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第63話『× × × ing』

 ※ATTENTION!


 今回、不快な気分になる方がみえてしまうかもしれません!お気を付けてお読みください!不快になられましたら申し訳御座いません!次回もお気を付けて…!宜しければどうぞ!


前回のあらすじ


兄妹喧嘩、秒で終幕。


 …


「スカーレット君…」


「あるぇ!?思った以上に早かったなぁ…。

もうちょっと頑張ってもらえると思ったんだけど…

期待外れぇ。」


『それは僥倖。っくくく…』


ゼウスが笑った後、僕とゼウスに巻きついていた物が弾けて消えた。


「わっ!」


着地が上手く出来ず尻もちをついた。


『むぅ、やられた振りと言うのは性にあわんな。

解除よりもこっちの方が疲れる。』


流石にアビスも顔を引き攣らせている。


「…マジかよ。マスターどうでもいいの?」


『良くないさ。だからどうなるか解析した。

結果、何も無かった。お前のハッタリという事だ。』


ゴキゴキと首の骨や手首を鳴らしストレッチをするゼウスは鋭い瞳でアビスを見据える。


『弱者の振りもたまには良いと思ったがもう飽きた。』


「…」


アビス、珍しく凄く嫌な顔してる。その表情のまま


「ジャンヌ。」


と呟いた。


『はい。』


彼女は短い返事のあと、音もなく一気にゼウスへ近づいた。

だけど…


『遅い。』


とジャンヌの腹部に強烈な蹴りを叩き込んだ。

ジャンヌは勢いよく吹っ飛び、床を擦った反動でまた飛びを繰り返し転がりながら壁へ衝突した。


女性に容赦無いな…。

ジャンヌは立ち上がろうとする素振りもなくピクリとも動かなくなった。


『なぁマスター、もう散々我慢したんだ。

暴れて良いだろうか。』


「え、ここ学校だよね?

壊さないで欲しいんだけど…」


『なぁに、壊してもすぐに直すさ。』


僕に向けた笑みが目を開いた瞬間、ゼウスの周りに光が迸る。


『さぁ、ジャンヌが居なくなった召喚士よ。

貴様はどうする?泣いて降伏するか?許しを乞う為、地べたに這いつくばるか?特別に選ばせてやろう。』


「はァ〜?どっちもやーだねっ!」


『ならば生け捕りにして拷問でもしようか。』


アビスはいつもの笑みを浮かべることなく長い舌をだす。


「べぇーっだ。

僕を捕まえるならこの子止まらなくなるよ、いいの?」


アビスが指を鳴らし、映像が変わる。

…黒い笑顔のヨシュアが居た。

普段のヨシュアは怒ると目を閉じて口角を上げる。

けど今回は目を見開いてケタケタと笑っていた。


[鳴けよ喚けよ惨たらしく!あっははははっ!]


映像からヨシュアの声が聞こえても、アレはヨシュアとは思えないくらい怖い人に見えて


「よしゅあ…なの?」


と呟いてしまった。アビスはにこやかに頷いた。


「そだよ。怖いねぇ!

僕よりサイコパスだったんだよこの子ぉ!」


コイツ…ヨシュアにまで何かしたんだな!!


「お前…ヨシュアに何をしたっ!!!ゼウス!」


『あぁ、拘束する。』


「え!?

ちょっと待ってよ僕マジで何もしてないよォ!?」


「煩い!絶対何かした!!」


じゃなきゃヨシュアがあんな風になるわけない!!

優しい彼が…あんな風に!!


「偏見だよそれぇ!!わきゃーっ!!」


ゼウスの輪っかに捕まって変な声を出すアビス。


「マジのマジで知らないって!あんなになった瞬間が映像に映ってんじゃないの!見せたげるから!!」


手は輪で縛られているものの指は鳴らせるらしく、

鳴った途端にヨシュアに背を向け僕らがアルファクラスに入っていく姿が見えた。

過去の物か…?


 ……


ヨシュア=アイスレイン


「行くよプロメテウス!」


『おうよマスター!!』


俺は銃を構え4体の白い化け物を迎え撃つ。

プロメテウスも援護に回りながら化け物を銃で撃ち、部位を切っていく。


「動きを封じるだけでいい!

プロメテウス、生徒が来ても矛先を向けないでね!」


『わぁってるって!あ、おいマスター屈め!』


プロメテウスに応えその場にしゃがむ。

その瞬間、顕になった白い化け物を撃ち抜いた。

プロメテウスの行動を見てやっと気付いた俺は他の白い化け物を撃ちながら礼を言う。


「ありがとう!」


『ボーッとしてんなよマスタァ!』


「うん!」


化け物は凄く脆くて攻撃も単調だったからかあっという間にあと1体になった。

…こんなに弱かったのかな。

じゃあシオン先生やシャル達も無事だろう。


『マスターあとアイツ1体だぜ。やっちまえよ。』


「あ、うん。」


どうせなら魔法で銃弾変えてみよう。


「【バレット:アイスランス】」


氷の弾丸らしいんだけど…どんな感じだろう。


「それっ」


弾丸が化け物を撃ち抜いた瞬間、赤い飛沫が散った。


 …え?


