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始まりの出会い

何が起きたのか。

なぜここにいるのか

そもそも本当にここはあの「パラレル」の中なのか

「あああああああーッ!なんなんだよ!わけわかんねーよ!」

もう俺の脳が理解できる範囲を超えていた。

「ていうか何?ここはゲームの中?異世界ってヤツですか?アニメの中だったら普通異世界に迷い込んだ勇者に道を示してくれる女神とか美少女とかいるんじゃないですかねぇー?すみませーん 誰か可愛い女の子はいませんかー?すーみーまーせーん」

声だけがむなしく響く。

「いやちょっと待てよ ここが異世界だとしたら俺はやはり勇者 これはチャンス!うまくいけば両手に花だぞ!」

そんな淡い希望を思わず口に出してしまった俺を痛い目で見る村人と思わしき人々。

とりあえず村人に話しかけて見ることにしよう。

「すみません そこのお姉さん 」

一人の女性が俺の方を向く

「少し質問い…!えっちょっと待って何で逃げるの!?待ってー!」

俺はすぐさま追いかける。

「すみませーん!質問したいだけなんですけどー」

それでも聞く耳を持たず女性は一つの家に駆け込んでしまう。

なんなんだよ。

そんなことを思っているとその家からいかにも強そうなマッチョな男が出てきた。

男はどうやらお怒りのようだ

「俺の娘を泣かせたのはお前か?」

「えっ!?」

やばいマジでヤバイ!殺される!

俺は気がつくと夢中で逃げていた。

今までで体験した事のないような風を切る音。

これが風に乗っているという感覚なのか?

人は死を間近に感じると120%の力を出せると聞くがどうやら本当らしい。

これなら逃げ切れる!俺は本気でそう思った。


気がつくと俺は道の真ん中に倒れていた。

「大丈夫?大丈夫?」

俺は声だけを頼りにゆっくりと目を開く。

「良かった 起きた!」

優しそうな声が聞こえる

身体中が痛い。

目も腫れていてよく前が見えない。

「本当に大丈夫?君ずっとここに倒れていたんだよ」

(そうか俺は……)

「ちょっと待ってて もう少しで痛みも消えるから」

そういうと彼女は目を閉じる

「 大地に眠る精霊たちよこの者の傷を癒したまえ……ヒール!!」

その言葉と共に俺の体の周りに魔法陣が浮かび上がる。

すると痛みも次第に引いていく。

目の腫れも消え彼女の顔が見えてくる。

白く長い髪をした天使のように美しい人だ。

「えっ あっ あの ありがとう…ございます?」

「うふふっ どういたしまして♪」

笑顔もとても可愛いらしくますます天使のように見える。

こんな俺にも親切をしてくれる人がいたなんて。

そう思うと無性に嬉しくなって次第に涙が出てきた。

「涙が出てるよ まだ痛みが残ってた?」

「いえ 何でもないです あっあとちょっと聞きたいことがあるのですがいいですか?」

「もちろんいいよ あっでももう暗いのでうちに泊まっていく?」

ドキッ!

ずっとネトゲをしてきた俺にとって女の子の家に誘われるなんて初めての経験だ。

しかもこんな可愛い子だなんて嫌でも心拍数があがってしまう。

「いいんですか?迷惑とかじゃないですか?」

「大丈夫大丈夫 だって君ここら辺では見たことのない顔だし冒険者か何かでしょう?」

「まぁそんなところですね それも含めて聞きたくて ってえぇ!?」

半ば強引に彼女は俺の腕を引き始める。

「それではいきましょう!」



彼女の家は村の外れにありどこかの億万長者の家のように大きい。

玄関には変顔をした豚の人形やあぐらをかきながら瞑想をしているキリンの置物、等身大の鬼?など少しマニアックな物が博物館のように所狭しと置かれていた。

真ん中にゴリラの顔のあるテーブルに座ると、

「では さっきの続きを教えてください!その前に自己紹介ですね!私はパミニエル=リーシャです パミって読んでください!あとタメ口でいいですよ」

外人らしい名前だったがそんなことよりもやばい!いきなりあだ名で呼ぶとか万年ぼっちの俺にはハードル高すぎだろ!

「あの…その…僕は古味田隼人ですじゃなくてだよ?蒼咲学園に通う高校二年生 よろしく え〜とパミ?」

「あおさきがくえん?まあいっか よろしい♪じゃあ本題に入ろうか 」

「うん じゃあまずここってどこ?」

「えっ!?」

少し驚かれた。

当然といえば当然か。

冒険者だとしても旅行客だとしても目的地のわからないなんておかしいしな。

「ここは始まりの町「ミリオン」打倒魔王と立ち上がったばかりの冒険者が集まる町よ」

「ちょっと待ってくれここは日本なのか?てか魔王って何?」

ミリオン?魔王?冒険者?何だそれ?

「日本?なにそれ?魔王は突然現れた悪い不死者(アンデッド)の王のことよ ここは安全だけど最前線は日夜魔王軍と有力冒険者の戦闘が行われているって話よ この世界じゃ有名な話じゃない…ていうか常識っていうか ねっ?」

「あー何となく分かった」

いや本当はもう頭が回っていないがこの際このことは置いておこう。「パラレル」に魔王なんて出てこないからおそらくここは「パラレル」の世界ではない。とはいえおそらくここは地球でもない世界いわゆる異世界だ。

「信じられないかもしれないが驚かないで聞いてほしい 俺はこの世界の人間ではないんだ 俺は日本っていう別の国いや地球っていう別の世界から来たんだ」

「うんわかった!」

「信じてくれてありがとう!」

ん?勢いで喜んでしまったが信じてくれたのか?こんなあっさりと?

「驚かないのか?こんな無茶苦茶なこと言って」

「うん 実は数日前同じようなことをいう金髪の可愛い女の子が来てねその子今うちのギルドにいるんだ だから何となくだけどその話信じられるよ」

「同じ女の子?ギルドって言った?ギルドなんてあんの?」

「冒険者ギルドね さっき言った魔王を倒すためには冒険者がいっぱい必要でしょ?そこで作られたのがギルド!そこにはいっぱい冒険者がいてそこで暮らすの!私も家なんて滅多に帰らないし うちのギルドは「シャドウプリズン」っていうんだけど世界各地にいろんなギルドがあるの!」

マジか!ていうかマジで漫画みたいな展開じゃん!

先越されちゃってるけど俺って勇者ってことじゃんか!

「そこで相談なんだけど 隼人くん冒険者にならない?その女の子や隼人くんみたいな子を異界人って読んでるんだけど異界人は魔力がすっごく高いみたいなの!魔力っていうのは冒険者の持つ力の一つ!」

おおぉーー!キタァー!これこそ俺の求めていた展開!

「隼人くんなら魔王を倒せるかもしれない!ぜひ!」

「もちろん入ります!」

俺は迷わずに冒険者になることを決めた。

「ありがとう!じゃあ明日からギルド行こうか!」

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