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第65話『× × × le』

前回のあらすじ


究極魔法をくらい燃えていたヤマタノオロチの攻撃からヨシュアを庇いプロメテウスが負傷。

一同は呆然とする。


 …


「プロメテウス…?」


正直どうでも良いと思っていたけど、身体が勝手にアイツの元へ駆け寄るんだ。助けなくちゃって。

勝手に、勝手に。


『…火属性耐性あっても物理でこのザマか…。

…無事かぁ?…マスター…?』


「お前何してんの。何で庇うとか寒いことしてんの。

俺、頼んでないよね。」


血だらけのプロメテウスを冷たい目で見た。

けれど彼は嫌な顔をせず力なく笑う。


『頼まれてなくても…マスターを護るのが召喚獣だろ…?っへへ…柄にもねぇ…から、恥ずい…けどな。』


「だから頼んでねぇっつってんだろ。

…お前馬鹿だよ、馬鹿すぎる。

俺の本性知って怯えたくせに…何で?」


プロメテウスは瞬きを数回した後にへらっと笑う。


『怯える…?な、訳…無いだろ…?

おど、ろいた…だけだ…。どんなお前だろうが…

お前は俺のマスターだから、な…!』


プロメテウスが輝きながら薄くなってきた。

…え?どうすればいいの?どうすれば止められる?


「お、おい。まだお前の叫び声聞いてないよ。

どうすりゃいい?今の俺はよく分かんねぇよ…!

あ、そうだ本に何か」


焼け焦げたグローブがざらつく大きな左手が俺の手を優しく包んだ。


『それは無ぅ駄。俺ぁちょっと休憩するだけだ…。

少し休んだら…元気になるから…まだお前がそのままだったら…今度こそ止めるから……

無事で居ろよ…。ヨシュア。』


そう言って微笑んだ後、プロメテウスは消えた。

その場に赤く輝く銃弾が8つも置かれていた。

8つ…ヤマタノオロチの頭と同じ数…。


「皆、オロチを見て!」


メルトが指差すそこには炎が消え、全ての頭を失ったヤマタノオロチの胴体があった。

胴体は中身が剥き出しになっており、中心に緑色の宝石みたいに輝く石がある。


 アレを壊せば…!


と直感で思った。全員が武器を構えた瞬間、胴体は塞がり宝石は見えなくなってしまった。

更に首が1本ずつ回復していった。


「成程、ヨシュアのお陰でハッキリわかった。

今まで3つまでの頭しか潰せなかったから分からなかったが、8つの頭を全て潰したらコアらしき宝石が見えるようだ。それを破壊したら恐らく…」


()()()()()()に頷く俺達。


あれ?何でこの餓鬼をスピルカ先生だなんて…。

いや、今はそれどころじゃねぇんだ。


「俺が全ての頭を潰す。お前らがトドメを刺せ。」


「今のお前は多分もう究極魔法出せないだろ?

魔力量的に。」


「わぁってるよそんくらい。」


銃にバレットを装填する。

すると本が勝手に捲られた。

そこに火属性:銃弾魔法合技と書かれていた。


「【バレット:リコリスインフェルノ】…。」


そう呟くと銀色の銃が赤黒く染まった。


「!」


「ヨシュア君は私が護るよ!」


「メルト…。」


「何言ってんだメルト。生徒を護るのは俺とアストライオスだぞ!リリアン、アーサー、いけるか?」


スピルカ先生に頷いた2人。


「はい。」


『あぁ、今まで良いところ無かったしそろそろカッコつけないとね。』


「おう!任せた…ってもう来るぞ!」


「アテナ!」


『はっ!【水神アイギス】!』


アテナの水の盾に弾かれたオロチの頭を撃ち抜く…!


はずだった。

銃弾は固い鱗に弾かれた。


「!」


「もう耐性が付いたのか!?お前達気を付けろ!」


耐性…?まさかさっきの炎と銃弾が同じ属性だから?なら属性を変えるまでだ。


「【バレット:アイスランス】」


何かよく分からないが自分の身体が出来ると思うことをする。


「凍れ!」


いっきに引き金を引く。

しかしオロチは無傷。…どういう事だ!?


