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第72話『これで病院かぁ…』

エクス君って蛇平気だっけ?


「いやいやいやピュートーンの時で知ってるでしょう!苦手ですよ!!」


そっか…。


「何ですかその目は!!!」

 前回のあらすじ


 ワイバーンに連れられて国で1番大きい病院に到着しました!…あ、ミカウさんにヨシュアの事聞くの忘れた!!!

ヨシュアが暴走したらその時だ!な、なるようになれ!


 …


 屋上の扉を潜ると真っ白な空間の奥の方に銀色の扉が10個程あった。扉の上に数字と逆三角形、扉の横にも三角形のボタン。エレベーター…かな。

チンッと音がして真ん中の扉が左右に開く。

先に中へ移動した治療班の人が


「こちらへどうぞ。あ、召喚獣は戻して下さいね。」


と促したのでゼウスを魔導書に戻してレンと一緒に乗った。ちらりと治療班の人の前にあるボタンを見ると地下から50までのボタンが見えた。50階って高くね…??


「私はお二人の検査室まで連れていく担当です。これからお2人には検査を受けてもらった後に経過を見る為、入院して頂きます。ゼウリス魔法学校の皆さんはワンフロア貸切でお使い頂けます。意識の無い方は個室、意識があり、軽傷の方は大部屋となっております。部屋割りは教師の方に決めていただいておりますので検査が終わり次第別の担当について行ってください。」


「はい。」


「はーい。」


意識の無い人は個室なのか…。じゃあヨシュアは個室…。シャル君、ローランド君、クリムさんもかな。


少し重力に押される感覚のあと、扉が開く。

そこは…


 最早高級ホテルだった。

辺りが気品溢れる茶色やオレンジ色で病院のビの字もない広いエントランス…。光り輝く手すり…光り輝く階段…訳わかんない。


「う、うぅう??何これ病院なの???」


天井から伸びてるあれシャンデリア???

え、此処病院だよね??白いのどこ行ったの??


「すっげぇー!面白いね、この病院!」


「ふふ、患者様に病院と思われないような病院を目指す。が医院長のポリシーなのですよ。

薬品の匂いを抑えて、敢えて壁や床に白を使わず茶色や橙色の目に優しい色を使ったホテルのように造ることで患者様のストレス緩和を目指しているのです。」


とホテル…じゃない、病院を歩きながら説明をしてくれているのだけど驚きすぎて何も頭に入らない。道も覚えられない。


「ではエクス=アーシェ様、レン=フォーダン様、お召し物を脱いでこちらの服にお着替えください。こちらは責任を持ってお預かりし、洗濯してお返し致します。こちらの籠へ。お靴はこちらの袋に入れてから籠へお入れ下さい。」


さっきまでのホテルとは全く合わない普通の部室のような小さな部屋に招待された。何か急に冷めるな…。


言われた通り脱いで籠に制服を入れ、貰った服に着替える。これは薄いエメラルドグリーン色の患者衣ってやつ?ドラマで患者さんが着てるやつだ。スリッパも服と同じ色。


「あの、勲章大切な物なんですけどこれも籠へ一緒に入れるんですか?無くしたら俺達罰則らしいんですけど。」


同じく着替え終わったレンが天使クラスの勲章を手に持ってた。


いっけね!僕も急いで籠からジャケットを取り出し勲章を外す。すると担当さんは宝石を入れるような箱を取り出した。


「それはこちらに。入れたら箱に自らお名前をお書きください。」


にこやかに笑う担当さんから箱を受け取り、勲章を入れて蓋を閉めて名前を書く。

英語の方がいいかな。Aix=Asheっと。


「ありがとうございます。ではそちらを籠の1番上に。責任を持ってお預かり致します。では、こちらへどうぞ。」


また僕達は歩き始めた。

暫く歩いていると大きな引き戸の前で担当さんが止まった。


「ではこの扉を通って指示に従ってください。では、私はこれにて失礼致します。」


ぺこりとお辞儀して足早に去ってしまった。


「…行こっか、エクス君。」


「う、うん。」


引き戸は自動で開き、中にナースさんが2人立っていた。2人はロボットのように寸分の狂いなく同時に頭を下げ、


「お待ちしておりました、エクス=アーシェ様。」

「お待ちしておりました、レン=フォーダン様。」


と言った。…アンドロイド?


