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第185話『王様の狗』

神様は本当に居る派なのですがこの作品で神様にシメられる可能性大だなぁとしみじみ思ってます。

神話って調べると面白いので是非お時間あったら見てみて下さい。そのついでにこの作品を見てくださった時「あ、これ」と思い出していただけたら嬉しいです。

前回のあらすじ


家出したレンを拾いました。

…以上。



「う、んぅ…」


なぁんかいい匂いがする…。

あれ、今何時…?


「あいおーん…今何時…?」


『はい、現在AM8時です。』


起きるか…。

のそりと身体を起こす。


『エクス様、メール画面が開いたままです。』


「あれ?開いたっけ。」


『覚えていらっしゃらないのですか?

ヨシュア=アイスレイン様からですよ。』


呆れたようなアイオーンがズボンの後ろポッケから手紙を取り出し見せてくれた。


ほんとだヨシュアから…。

やっぱり監視者が居たんだ。名前はカイル=ルージュ…?何処かで聞いた名前だ。

ルージュって事はヒメリア先生とシュヴァルツさんの血縁者かな。…あれ?そういえば悪魔討伐の時の記憶で聞いたような気がする。

確かシュヴァルツさんのお義父さん!!

つまりヴァルハラ関係者!!

でもヨシュアのメールだとヴァルハラじゃないって書いてある。

でもシュヴァルツさんの関係者ならヨシュアを酷い目に遭わせるかもしれない。

でもヒメリア先生のお父さんでもあるから護ってくれるかもしれない。

どちらにせよ心配なのには変わりない。

気は進まないけれどレンに相談してもいいかな。


「あれ…?」


レンがいない。元々何も無かったかのようにマットレスも無い。


階段を降りるとご飯のいい匂いが強くなった。


「あ、おはようエクス君。」


「おは…え。」


レンがキッチンに立っている。

お母さんは椅子に座ってそわそわしている。


「レン君がね、ご飯作らせて欲しいって。」


嘘…レンはお貴族様なのに料理出来るの?!


「もうお母さん助かっちゃうけど怪我しないか心配だわ。」


「大丈夫ですよ〜。

血は出ても料理に入れませんから!」


「それ手遅れでしょ…。」


「終わったから大丈夫!怪我してませーん。」


僕を言葉で座らせたレンが運んできたのはすごく手の込んだ料理だった。この…何だこのオシャレな卵料理…。


「エッグベネディクトだよ。

昔こっそりとシェフに教えてもらったんだ。」


「シェフ?」


お母さんが聞き直した事によって失言に気付いたレンは瞬時に笑顔を取り繕った。


「外食した時に初めて食べて感動しまして!

無理言って教えてもらったんです!」


普通そういうの教えてくれないでしょ…。

ゲーム時代に比べて嘘下手か。


「そうなのね〜!」


誤魔化せちゃった。


僕は次にトーストに乗ったサイコロ状の緑とピンクの物体を見つめる。


「アボカドとベーコンがあって良かった。

割と好きなんだ、これ。」


そして最後に細切れキャベツのマヨネーズ和え。綺麗に言うとコールスローだ。

もはやカフェの朝食だ。


「家にある食材でこんなにオシャレなご飯が出来るなんて!お母さん感激だわ〜!おまけに美味しい!」


満面の笑みで頬張るお母さん。

ホントに嬉しそう。


「お口に合って良かったです。

お父様にも召し上がって頂きたかったのですが。」


「お父さん、いつも朝早いからねぇ。

食べたかったーって地団駄するわ、多分。」


あぁ、しそう…。

でもお父さんって仕事何してるんだろ。


「あの、差し支えなければお仕事は何をなされているか伺っても?」


ナイスレン!僕も聞きたかった!


