パーティーの日
悪役令嬢系初作品です。
改善していきたいのでご指摘待ってます。
ここは、フリージア王国に存在する王立セシリア学園。この国の令嬢・子息が通う学校である。
そして、この学園で今日は卒業パーティーが開かれる。
「エリザベス様、どうぞ」
「ありがとう」
馬車の扉が開く。
「今日のエスコートは、私が務めさせていただきます。」
そう言って手を伸ばしたのは、私の執事であるユキ。
深い青の髪に紫の瞳、シュッとした輪郭に少し高めの背。第3者から見れば、少しかっこいい男の子、ぐらいの認識である。
「ええ、よろしく」
対してエリザベスは、傷んでいないさらりとした金髪を腰まで下ろし、毛先は少し波打ったようなパーマを当てている。目はつり気味で、赤い瞳。全体的に気の強そうな印象を与える少女である。
2人は幼馴染のような関係であり、幼少のころにエリザベスがねだった奴隷が、ユキであった。
それから2人が同い年である事が発覚し、エリザベスの頼みもあり父である当主がユキをエリザベス付きの執事にしたのだ。
本来、パーティーの相手を務めるのは婚約者である。
それがなぜユキが相手を務めているのかというと、
「私の婚約者様は、なぜあんな女をパートナーに選んだのかしら」
という事である。
「エリザベス様、お気になさらず。あの方のただのお戯れでしょう」
「そうだと良いのだけれど…」
「そうでなければ、私が許しません」
少し怒りをにじませるユキ。
その姿に、なんだかほっとした気持ちになる。
(私はエリザベス・シャルロット公爵令嬢なんだから、しっかりしないとね)
今日のパーティーはなんとなく嫌な感じがするのであまり出たくなかったが、公爵令嬢として、そしてあの方の婚約者としての立場から欠席することは許されない。
‥‥たとえ、誰からも歓迎されなくとも。
「エリザベス嬢」
『エリザベス様』から『エリザベス嬢』と呼び方を変えた、表のユキが話しかける。
「さぁ、入りましょうか」
「ええ」
今までの思考を振り払い、意識を切り替える。
ユキのエスコートにより、私たちは会場に入っていった。