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第71話『心配返して』

15000PV突破しました!!ありがとうございます!

エクス君は入院しますが何卒お願い致します!


「け、怪我とかして無いので大丈夫です!」


だそうです!

 前回のあらすじ


 他の倒れている生徒は兎も角、元気な僕達も国で1番大きい病院で入院することに。

 …まさか卒業以外に出られるとは…。


 …


 今スピルカ先生の牡羊座アリエスをもふもふしながらレン、スカーレット君、イデアちゃん、メルトちゃん、リリアンさんとお話中です。すると…


「えーくーすーきゅんっ」


 と上から声がして見てみると黒い狐の仮面を付けたお兄さんが口角を上げていた。


「あ、ミカウさん。」


 名前を呼ぶと両手を狐の形にして


「うん、小生はミカウだよ。エクス君とメルトちゃん以外とは初めて会うね。君達の活躍見てたよぉ。凄かったねぇ!やーお疲れ様ぁ。」


「何か他人事で話されるとムカつくわね。」


 ムッとするスカーレット君を指さしたミカウさん。


「スカーレット=アルカンシエル君。」


「…何よ。」


「君は…お父さんが狂っちゃって大変だったねぇ。お母様の代わり大変だったでしょ?」


「な……っ!!?」


 驚いて目を見開くスカーレット君をスルーし


「ウチには心癒すグッズもあるから購買部においで。君達が生徒の中で1番頑張っていたからね。えーと…エクス=アーシェくん、レン=フォーダン君、スカーレット=アルカンシエル君、イデア=ルークスちゃん、メルト=ガーディアちゃん、シャーロット=アルカディア君、ローランド=ローゼン君、ヨシュア=アイスレインく……ん?」


 ヨシュアを見て人差し指がへにゃと力なく下がる。


「おぉう…こりゃ驚いた。彼の記憶の鍵と扉がグチャグチャだ。彼、ちょっとヤンチャしてたね。その頃の記憶と今の記憶がぐっちゃぐちゃ。」


「うーん?記憶の扉?鍵?確かにヨシュア君おかしかったわ。どういうことですか?」


 メルトちゃんが聞くとミカウさんは片手をお金の形に変えた。…まさか。


「ぷりーず代金!」


「が、がめついですね…。」


 リリアンさんがそう言うと


「む、世の中金が全てなんだよぉ?

 つっても皆お貴族様だったねぇ…。」


 僕違います。

 ミカウさんは落胆して直ぐに口角を上げ


「彼を助けたい?」


 と聞いた。当たり前だ。

 すると僕だけじゃなく、皆が頷いた。


「ヨシュアさんはアイスレイン家のご子息なのですね。いきなり人をファーストネームでお呼びするのは失礼かと思っておりましたがファミリーネームを存じ上げてなかったものですから…。あ、ではなく。ヨシュアさんはメルトさん、アストライア先生と共に私の友人を助けて下さいました。お力添え出来るのなら全力でさせて頂きたいです。」


 メルトちゃんもファーストネームなんだ。

 …いいなぁ。僕アーシェさんで止まってるんだけど。


「俺は興味本位〜。ヨシュア君に恩を売るの良さそうだし。」


 とレンは牡羊座を横にみょーんと伸ばしながら嫌な笑顔を浮かべていた。コイツ…。


「あたしたちは友達だから助けたいの!ね、スーくん!メルトちゃん!エクス君!」


 イデアちゃんに頷くとリリアンさんとレンがむっとした。


「俺だってもう友達だしぃ。」


「わ、私は…認めてもらえるのでしょうか…!」


 レンは兎も角あのリリアンさんがドギマギしてる…!貴重かも…!


「んっふっふ…良い友達持ったねぇ。うんうん!そんな君達を称して質問一個答えてくれたら少し話してあげよう。」


 質問?