3体の化け物は斬っても撃っても血は出なかった。

なのに、こいつだけ、何で…人間が撃たれたみたいに…。


『マスター平気か?(人間の血の匂い…まさか()()()()だった…とかか?)』


「あ…血…」


『マスター?』


この匂いを嗅ぐと頭がザワザワする。

凄く…、仕舞っておかないといけないと思っていたような何かが、凄くザワザワする。

何だ、これ。頭の中に砂嵐が起こっているような…。



ザザッ…



「やめ、やめて!お願いだから殺さないで!!」


「っははは…じゃあ鳴いて、喚いて、惨たらしく。」


「やっそれは…」


「じゃあ死んで。」


「ぎゃああアァァあぁッッ!!!」


「っ!これだ…あはっあははっ!ははははっ!!」



 ザザッ…プツッ。



「っ!!今の…」


砂嵐の中に見えた…血塗れな人の怯えきった顔。

その人の断末魔の叫びを聞き自分の喉から出てくる嘲笑。これは…


『おいマスター?片手で顔を押さえてどうした?

血を見て気分悪くなったか?』


確かに…嗤ったのは俺だ。

喉が声を出す感触を覚えている。


やっぱりアレは仕舞っていた、隠していた俺だ…。

あれ?何で仕舞う必要がある?

アレは紛れもなく俺だろうが。

あの断末魔の叫びが聞きたい。もう一度。

もう一度快感を深く刺激するあの声を…!他の動物を殺しても聞けなかった、人型が出せるあの声を…!



嗚呼、今思い出しただけでも幸せだ…!

ゾクゾクする…っ!



「っははは…!あっははははっ!」


『っ!?おいマスター!?どうしちまったんだよ!

様子がおかしいぞ!!?』


「ねぇ…プロメテウス?お前も一緒に聞く?

他人の愉しい声。悦ぶ声を。」


『たのしい?よろこぶ?な、何のことだ?』


この化け物も人間だったのかなぁ?

なら口無いけど鳴くかな?頭踏み潰して試すか。


ぐちゃっ


「うえ。思った以上に柔らかかった…汚ぇ。」


ぐちゃぐちゃ


口がねぇから全っ然鳴かない。つまんね。


『ますっ……ヨシュア?』


「あ?…あー…はは。お前、いい顔してんね。

怯えた顔。そういう奴ほど…っふふ…あははっ!」


『っ…!』


「お前、声出してビビんねぇタイプだな。

 チッ…つまんね。」


人型は何処に…あ。男はっけーん。召喚獣も一緒か。

フラフラしてやがるな。鳴いてさえくれりゃ何でもいいや。


『おいやめろヨシュア!!』


「まずは召喚獣からね。」


軽く助走し色のくすんだ召喚獣を蹴りつけ壁にめり込ませる。


『(少しの助走で人間でなく召喚獣を押さえつける蹴りを入れた!壁が壊れるほどの力…ヨシュアお前どうしたんだよ…今のお前は心も身体能力もおかしすぎるぞ…!)』


何度踏みつけても鳴かねぇ。口があるのに。

恐怖する心があるのに。考える頭があるのに。


「チッ…シケてんな。鳴けよつまんね。

じゃあ次はお前な。」


『やめろヨシュア!!』


片手が掴まれた!くそ、プロメテウスが近付いていた事に気づかなかった!


「っ!離せ…っ!」


『がはっ!』


あ、肘が鳩尾に入って蹲っちゃった。


まぁいいか。


「…」


召喚士が黙りながらナイフ持って突進してきた。

これから俺を刺そうとしているのにコイツも黙ってる。つまんね。

横に避けてナイフを持っている手を肘で打ち、ナイフが落ちた時に蹴りを腹へ。

おぉ、よく飛んだ。

けど。


「鳴かない、喚かない…。

何で?何で?怖いんなら喚けよ…!」


つまんね。つまんね。

足を横へ1歩出した時、カランと音が鳴る。

ナイフ…あぁそうかぁ、コレ使えば良かったんだ。


「っふふ…じわじわ痛いと流石に鳴くだろ。」


ドコ切ろうかな〜?手首?腕?足?顔?目玉?


 殺さない程度に殺そうかなぁ。


「鳴けよ喚けよ惨たらしく!あっははははっ!」


『っ…よ、ヨシュア…どうしたんだ…お前っ!

様子が…血を見てから様子がおかしいぞ!』


「ぁ?」


何言ってんだ、これも俺だよ。

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