「お父さんは城下町で人助けしてるのよ。」


「城下町で人助け…素敵ですね。」


最初の言葉の時、レンは一瞬考えていた。

城下町でお父さんに会ったことがあるか思い出していたのかもしれない。

それにしても城下町で人助けか。


「ただ城下町までちょっと遠いからいつも早く行くの。」


「成程。出発なさるお時間を確認しておくべきでしたね。」


「気持ちだけで十分よ。」


お父さんが城下町で勤めているのならアビス達魔女の(ヴァルプギス・)(ナハト)の事を少なからず聞いているだろうしヴァルハラの事だって知っているだろう。ただの民間企業の人助け集団なのか、或いはヴァルハラの…確認した方が良いな。


「ねぇお母さん、お父さんって何処所属だっけ。」


「え?確か…」



1日前。

ヨシュアは一足先に学校を出て城下町へと赴いていた。箒に乗って移動中、何故かカラスが数羽周りに集まってくる事が不快で高度を下げ、城下町まで残り僅かな距離を歩くことにした。


「うっざ…何で群がってくるかな。

殺しても良かったか…。」


呟いた時、エクスやプロメテウス、皆の悲しむ顔が浮かび考えを改めた。


「無闇な殺生はなるべくしない。

学校に帰らないといけないんだから。」


自分への誓いを立て、高い城壁に囲まれた街と平地の繋ぎ目である石橋を渡る。


(ここでの足音、結構好きなんだよな。)


多くの人間だけでなく、馬車も通る橋に耳を澄ませながら歩く。

門を潜ると人の往来が益々増え、ヨシュアは店側に寄り避けやすい道を選んだ。

ふとショーウィンドウに映る自分が見え、足を止めた。


(ひっどい顔…。笑顔の1つや2つくらい浮かべておかないと心配かけちゃう。)


じっと見ていると窓の奥のマネキンが目に入った。自分を見ていた為、1番目に入る物が入っていなかったと気付き改めて見やる。

フリルを付けられるところに全て付け、リボンを沢山あしらったピンクロリータのワンピース。白いソックスにもフリルとピンクのリボンが付いており、厚底ブーツもピンクでリボンの編上げが施されていた。


(メルトやイデアはこういうの着なさそうだな。着れば似合うとは思うけど。

でも1番似合うのはシャルかも。)


頬を膨らませたシャーロットを想像して自然と笑みがこぼれた。

マネキンの隣にはピンク系のアイシャドウとリップが飾ってありRoyal Sugarと書いてある札を目にする。


(Royal Sugar…何処かで聞いた…)


記憶を遡ると円卓会議前にスカーレットが口にしていたコスメブランドの名前だと理解し、何故かしらコルセットで締め上げられたのを思い出してしまい腹を擦る。


(思い出したら痛くなってきた。

退散退散。)


「あら!彼女さんにプレゼントですかぁ?」


踵を返した瞬間に店から出てきた女性店員に声をかけられ肩を震わせた。


「いや、そんなんじゃ…」


「プレゼントに迷っているのならこのアイシャドウかリップを贈れば間違い無しですよ!」


「へ、へぇ…。でも俺、今帰ろうかと…」


「真剣なお顔した後に優しく微笑んでらしたからてっきりプレゼント後に喜んでもらった想像でもしてるのかと思ったんですが!」


(俺、笑ってた!?やばい人じゃん…。)


思わず手で口を隠したヨシュア。

女性店員は話し続ける。


「大切な人へ、ご友人へ、お世話になっている人へのプレゼントも多いのですよ。」


「大切な人…」


ヨシュアの脳裏には笑っているエクスやメルト達が1番に浮かんだ。

皆が楽しそうに買い物している姿を想像するとまた笑みがこぼれたが、今回は自覚していた。


「サプライズにいかがですか?」


「俺、そういうのは一緒に選びたい派なので。

今度はゆっくり来ます、大切な人達と皆で。」


ニッコリと微笑み、その場を後にしたが店員は静かに頷き、頭を下げ、店に戻るのだった。



(さっきからずっと複数人の誰かに見られてる。

ヴァルハラと繋がっている組織ぐるみで俺の監視ってとこかな。)


