第2話 始まった不思議
「ちょっと、あんたさぁ、私のケータイに変な番号登録しなかった?」
私はちょっとムカつきながら直樹に行った。
「はぁ?意味分かんね。何言ってんの?お前、ケータイなんか絶対俺に触らせねぇじゃん!いつ登録するわけ?」
「…そっかぁ。だよねぇ…。つぅかさ、なんか変な番号が勝手に私のケータイに登録されてんの。意味分かんないとか思って、直樹に電話したんだけど。」
「…ふぅん。つーか、俺、そんなくだんねぇ事に付き合ってる暇ないから、じゃあな。」
一方的に電話を切られた。
てか、あいつさっき超暇とか言ってたくせに、なにあの態度?仕返のつもりかよ!
「あ〜、マジムカつく。あの男有り得ない!」
私はムカつく気持ちで一杯で変な着信など気にせず、ケータイを床に投げ出した。ムカつく気持ちを抑えながら、化粧道具を出して、化粧を始めた。
〜♪♪〜♪
携帯が鳴り出した。
慌てて携帯を手に取ると、さっきの『ドリームタイム』と表示されている。
「なにぃ?しつこくない?」
…ちょっと出てみようかなぁ。でもストーカーとかだったらどうしよ。
あ〜、もういいや!出ちゃえ!
「もしもし…?」
「…」
「…もしもしぃ?」
イタ電?てか、誰?
文句を言ってやろうと息を吸い込むと、向こうが喋りだした。
「…はじめまして。この度はドリームタイムをご利用頂き有難うございます。わたくしはピエナと申します。」
全然知らない男の人だ…。
なんだか、とても落ち着いた低い声。
ピエナなんてふざけた感じの名前だけど。
「あの、ドリームタイムって…。」
「私は愛花様の願いを叶える為に、このお電話を差し上げました。」
「え…。いや、でも私何も申し込んでないですけど…。」
やっぱりイタ電なのかなぁ。でもそれにしてはやけに丁寧だし…。
「愛花様、何かご要望はごさいませんか?何でもお申し付け下さいませ。」
「ご要望って…。」
何言ってんの?なんか人違いじゃないの?あ、でも
「愛花」
って私の名前言ってるし…。しかもなんで名前知ってんだろ…?
「あの、要望って何を言えば…。」
「なんでもよろしいですよ。愛花様の願いならなんでも叶えて差し上げます。」
「なんでもって…。」
この人、頭おかしいのかなぁ。
もぉ、めんどくさいから適当に言って電話切ろう。
「あ、じゃあ彼氏の直樹の自己チューな性格を直して下さい。」
「…」
あ、黙っちゃった。やっぱりこんな無理な願い叶う訳ないし。
「あの、そんなのできる訳ないし、いいです。イタ電なら他にかけて下さい。」
私はそう言うと電話を切った。
なんか馬鹿らしすぎて、怒る気も失せる。
大体世の中そんな簡単に願いか叶うなら誰も苦労しないって。
まぁ、イタ電にしては凝ってたから、悪徳業者かもしれないし。
まともに相手してたらヤバイって。
私は丁寧に化粧をし、お気に入りのキャミを着て、出かけた。