表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/7

第0話 ここから始まる

初めての一次創作です。


多少おかしな部分もあるかもしれませんので、その時はご指摘お願いします。


それではどうぞ。



「「「ギャハハハハハ!!」」」


満月の夜、とある洞窟にて…


複数の男達が焚き火を囲い、酒瓶を持って大はしゃぎしていた。


「いやぁ~、やりましたね親分!! 今回は大収穫ですよ!!」


「あぁ! 奪うもんは全部奪い、逆らう奴は皆殺し、ひっ捕らえた女は奴隷として売り飛ばして、こっちはもう最高の気分だぁ!!」


男達はまた高笑いする。


会話からして、どうやら彼等は盗賊のようだ。その証拠に彼等の周りには、金貨の入った箱や金色に輝く剣や盾など、彼等が奪ったと思われる財宝がたくさん置かれている。


「良い気分だぜ……んぉ?」


その時、リーダーらしき盗賊がある物に気付く。


彼の視線の先に、壁を背に立っている黒い騎士甲冑があった。全体傷だらけであり、腰には鞘に納められた長剣がある。


「おいおい、誰だ? こんなガラクタまで持って来てんのは」


「あぁ、武器屋にでも売れば金になるかと思って、引き摺って持ってきやした」


手下が答える。


「馬鹿、売れるわけねぇだろうが。こんなボロっちぃのが」


リーダーの男が甲冑を足で蹴り、甲冑が倒れる。


「まぁ、どうせ誰も使わねぇだろうし、さっさと処分すんぞ」


「え~壊しちゃうんすか~?」


「うるせぇ、文句言ってんじゃねぇ!!」


「ちぇ、勿体ない…」


手下が袋から大きな金槌を取り出す。それをリーダーの男が無理やり奪い取る。


「売れるとは思うんだけどなぁ…」


ぶつぶつ呟きながら、男は甲冑を叩き壊―――







『処分されると困るんだけどな』






「「「!?」」」


―――せなかった。


突如、何処からか謎の声が聞こえてきた。


「だ、誰だ!?」


「ちぃ、帝国の連中か…!?」


盗賊達は剣を抜き、周りを見渡す。しかし周りには盗賊以外に誰もいない。


『何処を見てる? 俺はこっちだ』


「何処だ!? 何処にいる!!」


『こっちだっての』


「くそ、隠れてないで出て来やがれ!!」


『いや、隠れてはいないんだが……仕方ない』




-ザシュッ-




「…え」


一人の盗賊が、血を流しながら倒れ伏した。


倒れた盗賊の背後には…



『やっと気付いたか? ゴロツキ共』



先程壊そうとした、黒い甲冑が剣を持って立っていた。


「なぁ…!?」


盗賊達は驚愕する。


『全く、人が眠ってる最中に解体しようとするとはなぁ。油断して眠る事も出来ん』


「くそ、いつの間に鎧の中に入って…!!」


「野郎共、かかれぇっ!!」


「「「おおおおおおおっ!!!」」」


盗賊達が一斉に襲い掛かる。


『やれやれ…』


甲冑はため息をつき、盗賊達を迎え撃つ。


「死ねぇ!!」


一人の盗賊が斬りかかるが…


『ほっ』


「ぐぇっ!?」


攻撃をかわし、右足で蹴り飛ばす。


「野郎!!」


他の盗賊達も剣を振り下ろすが、攻撃は全て長剣で受け止められ…


『せいっ』


「「「ぎゃああああああっ!?」」」


まとめて斬り倒される。


「くそ、だったら…!!」


リーダーの盗賊が斧を取り出し、甲冑に向かって投げ飛ばす。


『ん……のぁ!?』


見事に甲冑に命中し、兜が弾き飛ばされる。


「よっしゃあ!! ざまぁ見やが―――」


言葉が途中で途切れる。


『あぁもう、危ねぇ事しやがるな』


「な、な、な、…!?」


「馬鹿な……中身が…!?」


盗賊達は唖然とした。


兜を弾かれた甲冑には、“誰も”入っていなかった。元から、中身は空っぽだったのだ。