「おいボサっとするなヨシュア!!」


「!」


あ、ぶなかった…。1歩遅れていたら肉塊になってた。


「くぉらヨシュア!戦場でボサっとしている奴が居るか!!アイツは銃撃耐性が付いた可能性が高い!

お前は控えてろ!リリアン!」


「はい!【白百合の銀剣】…!」


リリアンが光を纏わせた剣を振り、弧を描いた斬撃がオロチの首を飛ばす。


「アーサー!お願いします!」


『はぁっ!!』


横から飛び出したアーサーの攻撃、しかしそれは弾かれた。


『っ!』


「アストライオス!」


『…!』


アストライオスが手を突き出し、星が舞う斬撃を繰り出すとアーサーが切れなかったオロチの首が飛んだ。

再生速度も遅い。

何か法則があるはず……考えろ。


最初、俺は火属性の魔法を放った。

その後復活したオロチに俺の火属性と水属性の魔法が効かなかった。

しかし次のリリアンの光属性の剣撃は効いて、アーサーの剣は効かなかった。その次のアストライオスの魔法は効いた…。


最初の俺の攻撃は【火属性】の【魔法】。

その次は【火属性】と【水属性】の【銃弾魔法】も効かなかったがリリアンの剣は効いた。

その違いは【属性】と【攻撃の種類】…。

もしオロチが首を切られた原因である攻撃の耐性を手に入れるのなら…最初の攻撃で火属性耐性を手に入れたとして…いや、それなら水属性の銃弾が効かない理由が分からない。

何でだ?属性は違うのに…

あ、魔法というのはいっ……しょ…!


