わたしの永遠の故郷をさがして 第3部 第2章 第13回
「パル君、大丈夫だったか?」
マヤコは、パル君に覆い被さりながら尋ねた。
マヤコは、ボディーガードとしても優秀なのだが、まさか、ここでパル君が襲われるとの予測はしていなかった。
確かに、地球はまだ未開発である。
だが、新たな王国でも、王宮は一番安全なはずである。
刺客が潜む場所はない。
そのはすだった。
「はい。無事ですが、いまのは、何だったのでしょうか?」
警備員たちが、大慌てで捜索を開始していたし、特殊隊員がパル君の保護に駆けつけた。
「大臣、一応、あなたの身柄を保護します。」
マヤコは、いまは、従うしかなかった。
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リリカは火星の地下指令室に帰っていたが、ダレルはフォボスに、かつてヘレナが作った別荘の視察に出向いていた。
そもそも、ダレルはヘレナの最後の息子である。
しかし、はたして、ヘレナが生んだのかどうかについては、実際には確証がなかった。
ビュリアが実の母ではないか、という憶測もなくはなかったが、そのようなことを確かめようとする者はいない。
無意味だからだ。
真実のヘレナは、誰にでも宿る。
誰がそのときにヘレナだったのかは、本人でさえ分からないこともあった。
しかし、ダレルにとっては、確認したい問題だった。
不感応のダレルだから、やたらに、気になるのだ。
フォボスの別荘は、いまや、ダレル以外に入る権限はない。
確信も根拠もないが、『何か』があるかもしれない、と思うのは、ヘレナに心を支配されたことがないダレルにしか分からないような心理効果である。ビュリア本人にも訊いたが、大笑いで一蹴された。アニーさんは、『回答不能』と言う。
「はい。そうなのです。リリカさん。しかし、方法さえわかりませんよ。エネルギーの発信場所さえ、掴めない始末。そんなことって、ないですよね。何もない空間から発生したとしかおもえない。ヘレナさんなら、あるかもしれないが。」
「ふうん。『ママ』かも。」
「まさかあ。『ママ』は、適切に管理していますし、『ママ』にはできないですよ。」
「たしかに。わたしは、このとこ思うのです。つまり、『真の都』について。」
「あれは、概念の問題で、つまり、天国とか地獄とかに類します。もし、存在しても、解りようがない。でも、なぜ? いまさら。」
「『真の都』から、この世に干渉があるのではないか? とか。ははははは。冗談。冗談。まあ、パル君が無事だったのは良かった。万が一、のことがあったら、歴史が狂うからね。一番心配なのは、やはり、テロリストですね。ババヌッキかな。やっぱり。」
「まあ、可能性は高いですが、なんの証拠もない。そんなことができるなら、革命だって起こしかねないし。」
「本人を確保するしかない。」
「できますか?」
ビュリアが、疑わしげに尋ねた。
「さあ。居場所も分からないときた。でも、地球に潜伏したかもしれない。それらしき情報があるんだ。やつは、ババヌッキさんの親類だよ。なにか、新兵器とか持っているかも。ならば、意外に仕組みは簡単かもな。」
「いや、それ、本当なら、大変でしょ。警備をさらに強めなくては。マヤコさんにも話をしますね。」
「まあ、ただ、あのひとも、ヘレナは信頼していたが、ひとくせあるかならな。」
リリカが、小さく言った。
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