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第33話『普通じゃないんだ』

嬉しい評価して下さった方、本当にありがとうございます!感謝の極みです!!

前回のあらすじ


ヨガミ先生が頑張って下さったみたいですね!以上です!


え、少ないって?

だって僕内容知らないもん!!


 …


昼食を食べ終えた僕達は授業の為にもう一度錬金術部屋に来ました。

けれど先生が見当たらない。

遅刻したら殺すって言ってたの先生なのに…。

あれ?寝たら殺すだったっけ。

どっちでもいいか。

チャイムが鳴るまであと1分も無い。


「先生遅いね!」


イデアちゃんがそう言ってチャイムが鳴るその瞬間、扉が勢いよく開いて黒い塊が転がり込む。

チャイムと同時に立ち上がった黒い塊は顔を真っ赤にさせた汗だくのヨガミ先生だった。


「はぁっ…はぁ…っ…せっ…セーフ…!!」


『ヨガミ顔ヤバいよ。』


「っるっせぇっ!!

お前のせいなんだよ!!」


と小さなアポロンを睨んで息を整えた後、

咳払いをしたヨガミ先生。


「んんっ…あー…スピルカはもう少ししたら来るから、それまで俺が1人で薬学を教える!

ノート持ってるかー?」


ノート…ノートっと。

授業カバンの中からペンケースとノートを

取り出した。


「薬学はその名の通り薬などを作る授業だ!

但し、薬は毒にもなる。調合の材料が1つでも違ったり量を間違えたらどうなるか分かったもんじゃねぇ。」


色んなゲームでもよくあるけど爆発だったり、よく分からない同人誌向けの薬とか出来るんだろうな。


「もしかしたら人を殺す道具になるかもしれねぇ、自分が死ぬかもしれねぇ。

そうならないようにしっかりと聞くように。」


先生は釜の後ろの黒板に文字を書き始めた。

次は寝ない!!

そう意気込んでノートに黒板の文字を移す。


「今回はポーションを作る!

その為の材料を配るぞー。」


先生が杖を振ると少し太めの双葉が宙を舞い生徒全員の手に渡る。


「これがヒーリングリーフと呼ばれる植物の1種だ。これと魔法水を組み合わせて熱すればポーションに早変わりだ。これが1番簡単。

魔法水は普通の水にお前らの魔力を流し込むことで作られる。という訳で普通の水が入った試験管を渡す。」


先程と同じように先生が杖を振り、コルクの蓋がされている試験管が渡された。

試験管の中に透明な液体が3分の2くらい入っている。


「水に魔力注いで中にヒーリングリーフを入れて全体が浸ったら初級火属性魔法で熱すること。

いいな?」


「はーい」と返事をして全員が取りかかる。


えーと、コルクの蓋を取って…

杖に魔力を込めて水を魔法水に変えてっと。

杖の先から光が出て水に反射する。

反射してるけどこれで良いのかな?

うん、まぁ良いとして、それから中に葉っぱを入れて、全体を浸すためにちょっと振っちゃお。

よし、魔法水の中に葉っぱが沈んだから

初級の火属性魔法で熱するっと。

杖の先を試験管の底に近付けて詠唱!

なるべく小さく、なるべく弱く…


「【ファイア】!」


何となく小声で言うと杖の先にマッチくらいの火が灯る。よっしゃ!成功!


「草が溶けて無くなり綺麗な黄緑色になれば完成だ。」


黄緑、了解です!

ヨガミ先生から試験管に視線を戻すと


既に試験管の中に葉っぱは無く、液体が黄緑ではなく黄色…いや、金色だった。


「えっ何これ??」


「わー!黄緑になった!

見て、エクスく……ぉ?」


メルトちゃんが僕の持つ試験管の中身を見た。

他の皆も次々と黄緑色の液体に変化させているようだ。


「あっあたしも出来た!」


「オレも出来ました!」


「僕もさっ!」


「俺も!エクスは…」


ヨシュアが僕の試験管を見て固まった。


「ど、どうしたのそれ…?」


「いや、分かんない…

指示通り普通にやったはずなんだけど…?」


「どしたエクス。」


「あ、ヨガミ先生。」


ヨガミ先生も僕の試験管を覗き込んだ。

するとギョッと顔を引き攣らせた。


「お、おま…お前…それ…!

エリクサーじゃねぇか!!」


エリクサーって…HPMPが全回復するボス戦に超役立つアイテムじゃん!!僕は勿体なさすぎてボス戦でもあまり使わなかったんだよね。


…え?それが出来たの?


「な、何で…エリクサーに必要な材料は貴重なオリハルコンの欠片とか必要なんだぞ!?

