三題小噺シリーズ 018 『ワーキング・プアー』『液体窒素』『東海道五十三次』
前回とは打って変わって
ちゃんとした物語です。
(^^)
ちょっと近未来ですかね。。
『やぁ、相変わらずだね兄貴。(^-^)』
「嫌味かよ二郎。(-_-) 俺は相変わらずだ。」
『…いや、ボクはそんなつもりは、』
「わかってるよ。お前は優しいヤツだからな。」
俺の名前は東海道京太。
東海道家の長男。
名家でもなんでもない我が家の唯一の誇りは、千年以上も直系血族を次いできたこと。
俺はその53次目になるはずだったが…
(・ω・`)
30過ぎてフリーター。
年収200万のワーキングプア。
もちろん独身、、(´・_・`)
そんなわけで医療研究者で性格のいい弟に跡目を譲ろうと考えてる。
別に悔しくなんてないけど…
(。-_-。)
『…やはり兄貴は子供は望まないんだね??』
「…仕方あるまい。ワープワは結婚など夢見れない時代さ。。」
『けどウチの家系は千年も繋いで来たんだ。命のタスキを連綿と…』
「駅伝か?(^-^) 」
『だって東海道は駅伝発祥地として有名だろ。たしか1919年、、』
「さすが博学だな。(^-^) 俺は父系だから液を次いでるのかと…」
『…なんじゃそりゃ。(・ω・`) 』
「東海道中ビラくり毛とくらぁ(^-^)」
『ビラにクリに毛って…(。-_-。)、兄さん好きすぎます。。』
「…すまん、(^-^) つい出題者の性格も鑑みて不慣れな下ネタを…」
『…ったく、父さんがなぜ兄貴に京太と名付けたか知ってるのに…』
「…だが俺はこの有様。 倒壊した53次目は京の惨状(三条)だ。俺にはムリなんだよ。」
…落ちなかったな、(・ω・`)
けど余計な気遣いは遺伝みたい。。
弟の二郎は俺以上に気遣ってくれていたようで、、
『けどボクは…兄貴以上にムリなんだ。』
「…なんで?(・ω・`)」
『実は…病気が見つかってね。このままではボクはあと5年程しか生きられないらしい。』
「はぁ!?∑(゜Д゜)」
『しかも遺伝するらしい、、だから子供も作りづらい。。』
「う…嘘だろ!?研究者なら助かる方法くらい、、」
『…そうなんだ。この病気の研究は進んでいて、いずれ治療法はできる目処は立ってる。』
「ならば二郎は助かるのか??」
『けど何年後になるかわからない…(・ω・`) おそらくボクの存命中には間に合わないだろう。。』
「、:(;゛゜'ω゜'):…」
何ということ、、(;o;)
なのに何もしてられない冷たい兄を許せ、、
それに水臭いじゃないか弟よ…
俺たち兄弟はまるで冷たすぎる液体。。
ってわけでもないようで…
(・ω・`)
「コールドスリープ?(・・?)」
『そう。だからボクは仮死状態になることにしたんだ、、液体窒素を使ってね…』
「な…なぜ??いつまで??」
『治療法が見つかるまで。そこまで冬眠すればボクは必ず完治する。また…命のタスキを繋げる。。』
「だが…大丈夫なのか??」
『一応安全とは言われてる。。けど目覚めるのが何年…何十年後かはわからない。だから、、』
そういうことか、(`・ω・´)
二郎が俺に言いたいことは分かった。
ならば俺は…守るから。。
お前のいない間この家を…
東海道五十三次目を守るから。
だって俺は…液体窒素ではない。
ワープワでも心まで貧くも冷たくもない男のつもりだから。。
こうして二郎がコールドスリープに入る日がやって来た。
(・ω・`)
けど部屋は冷たい煙でモウモウ、、
見るからに不気味な感じで…
「…二郎、緊張してるのか??」
『…そりゃそう。。窒息しそうだ。』
「はは、^_^ 窒素で窒息はしないさ。」
『…分かってる、…大丈夫だから。。』
「だが怖いのは当然だ、液体窒素に満ち溢れた部屋なんて…」
『違うよ兄貴。。きっとこれは…武者震いだ、、
「おいおい。無理するなって。」
『だってボクのこの部屋も今は、、』
気体(期待)で満ち溢れてるんだ。
おあとがよろしいようで、( ^ω^ )
次回は『高須クリニック』『中国拳法』『因数分解』
の三題です。
どう考えても人情噺にはなりません。
(^^)