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朝ごはん

起きるとここはふかふかのベッドの上だった。

そうか俺はあの後すぐ寝たのか。

「……夢だったのか?」

そう思いはしたがすぐにその考えは無くなる。

なぜならここがお姫様仕様のベッドの上でうっすらと女の子の匂いがする。

そう思うとちょっとエロい気分になる。

助けてもらった女の子で想像してしまうなんて俺はこんなゴミだったんだな。

今なら自分のことなのにいくらでもディスれる気がする。

「起きましたか?」

ドアの外からパミの声が聞こえる。

「あぁ おかげさまでぐっすり眠れたよ ありがとう」

ドアがゆっくり開きパミの姿が見える。

少し…いやかなり小さなエプロン姿でなんかエロい。大きな胸が張っていてそれを増幅させる。

しかし特に印象的なのはエプロンの真ん中に描かれている鶏だ。

「隼人くん 朝ごはんできたから食べる?」

エプロンが小さすぎるが故に胸の前にある鶏の顔が横に伸びてしまっている。

鶏の目は垂れていてまるで助けを求めるように俺を見つめているような錯覚に陥る

「隼人くん?」

俺はMではないが代われるものなら代わってあげたい。

まあ実際そんな訳にもいかないな。

気の毒だが鶏にはエプロンにいてもらうほかないだろう。

「ねぇー隼人くんってば!」

「ん?」

「もぉーさっきから読んでたんだけど」

しまった俺としたことが鶏に感情移入しすぎてしまった。

「ごめんごめん鶏が可哀想で」

「にわとり?」

「あっ何でもない何でもないから もうギルド行くの?」

「あっ そうそうそれを言いに来たの もう少しでギルドに行くから朝ごはん食べてね♪」

朝ごはん……まさか手作りか!?

俺は長い階段を降りてダッシュでテーブルに向かった。

朝ごはんはスクランブルエッグとソーセージ。

どこの家にもありそうな普通の朝ごはんだ。

これは俺が初めて食べる女の子の手作り料理だ。

しかも異世界の女の子つまり二次元といっても過言ではない。

緊張で心拍数が上がり汗が溢れてくる。

「いっただーきまーすっ!」

スクランブルエッグを口の中に運ぶ。

「うっ!?」

何だこの甘さは?舌が恐怖を覚える

「美味しいでしょ!隠し味にハチミツをいっぱい入れたんだ!」

ハチミツだと?スクランブルエッグにハチミツだと?

そんな組み合わせが合うはずがないだろう。

しかしパミの前だ変な顔をする訳にはいかない。

「お、美味しいよ」

やばい。

「でしょ〜まさかこんなにハチミツが調味料として合うなんて思わなかったし私も初めてやってみたときはビックリだったよ」

まさかパミはこのハチミツスクランブルエッグを美味しいと感じるのか?

これは極度の味音痴というやつか?

この分だとソーセージもか!?

でも食べなければパミを悲しませてしまう。

勇者隼人よ!食べるのだ!

相手はたかだかソーセージだ!

「うっ!?」

ビンゴだ。舌があの恐怖を思い出す。

この味は……あんこか?

「ねぇパミ このソーセージには何であんこが入っているのかな?」

笑顔を保ちつつ聞いてみる。

「そう!そのソーセージにはあんこが入っているの!美味しいでしょ!」

「う、うんそうだねすごく独創的な味で面白いよ」

これを残さずに食べなければいけないなんて。

これが俺の勇者としての第一のクエストか。

いいぜやってやる俺は勇者なんだ。

「かかってこいやー!」

俺は一気に口の中にスクランブルエッグとソーセージを突っ込む。

かつてない味が口の中を巡る。

スクランブルエッグ×ハチミツ×ソーセージ×あんこという殺人にもなりうる朝ごはんを食べ切った俺は痙攣したようにピクピクしていた。


「それでは隼人くん!ギルドに向かいましょう!」

「お、おう」

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