
「で?」
「誰かにおしえてもらいたいなぁ~って」
「教師に聞くのが一番だ」
「だってぇ、先生って怖いんですぅ」
よりにもよって、再度悪魔と眼鏡に絡むとは・・・。
彼女は手当たり次第の男性に声をかけ、女子が何度も協力を呼び掛けても全くの無視。
ドンだけ強い精神力・・・。
「私もあんな感じだったみたいだし・・・何とか仲良くなりたいわ」
ミーナ様はそう言って何度も話しかけていたのだが、
「あたしが可愛いからそうやって毎回文句ばっかり言いに来るのね」
え~~~~、感想間違えまくりじゃない?
彼女は授業中もうるさいらしい。
「あたしそんなことしらない~」
「それって知らないとだめなのぉ?」
「あたしが平民だったからって笑ってるのね」
そればっかりで進まないらしい。
なんであんなの編入させた?
責任者出せよ。
ある日、彼女はとうとうやらかしてくれた。




