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第45話『おかしいモーブ』

モーブはモブから名前を取りました。

前回のあらすじ


ヨシュアと部屋で情報交換をしました。

暗号化という意味で黒いカプセルの事を堕天アンヘルと呼ぶことに。

厨二ワードってやっぱ良いよねっ!!

…その堕天アンヘルを使用したモーブがおかしいんだ。


 …


「モーブ…?様子がおかし…」


「っスピルカ!!離れろ!!」


モーブを心配して駆け寄ったスピルカ先生を

引き剥がそうと手を伸ばすヨガミ先生。

次の瞬間


「うぁあああああああぁぁぁッッ!!!!」


と叫んだモーブの背後に禍々しいオーラを纏った

召喚獣が現れた。


あれは…!?


「チッ何だこれ!!スピルカ!生徒達に避難命令!

太陽の下ならお前より俺のが強い!!」


「分かった!!おい、お前ら!!

召喚獣を呼び出し退避!!教室に戻れ!!!」


スピルカ先生の命令直後、上から沢山のメテオが降ってくる。


「わっ!!わわっ!!」


それほど大きくはないけども地面を抉ってるっ!!

クレーターが出来るほどだ!

皆は!!?


「皆大丈夫!?」


振り返ると皆無事だけど驚いた顔をしている。


メテオは止んで、グラウンドに墜落したのも消えたので避難する生徒を見ながら僕達はその場に佇む。

スピルカ先生は目を見開きこちらを見たが、

考えた結果見逃してくれるようで小さく開けた口を

ぎゅっと噤んで僕らに頷いてから背中を向け他生徒と共に走っていった。


「アポロンっ!!」


『はーい!』


対峙するヨガミ先生の杖が黄金の弓に変わった。

先生の手にはアポロンが作った光の矢が。


「悪ぃが召喚獣には暫く本に戻ってもらうぜ。

何を企んでんのか知らねぇが太陽の下に現れた自分を悔いるんだな!!」


矢がヨガミ先生の手から離れる刹那、

召喚獣のけたたましい咆哮が屋外にも関わらず地面を振動して全身に響き渡り、矢を破壊して周りが真っ暗になった。でも不思議と人物だけは鮮明に見える。


あ、太陽が隠れちゃった!!


「っ!」


ヨガミ先生の一瞬の怯みに間髪を入れず魔法を纏った手で殴りつけるモーブの召喚獣。

先生は両腕を合わせてガードしたが吹っ飛んだ。


「ぐぁっ!!」


攻撃がとてつもなく速くて強い…!


『ヨガミっ!!』


「ってぇなクソ…!!おいアポロン!!お前支援魔法もう少し早くやれよ!!ちょっと遅せぇよ!!」


『ほんの1秒じゃん!!』


「あぁ!?1秒が命取りになんだぞ!!」


この状況で喧嘩すんなよ…。と誰もが思っただろう。今のうちにアナライズしないと。


「出てきてゼウス【summon】!」


ゼウスが現れるけどいつもの光が小さい。


『嫌な気配がすると思えば…早速か。』


「ゼウス!アレは何て召喚獣!?」


『ふむ…分析するから動くなよマスター達よ。』


気付くとヨガミ先生とモーブ、アポロンと召喚獣と別々に戦っている。モーブは杖をナイフに変えて斬撃を繰り返しヨガミ先生を押している。

ヨガミ先生は相手が生徒だからか自分から攻撃をしようとはせず、弓でナイフを弾いて攻撃の軌道を変えるだけ。それを遠目で見ているだけの僕ら。


「っ…クソっ!!」


 ヨガミ先生…。


『分かった。アレは北欧神話のノートという女神だ。夜を司っている。故に太陽を覆う夜を作り上げた。…いや、今は闇か。』


夜、伝えなくては。


「先生ー!今は夜なんですってー!!」


「あぁ!?てか何でおめぇらがいるんだよ!!」


「色々とあってー!」


「はぁ!?ぅぐっ!」


僕に気を取られて蹴りを入れられてしまった。

あわわ…。

先生は受身を取り、背中が地面を擦った反動で浮き上がった身体を捻らせ両足で勢いを殺すよう踏ん張った。


『他のマスター達よ。貴様らも召喚獣を呼び出せ。

そしてノートとそのマスターを刮目せよ。

これから、増えるかもしれないからな。』


頷いたヨシュア達は召喚獣を呼び出した。


ヨシュアは


「プロメテウス。」

『おうっ!』


メルトちゃんは


「アテナ!」

『はい!』


シャル君は


「アルテミス!」

『はーいっ♡』


ローランド君は


「来たまえアフロディーテ!」

『♪』


イデアちゃんは


「ロキー!」

『はぁい。お呼びかな、マスターちゃん。』


各自召喚獣を呼び、そして最後にスカーレット君は


「来なさい、イーリス。」

『はい、マスター。』


綺麗な虹の女神を呼び出した。


『む、イーリスか。』


え、ゼウス知り合い?また子供?