お前には草と真水の試験管しか渡してねぇぞ!」


「僕だって先生に言われたことしかやってないですよ!」


『あ、ねぇねぇこれってさ多分だけど彼、

父上のマスターだから作った魔法水の濃度が桁違いなんじゃないかな。

ちょっと父上呼んでよ!』


アポロンに頬をぺちぺちと叩かれ、

僕は魔導書を開く。


「う、うん。ゼウス来て!【summon(サモン)!】」


光輝き出てきたのはアポロンくらいのサイズに縮んだゼウスだった。え、小さっ。


「な、何でそんな小さいの?」


『マスターの負担を減らすためだ。

私の召喚は普通の魔力量の者だとその魔力が一瞬で空になるほどなのだ。

能力を使う必要が無いのなら小さい方が良いと思ってな。』


「(少なからずエクスは今日、普通サイズの

ゼウスを実践と化け物との対峙の2回呼び出している。それでも魔法水を作り、初級魔法を放てるところからまだ余裕に見える。

本当のバケモンは…)」


ちらりとヨガミ先生が僕を見た。

目が少し怖いような。


『してマスター、何用だ?

何でも言ってくれ!』


僕の顔の周りをクルクルと回るゼウスを手で止めてアポロンが言ってたことを聞いてみる。


「あのさ、僕が普通にポーション作ろうとしたらエリクサー出来ちゃったんだけど…

何でか分かる?」


『あぁ、それはマスターの魔力の量と濃度によるものだろう。アポロンのマスター、

“変異”と言うものを知っているか?』


ゼウスはヨガミ先生を見上げた。


「ぁ?それは…まぁ…。」

火山や雪山など、本来その地域に居るはずの無い魔物や植物が急にその環境へ適応出来る体になったりする事だろ?」


ヨガミ先生は僕達に分かりやすくする為なのか例を挙げてくれる。


「魔物のゼリーが分かりやすいな。

平地に居るのはゼリー、

火山に居るのはファイアゼリー、

雪山に居るのがアイスゼリーと言った感じで。」


『左様。それに関わっているのは魔力だ。』


ゼウス曰く、

環境適応能力を得た、若しくは発揮出来たのはその環境独特の濃い魔力が空気や地面を通して魔物…ゼリーの中に入り込み、そいつらの魔力や細胞に影響を及ぼし変化させたからだとか。

これは火山や雪山などの過酷な環境から生まれるような特別な濃い魔力でないと起こらない。

僕の魔力はそれと同じだと。

僕の濃い魔力の水に草が染み渡り、草の細胞が変化した結果、ポーションよりも強力なエリクサーが出来上がったのだ。』


「えーっと…つまり、僕の魔力が環境レベルで濃くて、その濃い魔力で作った魔法水によって草の細胞が変化しちゃってエリクサーになったってこと?」


『うむ、そんなところだ!

魔力の濃さはどうしようもない!』


「え、じゃあ僕は普通のポーションを作れないの?」


『?同じ材料でもエリクサーの方が上位なのに作る必要あるのか?』


「それは…」


ゼウスの言うことはご最も。

だけど此処はあくまで学校。

課題だってある。

いくらポーションの上位互換だとしても、

目的の物じゃないのなら作れないのと一緒だ。

落ちこぼれと言われても仕方ないくらいの成績になってしまうのは避けられないだろう。


ヨガミ先生も眉間に皺を寄せた。


「エクスは確かにすげぇ。けど、課題をクリア出来なければ出来ないのと一緒だ。

いくら上位互換だろうがお前だけ特別なんて出来ない。足並みは揃えてもらう。」


やっぱり…。


『はー?何と不便な!』


「ぜ、ゼウス!」


先生に向かってダメだよ!


『ふん…分かった。ではこの際だから言うがマスター、率直に言おう。

マスターは魔力調整が下手すぎる!

その証拠に錬金術で杖に扮した石が壊れたろう?』


「え」


何の際?そして何で知ってるの?


『アレはマスターがもう少し魔力量を調整すれば完璧なものを作れたはずだ。

魔力調整が下手くそで石に魔力を注ぎ込みすぎて耐えきれなかった為、壊れたのだ。』


へ、下手くそ…。


『水晶玉を壊したのも然り。箒も然り。

いや、アテナのマスターとちんたら飛行したあの時は上手くできていたな。

それまでは吹っ飛んでいたが。』


一言も二言多いな!!あれ?でも…


「ちゃんと調整すれば良いってこと?」


『うむ!』


や、やっと僕自身が強そうだという証明が

出来た気がする…っ!!そして実感出来た気がする!!いや、嘘です!魔力量とか濃度とか全く分からないから実感は無い!でもやっぱり普通じゃないんだ!!僕、凄いんだ!!


『ついでに下位であるポーションの1つや2つ作れるだろう!』


「やったーー!!!」


『目指せ普通だ!!』


「おーー!!」


この時、僕は浮かれてて。

それがどれだけ大変なことか考えもしなかった。



「(なぁエクス、それだと生徒の中でお前だけ逆行することになってんぞ…。それに、スピルカの奴…遅ぇな。

何かあったのか?)」

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