「ま、まさかこいつ、“デューラ”…!?」


盗賊達は顔が青ざめる。


『全く、頭が落ちたのはこれで何回目だよ…』


甲冑は落ちている自分の兜を拾い上げて頭に戻し、盗賊達に振り返る。


「「「ひぃ…!?」」」


先程までの威勢は何処へやら、盗賊達は後ろへ後ずさる。


「ま、待て、すまん!! 俺達が悪かった!! だから―――」


言いかけたところで、リーダーの盗賊の首がはねられる。


「う、うわあああああ!?」


「た、助けてくれえええええ!!」


手下の盗賊達はそれを見て、恐れをなして逃げようとする。


『おいおい、待てよ』


「「「ひいいいいい!?」」」


甲冑が先回りし、盗賊達の前に立ち塞がる。


『人の眠りを勝手に妨げただけでなく、解体までしようとしたんだ。俺にとっては、迷惑以外の何でもないんだ』


『だからお前等…』


甲冑は盗賊達を指差す。




『ここから、生きて帰れると思うなよ』




数秒後、肉を斬り裂く音や、盗賊達の断末魔が洞窟内に響き渡った。








『さぁて、これからどうするか…』


盗賊達の始末を一通り完了した甲冑は、ようやく洞窟から抜け出した。その鎧は、ところどころ返り血を浴びている。


『まずはここが何処なのかを確かめねぇと…』


甲冑は崖から周りを見渡す。辺り一面、森だらけである。


そんな中…


『ん?』


甲冑はある方向に、一つの大きな街があるのを発見する。


『ふむ、街か。退屈する羽目にならなきゃ良いんだが……まぁ、退屈なら寝れば良いか』


甲冑は他に行く所も無い為、ひとまずその街に向かう事となった。








一方、甲冑が向かっている街では…


「くそっ!! あの小娘、いったい何処へ行きやがった!?」


「探し出せ、何としてでも!!」


何人かの男達が、ある人物を見つけ出すべく街中を探し回っていた。


「全く、しつこい連中ですこと…」


そんな男達の様子を、建物の陰から金髪の少女が覗いていた。


「街に入った途端、あんな野蛮な男達に追い掛け回されるなんて……この私を捕まえようだなんて、百年早いですわ」


少女は文句を垂らすも、男達が近くを通りかかろうとしていたのですぐに路地裏に隠れる。


(けど、このままじゃいずれ捕まってしまうのもたしか……全く、どうしたものでしょう…)


少女は傘を差した状態で近くにあった木箱に座り、この場から逃走するべく策を考え始める。


「見つけたぞ!!」


「!」


一人の男が息を荒げながら、少女の目の前に現れた。


「あら、見つかってしまいましたわ。さっきから全く見つからないから、てっきり私の事は諦めてくれたのかと…」


「小娘ぇ、よくも俺達をコケにしてくれたな……仲間達まで何人も倒してくれやがって!!」


「あら、先に手を出してきたのはあなた方じゃなくって?」


「黙れ、とっ捕まえてやる!!」


男が手に持った棍棒を振り上げる。


「そんな物騒な物…」


「死ねやぁ!!」


「―――私に向けないで下さる?」


-ドゴォッ-


「のごっ!?」


男の振るった棍棒をヒラリとかわし、折り畳んだ傘が男の後頭部に炸裂する。


そして…


-キィンッ-


「ほごああああああああっ!!??」


少女の蹴りが、男の股間に命中した。


「また、つまらない物を蹴ってしまいましたわ」


少女は再び傘を差す。


「この私、リシェル・ミア・ヴィクティオーレ。簡単に捕まるような女ではなくってよ?」


少女もといリシェルは、股間を押さえたまま倒れている男を見下ろしながら言い放った。






とある黒い甲冑と、一人の少女。


この二人が遭遇する時…




物語は、始まる。



初めての一次創作、どうでしたか?


感想、よろしくお願いします。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