波とも言える人の多さの中でもずっと刺さるものがヨシュアを追ってくる。


(下手に気付いた動作を見せれば警戒されるし拘束もされかねない。我慢するか。)


しかしずっと見られているのも良いものでは無いので足早に孤児院を目指すのだった。



「着いちゃった。」


見上げる建物は入学前と何も変わらない。

普通の少し大きな家。

少し緊張していたヨシュアはその場で深呼吸をする。


「…行こう。」


中へ赴いた瞬間、


「あっ!!」


小さな男の子が玄関前で待っており、ヨシュアを見た途端立ち上がった。


「ヨシュアにーちゃんっ!!」


「ラオ!?吃驚した!」


ラオはヨシュアに抱きつき嬉しそうに話す。


「兄ちゃんが帰ってくるって聞いたから早起きして待ってたの!」


「そうなの?ありがとうね。」


ラオの頭を撫でると彼は離れ、皆に伝えてくると言ってその場を後にした。


「ちょっと背が高くなってたな。」


撫でた手の位置は高くなっていた。

嬉しいような、少し寂しいような思いをしまい、広間へ向かった。


「た、ただいま…?」


ヨシュアが扉を開けた瞬間、沢山の子供たちに囲まれた。


「ヨシュア兄ちゃんおかえり〜!」

「兄ちゃん遊ぼ!」


など笑顔でヨシュアを迎え入れた。


「待って待って、順番ね。」


「私も遊びたーい。」


異様な声にヨシュアは目線をすぐに動かす。

子供に紛れ気配がしなかった大人の声。

それも聞き覚えのない声に警戒心を強く持った。


「誰だ。」


「怖っ!警戒心ってよりも殺意が凄い!」


子供達を守るように前に出て構えるヨシュアへ1人の男が


四つん這いで子供を背に乗せ現れた。


「…」


「やぁ、氷のような冷ややかな視線だね。

私はカイル、カイル=ルージュ。

今は子供達のお馬さんさ。」


カイルと名乗った男は高級品であろう黒いスーツを身にまとっていた。

子供達が乗っていても嫌な顔1つしない男にヨシュアは警戒心を少し弱めた。

彼と話す為、背中に乗っている少女に声をかける。


「レア、その人から降りなさい。」


「え〜?はぁい。」


言う事を素直に聞いた少女の頭を撫でてから、背伸びをして胡座をかいた男を見下してみるが男は笑みを浮かべるだけ。


「別に良いのに。」


「ヴァルハラの差し金?」


ヴァルハラと聞き、男はニッコリと微笑んだ。


「いや、違う。

いつもは王様の狗なんだけど今回は違うよ。」


(王様の狗…!?何者なんだコイツ!)


警戒しているヨシュアをよそに彼の胡座の間にすっぽりと入りはしゃぐ子供達。

背中にも子供が乗りかかっている。


「今日はゼウリス魔法学校からの依頼さ。

君を護って欲しいとね。」


「は?ゼウリス?」


「うん、王様の狗はちょっと休暇もらったの。」


何故休暇を取ってまで此処へ来たのか。

思考を巡らそうとするがラオが足に抱きついて鈍る。


「兄ちゃん、この人ワンちゃんなの〜?」


「…そうみたいだ。」


「絶対意味合い違う〜!

