教会・孤児院・騎士団本部事務局の戦慄
帝都
アラバタール
16:00過ぎ
騎士団本部の総務部主会計のベルグ少佐との話し合いが終わり、このままでは直ぐに『貴族院』に提出した書類がそのまま、司法尚書に渡り、国務尚書を巻き添えにする。
その後は軍務尚書と騎士団総長にも話が行き大騒ぎになるとの結果が出たので、俺は騎士団本部をでて、孤児院に向かっていた。
孤児院は国からの僅かな援助金や、巣立っていった者達の中で金銭的に余裕があるときに寄付を行っている。
自営で営業しているサービス業だなこれは。
希には貴族や商人も金を出している後ろに面倒な関係者がいない健全な場所だ。
これが教会になると、話は一変するのだからやってられない
三年前初任給で購入した食料品や服などを現物で寄付すると伝えたら……
『断られた!』
『お布施は現金でのみ受け取ります。』
とか言って、巫山戯てんのかい。
子供の為に寄付するのに金とか食料とかって関係ないだろうがクソが
でも、言っているのは解るさ。
小さい子供の頃から洗脳して、回復魔法使えるならそのまま神の奇跡とか言って治療に高額なお布施を強要する。
他にも神殿騎士にすれば裏切らない、素直な暴力組織の構成員の完成だ。
魔法使いや暗殺者も自前で準備するのも格安だからだ。
俺も回復魔法をそれも高位の回復が出来るので、騎士団の訓練生時代はって今朝までだけと、お誘いが頻繁に来ていた。
教会は公爵家の嫡男でも関係なく、ならばその立場の者が教会に所属すれば知名度に発言力を得れるのでしつこく勧誘に来ていたが、俺の仲間達から追い払われていた。
最後は火・水・風・土魔法まで使われてだ。
教会の裏の話は聞いていたが、実際に平民出身の仲間に実話として聞いたので関わりたく無いと心から思った。
なので、孤児院に収納魔法内に保存してある肉や野菜を持って行き、寄付と同時に宿もゲットすると言う何とも素敵な考えから向かっていた。
(因みにだが食料は、軍に返すのを忘れていた物なので金は掛かっていないし。
何よりもベルグ少佐が返さなくても全て消費したので! と言えば証拠は無いと言っていた。
騎士団本部の少佐が良いのかと思ったが良いのだろうと納得することにした)
序でにだが、怪我人がいたら回復魔法で回復してあげる好意を見せる。
それでこの一月程度の間に俺の好感度アップして、公爵家との関係問題を有利に進めようとしているのであった。
平民の噂話は実はとても強力な力を持っているのだ。
それと今一つだ、その間は、孤児院で国のために幼き子の自立支援の為に食料、衣服、文字の読み書き等の支援をする。
この提案者はベルグ少佐だ。
流石だ。
実戦には殆ど出てはいないのに騎士団に正式入団五年で本部少佐までなった天才は違うと心の底から感嘆した。
◇◆◇◆◇◆
騎士団本部
総務部
「すいませ~ん、主会計科のベルグ少佐はいますか~」
『何故!』
と、その場の全員が心で叫んだ!
それは、声を掛けたきた男性が左胸に白色と青色の黒色の星が丸いバッチの中に存在していたからだ。
「失礼ですが、司法省の方が何用ですか?」
「突然で申し訳ないのですが、内容は機密扱いなので、ですが 国務尚書と司法尚書それと軍務尚書がベルグ少佐のお話をお聞きしたいと」
『何故そんな大物達が何しに?』
「私がベルグ少佐ですが、貴族院の件でしょうか」
「はい、そうです やはりお解りになっていましたか」
「そうですね、一応 彼の悩み相談をしてますから、では行きますか、内容は頭に全部入ってますから」
「申し訳ありません。 今夜は帰れないと思いますが?」
真面目で気の利いた者だな、俺の事を心配してくれるのか
「大丈夫です、独り身ですし軍の寄宿舎で生活してるのでね」
「軽い食事は出ますのですいませんがお願いします」
「心得た。 しかし早かったですな、予定では二・三日後辺りと……」
同僚達はそのまま心配そうな目で黙って見送っていた……
◇◆◇◆◇◆
時間は進み
17:30分を少し過ぎた
孤児院前
「すいません」
ドンドン
「はい、直ぐに………」
若いシスターが!
扉を開ければ
「これはオスカー様。ご無沙汰しております」
あ~ オスカー様!
目の保養になりますね。
眼福じゃ、眼福じゃ
「久しぶり、食料持ってきたよ。
出来れば暫く此処に泊めて欲しいが」
「勿論です、オスカー様なら皆が歓迎します、お入り下さい」
そのまま中に入り
「兄ちゃん」
と!
小さな子が気が付き、その声で
「「「「「「お帰り~」」」」」」
「ただいま~」
次話に続く