「君達、召喚獣の武装を何故使わなかったんだい?」


 武装…あ、召喚獣がカッコよくなって強くなるやつか。確かに、皆映像見てたら使ってなかったような…。


「俺は別に使うほどでも無かったから。」


 と言い方がちょっと腹立つレン。

 メルトちゃんとリリアンさんは目を合わせてミカウさんに向き直った。


「私たちは途中で使おうとしたんだけど沢山魔力使うから何が起こるか分からない今は使わない方が良いってアテナが…。」


「アーサーもです。生徒の回復やまだ戦闘しなければならないかもしれないから、と。」


「アタシは完全に忘れてたわ。」


「あたしは戦ってない!」


 皆の答えを聞いたミカウさんは僕を見た。


「エクス君は?」


「ゼウスは常に武装のようなものって言ってたので使う使わないじゃなくてその選択肢が無いんです。」


「はっはーん…なるほどぉ。」


 あ、そうだ。ミカウさんなら今のゼウスについて何か言ってくれるかも。


「ミカウさん、あの…ゼウスの事なんですけど…」


「ん?どうしたんだい?」


「ゼウス、アビスによってスキルが全部ロックされちゃって!何とかなりますか…?」


「えぇ?ロックぅ?」


 仮面の奥の見えない瞳で僕をジロジロと見るミカウさん。すると彼は


「そんなの無いけどなぁ?あるとしても君の弱さが問題のロックくらいだよ?」


 間違いなく、そう言った。


「………………へ?いや、でも…だって…あんなに落ち込んで…」


「小生を疑うのなら直接本人に聞けばいいさ。」


「そうします!【summon】」


 言われた通りに小さなゼウスを呼び出す。


「ゼウス大丈夫?」


『おぉ、マスター!問題ないぞ!全部解いた!あ、いや。正しくはアビスに掛けられたロックが、だが。』


「えぇ!?あんなに落ち込んでたのに!?」


『いやぁ…あんな餓鬼…じゃなくて小童にスキルロックされるなぞ思っとらんかったからつい驚いて。冷静に考えればあんな玩具の解錠なんぞ造作もない。迷惑かけたな、マスター。ははは!』


 笑ってるし…。


『ついでにマスターが呼べる召喚獣も増やしておいた。存分に使うがいい、マスター!』


 何か増やしてくれてるし…。


「心配したんだよ…?」


『その気持ちに感謝するぞ!』


 はぁ…色々な意味で流石ゼウス。

 落胆して皆の苦笑いを受けてると手に持っていた羊が消えた。


「ワイバーンが到着した!意識の無いもの、ラブラビとリーレイに重症と言われた生徒から順に運ぶ!動ける生徒は何もせずその場で待機!」


 スピルカ先生の声に従い、僕達は最後に回された。そしてクリムさん、ヨシュア、シャル君、ローランド君が運ばれたのを見届けた。


「エクス達ー!お前ら全員が最後だな!こっちへ!」


 別棟の扉から外へ行くと白いワイバーンが3匹居た。彼らの首には赤十字のカバンが。

 …ちょっと可愛い。


「2人で1匹に乗って下さいね。」


 これはメルトちゃんとくっつけるチャンスでは!?むふふ…!




「はぁ〜〜〜……。」


「溜息止めてー?」


「何でレン君となのぉ?」


 何故か僕はレンと組まされ、メルトちゃんはリリアンさんと、スカーレット君はイデアちゃんと乗ることになったのだ。


 リリアンさんでもメルトちゃんでも良いから女の子が良かったーっ!!


「俺、顔良く褒められるよ?イケメンって。」


「自分で言うもんじゃないよ!あと男に興味無いねッ!」


『まぁまぁマスター。ワイバーンに乗るのも楽しいぞ。私との飛行では味わえない気持ちを得るだろう!』


「…むぅ。」


「行きますよ。」


 不満に思っているとワイバーンが跳躍して羽ばたき、空を飛ぶ。うわわわわっ!!!

 一瞬で高く!!何か暴走した僕の箒を思い出す!ん、箒?あれ?ワイバーンも一種の乗り物では?

 となると…


「うぇ…っ」


「メルトさん!!!お気を確かに!!!」


 あぁ!!メルトちゃんが手で口を押さえてるのが小さく見える!


「あははっメルトちゃん吐きそうだねー。」


「笑い事じゃないよ!あの、すみません!あの子乗り物にめっちゃ弱いんですよ!」


 と前に乗ってワイバーンを操る人の背中をべしべしと叩く。


「えぇ!?そう言われましても…」


 まぁ確かに言ってないのも悪いけども!ワイバーンで飛ぶってことが楽しみすぎて乗り物という概念が無くなってたんだろうけど!

 …あ、そうだ!


「ゼウス!メルトちゃんに状態異常回復魔法掛けて!」


『分かった、行ってくる。』


 メルトちゃんの元へ行く途中で元の大きさに戻ったゼウスは治癒の光を放ちメルトちゃんを回復させた。


『行ってきたぞ!』


「ありがとうゼウス。」


「あ、見てみて!城だよ!!」


 レンの指さす方を見るとゲームで見た大きくて白いお城と栄えている城下町が見えた。

 うわぁ…!本物はこんなにでかいんだ…!!


 ワイバーンは一際大きい病院らしき建物の屋上に着地した。


「お待たせしました。こちらへどうぞ。」


 こうして僕達は病院へと足を踏み入れた。



「うーん…ゼウス様のロックについて聞かれたからヨシュア君の事伝えてないけど…まぁいっか。黙ってた方が面白いこと起こるかもだし!」

♢ミカウの手記♢


ラブラビちゃんがこの学校に来た時、ルプス君がくっついてきてたんだ。

「姐さんが行くなら俺もついて行きます!」って。

彼人間なのに犬の尻尾がすごい速さで揺れてるのが見えたよ。何であんなに執着してるのかな?今度あの子を視てみようっと!

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