4話:覚悟と突撃
今日は2本立てです。
よろしくお願いいたします。
どこに行けば貧困区街でガルガヴァンに会えるのか。
アノンの頭の中には一つ心当たりがあった、それはシスターが以前話してくれたこと。
貧困区街で、そこの住民でも近づかないそう言う場所がある。
絶対行っては行けないエリアということで一度シスターに連れられその入り口付近を見たことがあった。
実際に見たのはその入り口となっている裏路地で
そこを通り抜けた先にはガルガヴァンが一帯を収めるエリアになっていると聞いたことがある。そこに行けば、ガルガヴァンに会えるかもしれないとアノンは思った。
シスターに連れられた道順を思い出しながら、例の裏路地を発見した。
そこにはいかにもなチンピラが屯しており、誰も近づこうとはしない。
アノンは意を決したように彼らへと近づいていく。
「あ、あの!」
アノンの声が通る、
その瞬間、辺りが嵐の前触れのように鎮まり変える。
近くにいた住民たちが何かを察したように離れていく。
そこにはいつ間にかアノンと、ガンを付けながら今にも殴りかかってきそうな男が3人でアノンを囲んでいる。
“前にもこんな状況があったような”とデジャブ感を味わっていたことを思っていたアノンの耳に
つんざくような怒声が響いた。
その声に思わず自分の耳をアノンは防いだ。
「なんだぁ、おめぇ!!」
「俺らが何者か分かってんのか!!!」
「ぶっ飛ばすぞッ!!テメェ!!」
三者三様の反応であったが、アノンはそんなことにも構わずシャンベリ出す
「あの、ガルガヴァンさんに会いたいのですが?」
その言葉に”こいつまじか”という反応で固まる3人だったが、次の瞬間には腹の底から出ていると思うほどの大笑いをはじめる。
「テメェみたいなチビが、あの方に会えるわけがねぇだろうが!」
「だいたいなんのようだぁ?こいつもしかして他とこのやつか?」
「もしかして、俺ら喧嘩売られてんのか?……そういえば最近親方が怪しい奴は連れて来いって行ってなかったか。」
「確かに言ってたぜ…でもこいつただのガキだろ。」
「いや、俺らに話しかけくるようなやつだ、なんか普通のガキと違うかもしんねぇぜ」
アノンを無視するようにどんどんと話が進んでいく、
そして3人で何かを話し合い結論が出たらしい。
リーダー格と思われる男がアノンの顔に自分の顔をめーいっぱい近づけて
「ついてきな、お前の望み通り親方に合わせてやるよ!感謝しろ!!ヒャッハー」
男の唾が飛んでくるのを我慢しながら、苦笑いでそう答えるのであった。
「お、お願いします…」
早速ついて来いと言われ、3人の後ろについていく。
裏路地を通るとそこはまるで闇市のように普通の貧困街の商人たちはまた違った雰囲気の人間たちがいた。
目を見開いてその様子を見ていたアノンがビビっていると勘違いしたのか、
「おいおい、こんなところでビビってたら話になんねぇぞ!っても、もうテメェは逃げられねぇからなぁ。せいぜい俺らに話かけた自分を恨むんだな、ギャハハハハハハハハ」
そう言ってきた。
特に返す言葉もなかったため、アノンは無視して彼らについていく。
その様子にさらにビビってと思ったのか男たちはニヤニヤした薄気味悪い笑みを浮かべて、満足そうに案内を続けるのであった。
20分ごろ経過したところで、今までの様相から変わり
何かを守るように立っているチンピラたちが目立つようになる。
今アノンを案内しているチンピラたちとは違う、体格も動作もそういう人間たちだ。
さらにそこから進んでいき、やっと男たちの足が止まる。
「ついたぜ…」
あれほど威勢が良かった男たちも今やそれは形を潜め
心なしか緊張している様子が見て取れた。
眼前に広がるのは大きな門と
この貧困区街ではありないほど大きな建物。
それを守るように門の左右の端に立つ大男たち。
アノンたちの出現に気づいた一人がこちらに近づいてくる。
「何のようだ…」
ひどく冷たい声が、聞こえた。
その声に慌てたように男たちがアノンをぐいッと縦にするように前に出した。
「こいつ!怪しい奴を捕まえてきました!なんか親方に会いたいとか抜かして。どこかの組織のやつなんじゃないかと思いまして!!」
「……」
男たちの言葉を聞いて、守衛の男は見定めるようにアノンを見る。
どう見てもただの子供にしか見えない。
その結果、
「ダメだ、親方様には合わせない。」
「そんなどうしてだよ━━」
ギンッ、騒ぎ出す男たちを一瞥で睨み付ける。
「立ち去るがよい、答えは出た。」
守衛の言葉に、諦めたのかとぼとぼと男たちは来た道を戻っていくが、
アノンはそういうわけにはいかない。
“アノン考えろ、考えろ、考えろ、これで諦めたら、かすかな希望もおじゃんだぞ“
考える時間はほとんどない、遠ざかる守衛の背中に、アノンは言う。
「ガ、ガルガヴァンさんとっても耳寄りな情報があるのですがッ!!」
アノンの言葉にピクリっと守衛が反応した。
“行けるかも”と思ったアノンは言葉を続ける
「皇国のこれから起こるかもしれない出来事について重大なことを知ってます!!」
その言葉に今度こそ守衛の足が止まる。
こちらに振り返る守衛の顔、その表情は無表情で、何を思っているかはわからない。
体格さからアノンが見上げるようにな形になる。
「もし嘘であった場合、貴様を殺す。」
アノンにそう告げると、
その言葉に連動するように門が大きな音を立てながら一人でに動き出す。
「親方さまが中で、お待ちだ。」
先に行けと、アノンが先に通される。
その後ろから二人の守衛がついてくる。
幸いなことに目的地は一本道のようで、
迷うことはないらしい。
しかしアノンを警戒しているのか、
おかしな様子を少しでもすれば、断ち切れる範囲に
守衛たちはいた。
きらりとその守衛たちが持つ、
片刃がついた槍がアノンを常に捕らえている。
大きな屋敷の中に入り、どんどんと中に進んでいくとアノンの眼前に
絢爛な装飾がされた大扉見えた。
守衛が一言
「連れてまいりました。」
そう言うと、大扉が開かれるのであった。
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