『ゼウス様!』


子供ではないみたいだ。


『久しいな。だが、今はアレが先決だ。

 皆の者、刮目しマスターを護る盾となるぞ。』


『へっ…

てめぇに言われる筋合いはねぇいてててっ!』


『ゼウス様に向かって何と無礼な。

口の聞き方がなってないのかしら。』


プロメテウスはイーリスに頬を抓られていた。


「ゼウス、見てないでヨガミ先生助けないと!」


『いや、今はダメだ。相手がどのように強化され、

行動するのか…これが最初で最後の観戦になるかもしれん。』


「アポロン!」


ヨガミ先生はもう一度相棒の名前を呼ぶが、その相棒は全力で首を横に振る。


『今無理ぃ〜っ!ひぇーっ!

ボク戦いに不向きなのー!!

太陽の下じゃないと武装出来ないのー!!

夜は支援しか出来ないのー!!』


と言いつつもノートと距離をとり光の矢を射っている。当たらなかった矢は粒子となり消えてヨガミ先生に当たらないようにしていた。

これぞ協力プレイだ…!


ヨガミ先生に視線を戻すと、モーブが先生への攻撃を止め首から上だけ動かしこちらを見ていた。

光を失った虚無の目で、無表情で、僕ら全員を見た。


「モーブ…君…。」


普通だったら正気だった彼の笑顔とか回想が入るんだろうけど彼との思い出が何も無いから特に思うことも無い訳で。


僕はすぐに動けるよう魔導書から杖を取り出し握りしめた時、アポロンと戦っていたノートが雄叫びをあげ僕らの人数分、7人の分身を作り上げ…

こちらに向かわせてきた。


 うわーーーっ!!


『っくく…調度良い!皆の者、コイツの魔法、攻撃、威力、癖を記憶しマスターを守護せよ!!』


『だからてめぇが指図すんないででででっ!!』


『…』


イーリスはゼウスに文句を言ったプロメテウスの頬をさっきよりも強く抓った。女性怖…。


「ヨシュアちゃんだっけ。

アンタの召喚獣って学ばないのね。」


「いやー…お恥ずかしい。

でもおバカの方が可愛げあるでしょ?」


「そうかしら。」


ヨシュアとスカーレット君も怖い。

あ、余所見してる場合じゃなかった。

ノートの分身がすぐそこまで迫っているんだから。


『マスター。私は敢えて魔法を使わずにコイツの様子を探ろうと思う。良いか?』


「うん!頼むよ。」


『任せろマスター!』


ノートは集団で1人を襲うのではなく、僕ら1人につき1体で攻撃を仕掛けてきた。狙いは召喚士か。


『む……ふはは!私を無視して我がマスターを狙うとは余程殺されたいようだ!!

…が、うーむ…自我がある様には見えぬな。』


軽く呟いてノートの顎に強烈な蹴りを入れた。


ぶ、物理…。ゼウス裸足だけど痛くないのかな。


ノートの分身は大胆に地面へ落下したが消えるようには見えない。

僕の考えを肯定するように一瞬で落下時を逆再生したように起き上がった。


「うわ!」


『…物理は効かぬか。』


分身はおにぎりを握るみたいな動きをしてる。可愛いと思ったら末期だ。

動く手の隙間から紫と黒が混じった球が生まれドンドンと大きくなっていく。

あれは闇属性の魔法?


巨大に膨らんだ球から無数の小さな球を飛ばし全て

僕に向かわせてきた。


「ひぇっ」


『ふむ…

相手のスキルを見る事は出来ぬのかしないのか。』


ゼウスが僕の前に来て壁になる。


「ぜ、ゼウス!!」


球は全てゼウスが吸収した。


『大分魔力が増幅されてるな。元が闇属性だから適応したのか?何にせよノート自身の力では無いことは確かだな。』


「ゼウス大丈夫!?」


『問題無い。何せ私のスキルの1つは

【魔法無効化EX】だからな。私を倒すのなら…』


ゼウスの手には分身が作った球よりもうんと大きい球を一瞬で作り上げ、飛ばす球も巨大にして1番悪役な顔でやり返した。


『これ程は必要最低限だ。

これでも足りぬ位だがな。』


全ての球を受けた分身は黒紫の爆発に巻き込まれた。

…観察するつもりだったはずなのにもうやっちゃったよ…。

♢ミカウの手記♢


☆ヨシュア=アイスレイン

召喚獣:プロメテウス


好きな物:バイク、カッコイイもの

嫌いな物:正々堂々としない奴、家族


♢ミカウさんメモ

エクス君の目を通して勝手に視ちゃった。

彼は礼儀があるね。友達が大事な気持ちはエクス君レベルで強い。

…お?時々口が悪くなるようだ。猫かぶりしてるんだねー。んふふ…友達には隠したいんだ。

あ、しかも超がつくほど寝起きが悪いみたい。

それも隠したくて早起きするんだ偉いねぇ。

隠し事を増やすとバレた時大変だよ。

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