「エクス様、こちらへどうぞ。」

「レン様、こちらへどうぞ。」


2人のナースさんは別々を指していた。


「じゃあまたね、エクス君。」


レンが軽く手を振って先に行ってしまった。

僕も行こっと。

僕もナースさんについて行った。


ナースさんは引き戸の前に立ち、自動で開いた所を通る。僕も後に続くとそこはホテルではなく、ちゃんとした大きな病院のように壁が白く、床がベージュだった。

やっぱこれが病院だよなー。とキョロキョロしているとナースさんがとある扉で止まった。


「こちらにお入り下さい。」


言われた通り自動で開かれた引き戸から中に入るとまたドラマで見たような診察室だった。

流石に診察室の周りは病院だよな…。


「いつまでボサっとしてるのよ。ほら、お座りなさい。」


「ひっ!!すみません!」


 足を組んで座っている白衣の女性に声をかけられた。組まれている足は網タイツ、

黄緑色のボブヘアーに白衣はボタンが役目を果たさず胸元が見える。ヒメリア=ルージュ先生以来のセクシーお姉さん系…!僕には刺激が強すぎる…っ!


「キミがエクス=アーシェ…最高神ゼウスの召喚士…ねぇ。ふぅん…」


女医さんは立ち上がり僕に近づいてジロジロと見る。


「あ、あのぉおぅ…」


緊張しすぎて声が震える…。

女性はどすんっと先程の椅子に座った。


「ちょっと待ってねぇ…えーと…よし。ヒュギエイア、この子見て頂戴。」


深緑に金色の装飾が綺麗な魔導書から蛇が巻きついた杯を持った女性の召喚獣を呼び出した。

く、食われる…!?


「何で怯えてるのよ。キミを診察するだけよ。」


ヒュギエイアと呼ばれた召喚獣は杯を差し出してきた。え、何も入ってないよ?


「それに魔力流して頂戴。」


「は、はいぃっ!」


女医さんの指示に従うべく魔導書から杖を取り出して壊さないように一瞬だけコツンと当てた。


『!』


ヒュギエイアは一瞬目を見開いたけどその後僕に微笑んでくれた。美人だ…。その後謎のビームを人差し指から発して字を書いていく。

それをボーッと見ていると女医さんが話しかけてくれた。


「この子は私の相棒ヒュギエイア。キミの所の教師の誰だっけあのワカメ。」


ワカメ…。


「よ、ヨガミ先生ですかね。ヨガミ=デイブレイク先生。」


「そーそー!そいつの召喚獣のアポロンの息子、アスクレピオスの娘の1人がヒュギエイア。だからゼウスの曾孫だね。」


「へぇー!」


「あ、そうだ。私の名前はフェリア=クレール。

 気軽にフェリアせんせって呼んで良いのよ。」


「ふ、フェリアせんせ…」


「ん、よく出来ました。」


ダメだダメだ何か開いちゃいけない扉が目の前に迫っている気がする汗やばい落ち着け落ち着け僕。へいじょっ平常心平常心平常心…。


ちらりとフェリア先生を見るとヒュギエイアから紙を受け取っていた。


「あ、ヒュギエイア出来た?ありがと。えーと…うん、流石ゼウスの召喚士。加護にバッチリ護られて身体に異常は無いみたいよ。」


「よ、良かったぁ…あ、あの…僕の友達のヨシュア=アイスレインという子診てませんか?彼が心配で…」


「ヨシュア=アイスレイン……いえ、私は見ていないわ。その子が意識の無い子だったら多分あの人が診てるから…。」


「あの人?」


頬杖をつき眉を下げるフェリア先生は少し気だるそうに言う。



「ココの医院長でゼウリス魔法学校の上層部であり国を束ねる機関の一員。

召喚獣はアスクレピオス。」



「そ、そんなお偉いさんが!?じゃあ僕は会えない…」


「多分君はあの人に会うわ。いえ…会わなければならないのでしょうね。」


「え?それはどういう…」


「さ、貴方の診察は終わり。大人しくベッドで横になりなさい。晩御飯までね。」


 微笑まれて半ば強制的に話を切られ、僕はさっきとは別のナースさんに病棟へ連れられた。

ミカウお兄さんだよー!


そろそろ教師達が恐れる上層部が少し見えるみたいだよ。

教師達が恐れる理由…まぁ圧が凄いってのが1番だと思うんだけど…国を束ねる組織でもあるからなんだよね。楽しみにしててね!

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