「…まさか…なら最後に首を切ったのは誰だ?」


「アストライオスだぞ!」


隣に駆け寄ってきたスピルカ先生がドヤ(ウザイ)顔で俺の呟きに答えた。


「アストライオスの魔法の属性は?」


「んぇ?さっきのは【星屑の剣星】っていうのだから闇属性だ!他の魔法は光属性と闇属性を兼ね備えているのが多いんだけどな!」


「剣ってついてても魔法なんだよな?」


「うん、物理じゃないぞ!」


という事は…


「…光属性の魔法をオロチに。」


「?分かった、アストライオス!」


スピルカ先生に頷いたアストライオスは無数の流れ星を放った。


 が…首が切れない。


「やはりそういう事か…!」


「何かお分かりですか?」


リリアンが首を傾げ、メルトも近くに来た。

そしてアストライオスの結界によってオロチの攻撃を気にせず話し始める。


「あぁ、分かった。首が切れなかった理由が。

あのヤマタノオロチは1()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。」


確証はさっきのアストライオスに試してもらって自信に変わる。


「最初で言うと俺は8つの頭を同時に燃やした。

だからオロチは()()()()()()と攻撃種類の耐性…つまり()()()()()を得た。」


「成程な!」とスピルカ先生とリリアンが頷いた。


「そして、次に火属性の銃弾魔法が効かなかった。

そしてアストライオスが闇属性の魔法で首を切った後で光属性の魔法を放ったら首は切れなかった。」


「えぇっと…?」


申し訳なさそうに首を傾げるメルトを見ながらリリアンが


「火属性の魔法でオロチの首を切ったのなら、次の首は火属性は禁止、かつ属性関係無く魔法と称される攻撃以外でないといけないのですね。」


と俺が言おうとした言葉の先を紡いだ。


「あぁ成程!理解したわ!」


メルト同様の笑顔をスピルカ先生が向けてきた。


「じゃあヨシュアがその火属性の銃弾で次の首を飛ばしたのなら火属性でも魔法でもない光属性の剣撃、リリアンかアーサーの攻撃が効くってことだな。

俺のアストライオスやメルトのアテナも。」


「だと思う。

だから1回ずつの攻撃を交代で繰り返せば…」


「ヤマタノオロチの頭を全部倒せるわ!」


メルトに頷く全員はオロチへ身体を向けた。

結界を何度も叩く音は段々と増えている。

…多分全部の首が回復したのだろう。


「思えば俺とメルトは他の生徒を守る為に動いていたからヤマタノオロチをリリアンとアーサーに任せっきりであまり攻撃してなかったしな。」


スピルカ先生は小さな腕を交差させストレッチを始めた。


「よし、俺とメルト、リリアンは回復魔法の為に魔力を残しておいた方が良いから攻撃はヨシュアと召喚獣に任せよう。」


「あぁ…でも守っていた生徒は?」


話によると生徒は守られていたようだが今は俺達しかいない。瓦礫の下にいるようにも見えない。

というか気配ないし。


「アストライオスの転移魔法で安全な場所へ動かした。また後で回収するさ。」


「…成程。」


納得すると結界がミシッと音を立てた。

どうやら罅が入ったようだ。

アストライオスの無表情が歪む。


「ここが崩れる前にケリをつけよう。

頼むぞお前たち!」


スピルカ先生の声でアストライオスが結界を消した。そして迫り来るオロチの頭。


『【水神アイギス】!』


アテナの水の結界で全ての攻撃を弾いた瞬間、俺は飛び出して銃を向ける。


「【バレット:リコリスインフェルノ】!」


オロチの頭にヒット。ヒットした時に赤い花が咲いたように爆発した。

見覚えがある形…昔、本で…あの花は確か…


「曼珠沙華…」


昔…に……っ!?頭がっ…いっ…てぇ…!


「ぐぅ…っ!!」


「ヨシュア!!」


触るなっ!!

頭を押さえつつスピルカ先生の手を払う。

痛い痛い…っ!それどころじゃ…ないのに…!


 ザザッ


[ヨシュア、見てこれ。この花綺麗だよな。

曼珠沙華って言うらしい。他国の花なんだってよ。]


見知らぬ男が花の図鑑を開き、1つの赤い花を指す。

説明の為に俺へ向ける視線が凄く優しい。


[決められた時期に誰に言われた訳でも無いのに勝手に咲くんだと。すげぇよな!赤、白、黄色があるんだって。ほらほらめっちゃ綺麗だぞ!]


[ヨシュア!良い子だなぁお前は〜っ!

うりうりうり〜っ!]


[ヨシュア…命は皆…平等なんだぞ…。]


 ザッ


あぁ…っ誰だよ…この声…この懐かしくて優しい耳障りな声は!!




「っ!」


ぎゅっと目を瞑ると意識が戻って来た。


「お!?ヨシュア大丈夫か!?」


「……」



頭がぐちゃぐちゃ。

記憶が入り交じっていて…結果的に何も分からない…。

何だこれ。俺今何してるんだっけ。



「…?…っ、アーサー!アテナさん!

アストライオスさん!代わりにお願いします!」


女が俺を見て召喚獣に指示を出す。


『あぁ、了解だ!』


『分かりました!』


『…!』


あぁそうだった、いけない。

早くしないと。早く早く早く………ん?


何で急いでんだっけ…?

あれ?何で銃持ってるんだっけ?


「ヨシュア!ヨシュアしっかりしろ!

目が虚ろだぞ!」


何だこの足元の餓鬼……。


餓鬼は煩くて嫌い。

興味本位で餓鬼に銃を突きつけてみる。


「よ、よしゅあ?」


「五月蝿い…!俺の名前を口にするな…!」





パァンと乾いた音が辺りに響き渡った。

♢ミカウの手記♢


生徒のメモ

背の順↓


イデア←メルト←エクス←ヨシュア←シャーロット←ローランド←スカーレット


エクスくんはいつメンの男子の中でも1番小さい!

背が伸びるグッズ売りつけるには格好のカモ!!

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