死亡〜転生〜
(ここは...どこだ.........)
それが、ふと目を覚ました時に思ったことだった。
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俺は、都内にある大学に通う大学2年生、齋藤健吾だ。20歳、童貞である。
実は成人したてでまだお酒は飲んだことない。
大学生活は滞りなく送っていて、サークルも勉強もそこそこ両立できている。
まあ、優秀って言えるほどじゃない。俺よりできるやつなんて山ほどいる。
まあ、そんな感じで平凡な大学生活を送っている。
今日は、高校からの友人の荒井日菜子(俺はヒナ、と呼んでいる)と久々に会うことになっている。
ヒナとはこれからお酒を飲む。ヒナは誕生日が俺より早いからもう飲んだことがあると思うが、なんせ俺にとっては初めて飲むお酒だ、ついつい勢いが乗っちゃってお持ち帰りしちゃうかもしれない。とても楽しみである。
そんなこんなで色々妄想しながら、約束した時間に待ち合わせの約束をした場所へ向かう。
ヒナがいた。
「久しぶり」
「久しぶりだね」
俺は声をかけたら、ヒナも返してくれた。本当に久しぶりだ。前に会ったのは何年前だったっけ...。本当にそのくらい前だ。
そして居酒屋に入った。色々注文した後、俺たち二人はこの数年で何があっただの、勉強が大変だの、サークルの先輩がうざいだの、色んなことを話した。
そして、ついに、時が来た。初めてのお酒だ。
どうなっちゃうのかなー、とか思いつつ、とりあえずビールを頼んでみていた。めっちゃまずかった。でもなんか、飲んでるうちに気持ちよくなって来た。なんだろ、あの眠くなる感じ。まあ、初めてのお酒に、俺は浮かれていた。
初めて飲むお酒に気を取られすぎて、俺は気づかなかった。そう、後ろで一升瓶を持ってているおっさんに。ヒナは怯えた表情をして見ていたはずなのに。俺は一人でヒナに喋りかけているような感じだったっぽい。恥ずかしい。
気付いた時にはもう遅かった。
「オラァ、何イチャイチャしとんじゃ、ガキ。無視すんなや!!」
知らない間に俺は話しかけられてたらしい。顔を真っ赤にして俺に向かって一升瓶を振り上げているおっさんに。
一瞬だった。俺は、意識を失った。