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本屋で遭遇

土曜日の午後、空音と石川は駅の近くの大きめの書店に来ていた。

「パスタ美味しかったね」

「だね!私のアラビアータ少し食べてヒーヒー言ってる空音も可愛かったし。」

「もうやめてよ......本当に辛いの好きだよね、あきちゃん」

石川は割と辛味が効いてるはずのアラビアータに辛さが足りないとぼやいていた。

空音は辛いものは食べられないことはないが、好んでは食べないタイプらしい。

「あれ?」

「どうしたの、あきちゃん?」

「あそこにいるのって三嶋くんじゃない?」

「え?!」

石川が指を指した先には、ベンチに腰をかけた三嶋と義妹の真奈がいた。

「おーい、三嶋くーん」

「ちょ、あきちゃん?!」

石川は大きく手を振って三嶋を呼びながら、近づいていく。

すると、三嶋は気づいたのか手を振り返した。

「2人とも偶然だね。買い物?」

「うん、そんなとこ。そっちの子は妹?」

「そう。真奈って言うんだ。」

「そうなんだ〜。こんにちは、真奈ちゃん!」

石川の挨拶に人見知りしたのか、真奈は僕の陰にササッと隠れる。

「にぃに、だれ??」

真奈は見知らぬ2人のことを警戒するように聞いた。

「怖くないよ。僕と須藤の友達の、石川さんと笹川さん。」

三嶋は軽く2人のことを真奈に紹介した。

「私のことはあきって呼んで!この子は空音」

石川が真奈に下の名前で呼ぶように促す。

「あきちゃん......そらねちゃん......?」

真奈は上目遣いで石川たちの名前を呼んだ。

「か......かわいい!!三嶋くん、この子養子にちょうだい!」

「あげないよ?」

「うぅ......一生可愛がれる自信あるのに」

「衝動的に養子を作ろうとしないで?」

三嶋は石川の迷惑な申し出を一蹴した。

「まぁ、それは冗談として。三嶋くんは何してるの?」

「あぁ、小説を買いに来たんだ。真奈もこの本屋が好きだから、ついでに連れてきたんだ。」

「真奈ちゃんも?」

「......これ!猫ちゃん!」

真奈は両手いっぱいに猫のフィギュアを乗せて、石川に見せた。

香箱座りしてる猫から二本足で立って踊ってるような猫まで、色々ある。

「真奈はガチャガチャが好きで、特にここの本屋は猫のガチャガチャが多く置いてあるから。」

「そうなんだ。猫ちゃん好きなの?」

石川は真奈の方を見て聞いた。

「うん!猫ちゃん大好き!」

真奈は満面の笑みをパァーっと開かせた。

「「可愛い」」

石川と空音はあまりの笑顔の可愛さに、思わずそう口にしてしまった。

「じゃあおうちでも猫ちゃん飼ってるの?」

まなは首を横に振った。

「ママが猫アレルギーで、飼っちゃダメだって......」

まなは少し落ち込んだような様子を見せた。

「ねぇ、真奈ちゃん。じゃあ猫ちゃんの動画一緒に見る?」

「猫ちゃん......!見る!」

石川はスマホで猫ちゃんの動画を開き、真奈に見せた。

「ほら、猫ちゃん可愛いね!」

「......うん!」

最初は2人を警戒してた真奈も、今ではすっかり懐いてるみたいだ。

「石川さん、ちょっとトイレ行ってくるから真奈のこと頼んでもいいかな?」

「オッケー!まかせて!」

「ありがとう。真奈もお姉ちゃんたちと待っててもらっていい?」

「うん!猫ちゃん見てる」

真奈は石川にすっかり懐いたみたいだから任せても大丈夫だろう。

そう思って、三嶋は席を立った。


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