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2.レストラン殺人事件

 体が入れ替わり、春樹さとみが逮捕されてから半月が経っていた。

 聡美はるきは三島家の聡美の部屋でテレビゲームをやっている。

 ゲームのジャンルは推理だ。聡美はるきはこのゲームで推理力を鍛えているのだ。

 コンコン、と音が鳴り、聡美の妹の美鈴みすずが入ってくる。

「お姉ちゃん、借りてた漫画」

 美鈴が聡美はるきに漫画本を渡した。

「ありがと」

 聡美はるきは漫画を本棚にしまう。

 美鈴が部屋を出ていくのと同時に携帯が鳴る。

 聡美はるきは携帯を確認した。

 画面をタッチしてメッセージアプリを開く。

 受信したメッセージは吉原よしわら 啓太けいたというクラスメイトの男子からだった。

 啓太からのメッセージは、デートのお誘いだった。

 明日の午前十時に駅前で待つとのことだ。

 翌朝、聡美はるきは待ち合わせ場所に向かった。

「待った?」

 先に来て待っていた啓太に声をかける。

「いや、いま来たとこ」

(啓太ってイケメンだよなあ)

 聡美はるきは啓太を見詰めた。

「どうした? 俺の顔に何かついてる?」

「啓太があまりにも格好いいから見とれてた」

「惚れたか?」

「誰がよ」

行くよ──と、聡美はるきは歩きだした。

 後を追う啓太。

 やがて二人はビルの中にあるレストランにやってくる。

 食事デートである。

「好きなの頼んでいいからな」

 聡美はるきが品書きを見ようとした刹那、どこからか悲鳴が聞こえた。

 現場へ駆け付けたくてうずうずする聡美はるき

「気になってんだろ? 行ってこいよ」

「うん」

 聡美はるきは現場へ急いだ。

 現場では女性が腰を抜かしていた。

「どうかされました?」

 女性はエレベータの扉を指差した。

 聡美はるきはボタンを押して開けた。

「……!?」

 その先には、頭を撃ち抜かれた男性の遺体が壁に背中を当てた状態で座っていた。

 遺体の背後の壁には、おびただしい量の血液が付着している。

 聡美はるきは携帯で110番通報をした。

 警察がやってきて捜査が始まる。

「おや? 三島くんじゃないか」

 そう言うのは、警視庁捜査一課の阿形あがた 光男みつお警部だ。

「阿形警部!」

「君のいるところにはよく事件が起こるな」

で──阿形が続ける。「遺体はあれか」

 阿形警部が遺体を見て合掌する。

「それにしてもむごい殺し方を……」

 阿形は手を下ろした。

「三島くん、何かわかってることはあるかね?」

「いえ、私も今発見したばかりで。ただ……、あちらの方が第一発見者です」

 聡美はるきが指し示した先に、腰を抜かしていた女性が立っていた。

 阿形警部が女性に歩み寄った。

「警視庁の阿形です。少し、お話よろしいですか?」

 と、警察手帳を見せる阿形警部。

「はい……」

 女性は店のウェイトレス。

 バイトを終え、店を出ようと従業員用エレベーターを開けたら、遺体を発見したという。

「では、最後にあなたの名前を教えていただけますか?」

小山こやま 幸恵ゆきえです」

「小山 幸恵さんですね。では、小山さん、進展がありましたら、お宅に連絡しますので、こちらに連絡先をご記入下さい」

 阿形警部が小山に紙とペンを渡した。

 小山が紙に連絡先をさらさらと書く。

「ありがとうございます」

 阿形警部が紙とペンをしまった。

 その一方で、聡美はるきは遺体を観察していた。

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