人間だからね私!」


「変なの〜。」


このままでは話が進まない、そう確信したヨシュアは別室へ繋がる扉を開けた。


「場所を変えたい。こちらへ。」


「はぁい。

じゃあ皆、ヨシュアお兄ちゃん借りるね。」


「えー!」


扉を締めるまでブーイングは消えなかった。

仄暗い廊下を電気を付けずに歩く。


「人気者だね、お兄ちゃん。」


「…どーも。」


「王様の狗って聞いてから警戒心も殺気も戻っちゃったね。」


「部屋に入っても貴方に気付かなかった。

子供達と遊んでいたのに気配を消していたから。」


「驚かせたかったんだ。」


次の部屋へ続くドアノブを握って足を止めるヨシュア。


「えぇ、驚きました。

どっち側の人間か分からなかったから。」


振り向かずに言い、ドアを開けた。


(それでも味方とは思われてないなぁ。)


ドア向こうの部屋はヨシュアの自室だった。

勉強机とベッド、クローゼットが置いてあるだけの小さな部屋の床にベッド上に置かれた丸型のクッションを置いてカイルを座らせた。


「それと確認したいのですが。」


「ん?」


「貴方、1人ですか?」


向かいに座ったヨシュアの瞳がギロリと動く。

確実な殺気を帯びた深海色の瞳に寒気を覚えた身体は少し震えた。


「そうだよ、何せ休暇中だし。」


「城下町から俺を見張っていたのも貴方1人だったと。」


「(見張りがバレてる…。)神に誓おう。」


カイルの言葉を信じるとなると疑問が浮かぶ。


(城下町では複数の視線をずっと感じていたのに…1つはコイツ。ならあと少しは誰だ?)


「私も質問いーい?」


「…応えられるものなら。」


王の狗ならば最高機関ヴァルハラとの繋がりは確固たるもの。

どのような質問が飛んでくるか予想がつかず白い肌に汗が滲む。

そんな彼にカイルは笑顔で聞く。


「学校、楽しい?」


「…」


「あれ?楽しくない?」


思わぬ在り来りな質問に拍子抜けしたヨシュアは目を見開いて数秒固まった後、我に返り首を横に振った。


「楽しいです。」


「それは良かった。

学生の本分は勉強と青春だよ〜?」


カイルはそれ以上聞いてこなかった。


(探りを入れる目なのに俺の身体の事を全く聞いてこない。ゼウリスからの依頼と言っていたが何が目的だ?)


ヨシュアが黙り込んでしまったのでカイルが話すことにした。


「スピちゃん達から君の事は聞いている。

そしてヴァルハラからも。」


「!」


「監視が必要な事もね。私の依頼は護ること、つまり君の近くに居なければならないんだ。」


(依頼内容を誤魔化しても結局は監視になる訳だ。)


「王様の狗としてならユリウス君みたく聞きまくるけど今は悪い子に見えないからね。」


今は、の言葉で教師よりもヴァルハラの言葉を信用していることをヨシュアが理解した。


(普段の俺を探るのと、観察されていつか此処の子供達を利用されるかもしれない。此処から離れよう。)


「ねぇ、俺を護ってくれるんですよね。」


「え?うん、そういう依頼だからね。」


「じゃあ挨拶して此処を出ます。

一緒に来てください。」


「もう出るの?ゆっくりしよ〜よ〜。」


「貴方を信用してはいない。

護る振りをしてチビ達の前で殺されたら適わない。」


「そんなことしないよー。」


「どうだか。王様の狗を名乗れるならそれ相応のスキルは全て身につけているはずだ。」


ヨシュアは再び廊下への扉を開けた。


「私はそんな超人じゃないよ〜。」


彼は否定するがヨシュアは確信していた。

子供に好かれる人柄、雰囲気を持っているのに付け入る隙が全くない所作。

立ち振る舞いだけでも無駄が無い男。


(油断を誘う為なのかわざと無害を装っている。しかも子供達を騙せるほど完璧に。)


カイルが堂々と此処に居るという事は誰かが許可を出したという事。

ヨシュアは既にその人物の元へ向かっていた。


「先生。」


向かったのは職員の部屋。

1つしかない席に座る女性へ声をかけた。

女性は広げて持った新聞から目を離さず口を開く。


「ヨシュア、おかえり。」


「ただいま。」


「元気そうで良かったよ。

お前の用事はそちらの男前さんの事だろ?」


男前…疑うような瞳で隣に立つカイルを見上げた。


「これでもまだ30代って言っても大丈夫な顔してると自分でも思うんだけど。」


「…違うの?」


「違う違う。

あんま言いたかないけど40代前半よ。」


(30くらいだと思ってた…。)


