表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/14

わたしの永遠の故郷をさがして 第3部 第2章 第14回


 ダレルは、火星の衛星にぽつんとある、古い別荘に入った。


 侵入というわけではない。


 アニーさんは、きっちり管理を続けているわけだから。


 しかし、ヘレナの姿が見えなくなっているいま、アニーさんは、誰の指示を受けているのだろうか? と、当たり前のことを、考えた。


 「いやいや、ヘレナは人ではないからな。単なる意志だが、なにが意思を形成するのかいまだに分からない。もっとも神様ではない。本人がそう言うのだからな。自分は神様ではない、という神様があるとはおもえない。ここで何を探すのかも分からないが。つまり、分からないものだ。さて?」


 ダレルは、はるかな昔には、ここに来たことがある。


 母と息子、という関係があったのは、ほんの短期間に過ぎない。


 本当の父親は分からない。女王ヘレナにとって、それはまったくの問題外だった。


 けれど、アニーさんは、知っているはずだ。


 「アニーさん、ぼくの真の父親は誰なのかな?」


 ダレルは、とぼけたように尋ねた。


 すると、アニーさんは、さらに輪をかけて、とぼけたように答えた。


 「管轄外です。」


 「管轄外? アニーさんは、オールマイティーだろ。知らぬはずはなし。」


 「知らないことは、いくらでも作れます。あなたもそうでしょう?」


 「知らなくてよいことと、よくないことがある。」


 「回答不能。」


 「ちぇ。やなやつだ。いいさ、探しだしてやるさ。ここには、アニーさんが知り得ない場所があるはずだ。」


 「・・・・・・・・・・」


 アニーさんは、無視をした。


 ダレルには、あいまいな記憶しかない。


 しかし、ヘレナとふたりで、確かに、秘密の部屋を作った覚えがある。


 「アニーさんも見つけられない秘密の部屋。」


 ヘレナが上機嫌で幼いダレルに言った。


 「そんなこと、できるの?」


 「わたしにできないことは、ほぼ、ないわ。」


 「すごいねー。」


 「この世の因果関係から無縁な場所。あなたとわたし以外は誰も入れない場所。アニーさんも、分からない場所。」


 「すごいけど、なにをする場所?」


 「隠し事をする場所よ。」


 「なにを、かくすの?」


 「しられたくないこと。かな。」


 「ふーん。」


 たしかに、その部屋は、作ったが、ヘレナが何を隠したか、自分が何を隠したかは、今となっては分からないのだ。



       ・・・・・・・・・・・・・・・・・



 










 






 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