1話 480年の眠りから覚めたニート
「ごーしゅーじーん…いや、アールートー、いい加減起きろコノヤロー!何百年間時間を無駄に生きてんですかー!引きこもりの模範生になっちゃってますよアンタ。」
…誰かにすごく罵倒された気がする。
俺はベッドから体を起こし、声のしたほうに目を向けようとしたのだが。
「…ッ!?まぶしっ!!」
どうやらカーテンが開いていたらしく、思わず俺は目を押さえる。
ずっと眠っていたので、日光に目が耐えられないようだ。
カーテンを開けやがった張本人が声をかけてくる。
「ほらー、何百年間もずぅーっと寝てばっかいるからそうなるんですよー。」
…?何か、ものすごく聞きたくないことを聞いてしまったような気がする。
俺の疑問を知ってか知らずか、声の主である俺の同居人は続ける。
「ていうか、まだ目を押さえてるとか、あの名言を言うつもりなんですか?ほらなんでしたっけ、あの目を押さえて叫ぶやつ。えぇっと確か、目が______。」
「今なんて言った!?」
声の主である少女、アケリアはラピスラズリのように青い目をくるくると回しながら、
「え、ご主人急にどうしたんですか?もしかしてご主人もあの名言言いたいんですか?良い心がけです、私が教えて差し上げましょう。じゃあまずは跪いて靴を舐め___」
「そんなわけないだろ!あとお前、どさくさに紛れて俺に何をさせようとしてるんだ!やるわけあるかそんなこと!!……じゃなくて、お前さっきなんて言った?俺の耳が正しければ、何百年とか聞こえたんだが。」
恐る恐る、聞いてみる。できれば幻聴であることを願いたい。
しかし、現実はそうはいかなかったようだ。
「えー?ご主人難聴にでもなっちゃったんですか?私はちゃんと言いましたよ、何百年って。ちなみに、細かく言うと、480年くらい経ってます。」
…俺の頭がフリーズした。
読んで頂きありがとうございます。作品にポイントが入ってて発狂した作者です。
次話もよろしくお願いします!