若く見えていたカイルに驚いているヨシュアを揶揄うように笑みを浮かべる女性は新聞を閉じて頬杖をついた。


「お前がそんな顔するようになったとは。

学校も捨てたもんじゃないだろう?」


「…まぁ。でも先生がこの人を許可するとは思わなかった。」


「お前には言うが圧力掛けられたもんでな。

流石は王様のお狗さまってとこかな。」


圧力、その言葉でヨシュアは殺意を改めて持ちカイルを睨みつけた。


「アッ言い方酷い!

なるべく穏便に、平和的に望んだよ!」


「ヨシュアには悪いがこの施設を維持していく為に必要な物を積んでもらったからってのもある。」


「そっち先に言ってくれます!?」


ヨシュアは少し口角を上げた。


「…ならしょうがないね。」


「お前を売ったようなもんだ。

悪かった。」


「いや、施設の役に立ったのなら別に。

じゃあ俺は出るね。寝る時に帰ってくるから。」


「おう、いってら。」


カイルは部屋を出たヨシュアへ他に何か言わないのかという視線を向けたが、女性の目は新聞に向かっていた為ヨシュアを追うことにした。


「本当にすまない、ヨシュア。」



孤児院を出て城下町を歩くヨシュアの隣で疑問をぶつけるカイル。


「怒ってないの?」


「怒る?何で?」


「彼女は君を売ったと言っても過言じゃなかったんだよ。」


「俺は先生に恩があるから売られたって構わない。逆に売り物になって施設を助けられるなら喜んで売られるさ。」


お前のせいだろうと言わんばかりの視線を向けつつ、笑顔を浮かべていた。


「ふーん。名誉の為に伝えておくけど彼女は最後まで抗ってたからね。」


カイルの気遣いにヨシュアは分かっていたように目を伏せた。


「だと思った。

でも先生って本当にお金無い時は無いって言うし、大金は大金って言う。」


「うん、正直な人そうだったね。」


「だから俺の見張りの為に先生にとって施設を維持していく為に必要な物を積んでくれた貴方には感謝すらしている。」


思わぬ回答に瞬きを増やしてしまうカイル。


「君はもう少し自分を大切にした方が良いよ。」


「王様の目でもあるお狗様に見張られている俺を大切にする理由が無い。」


(ダメだ…この子何言っても私に敵意向けてくるよぉ…。ただ1つ言っておいた方が良いな。)


周りの視線を気にして少し屈んでヨシュアに耳打ちする。


「ヨシュア君、私は王様の狗だけど狗は私だけではない。ちゃんと名前があってさ。」


「ヴァルハラ的な?」


「そう。私達は“ビルレスト”と言う。」


「ふーん…王様の狗って言われたくないって事ね。」


エクスに伝えておこうと心にとめる。


【ねぇ、ねぇ。】


「!」


心にとめた途端聞こえる内の声。

急に自我を出してきたそれをカイルに悟らせないよう平然としながら耳を傾ける。


【あっち、あっち行きたい。】


(あっちってどっちだよ。)


【わかるでしょ、分かってよ。】


(あー…)


ちらりと2時の方向を見やる。

感覚がその方向へ行きたいと訴える。


「うん?どうしたの?」


ヨシュアはカイルに答えず1人走り出した。


「あっ!?ちょっと待って!待ちなさーい!」



「確かお父さんは“ビルレスト”って言ってたわ。」


ビルレスト…。ダメだ聞いたことがない。

ヨシュアにとって良い人達だと良いけど…お父さんなら大丈夫だよね。

ヨシュアと関わる事が無いと良いな。

ただ調べた方が良いかもしれないし後でアイオーンに聞いておこうかな。

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