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第135話『手記名:ピカレスク』

本来の主人公不在で新たな登場人物に加え、

またまた新しい人の名前が出ます…!


新たな登場人物は地雷系女子の見た目を想像して下さいね!


…何故この時間で投稿したか…それは…

夜中に上げるつもりが寝落ちしたからです!!

とある屋内、明かりが無く薄暗い広間にて陽気な笑い声が響き渡る。


「おかえりィ…ってあっはは!!

やっぱボロボロじゃんかァ♪」


「期待通りですみませんねェ…」


片方しか見えないラベンダー色の瞳を細める男は椅子から立ち上がり、項垂れた男を背負う黒い男に近付いた。


「ラヴァ〜?」


「はーい!お呼びですか?」


光の届かない薄闇から、腹部に包帯が巻かれた

ボロボロな鮫のぬいぐるみを持った黒髪ツインテールのゴスロリ調の女性が歩いてくる。


「ノイズ達を回復してやってェ〜?」


「分かりました!ノイズ君はエンデュ君置いて!

貴方から回復させるから。」


「ありがとウ、ラヴァちゃン。」


「ううん、だって仲間でしょ。」


当然のように言うラヴァにノイズは少し目を大きくしたものの、微笑んで頷いた。


「…そうですね。」


ラヴァを呼んだ男はエンデュの様子を伺う。


「エンデュの方はァっと…

うん、破損箇所は無いね。五体満足だ。」


「俺が身を呈して護りましたからネ。」


そう言うノイズに視線を移す。


「どうだった?エクスきゅんとゼウスは。」


「一言で纏めると俺らよりも化け物でした。

魔力の底が無い。」


「んふふ…素が出てるねぇ。

どうやらエクス君1人だけ急加速で成長してるっぽいねぇ。」


「出来れば相手にしたくないですねェ。」


「そ、だから僕達が相手をしないように仕込んでいる最中じゃん?」


「あー…器ですカ。ライアーのお供のカラスが会ったと言ってましたねェ。」


「あれ?そういやライアーは?」


()()()()()()()()()。」


「あ、そうなんだ。

花嫁花嫁言ってたのにねぇ?」


「連れて来れなくて拗ねてるみたいでしてネ。」


「はははっ成程ね。

結婚式場も飾り付け出来てないしねぇ。」


するとノイズは少し目を伏せてから、男に再度視線を向けた。


「アビス。」


「ん?」


「エクス=アーシェとゼウスは化け物です。

でも…まだ魔法を使いきれていないところを見るに、今のうちに叩けば殺せます。」


「うーん…勿論、僕達の世界に彼等は要らない。

そうなんだけどさァ。」


歯切れの悪いアビスにムッとするノイズ。


「何でス?」


「あんな魔力の底知れない化け物を簡単に殺しちゃ

勿体なくない?」


「生かす方が良くないかト。」


「言えてる〜。」


「…ですが確かにあの子の魔力量、威力があれば城の結界を1人で壊せてしまうでしょうネ。」


「今のエクス君ならそれでもう魔力は無くなるだろうねぇ。」


「「でもゼウスは違う。」」


声が合わさった2人は溜息を吐く。


「はぁあ…彼等の光属性攻撃は悪魔憑きの俺らにも

傷を付けることが可能でしタ。」


「ま、ぶっちゃけ光は闇の弱点だしねぇ。

雷属性と光属性のハイブリッド…

神様に愛されているよねぇ。」


「でも言われた通り俺は魔法もライアー自身も出しませんでしたヨ。」


「うんうん偉い偉い。

堕天(アンヘル)の効果を試さないとだったからねぇ!」


「今更ですけどこの薬の名前は何で堕天(アンヘル)なんでス?」


「エクス君とゼウス様が言ってたからァ。

気に入ったの〜!」


「ふーん…悪趣味だこト。」


「ノイズ君終わったよ!今度エンデュ君ね!」


ラヴァは話を遮り動かないエンデュの治療を始めた。


「エンデュは動く死体なんですけどねェ。」


「つまり生きてるって事でしょう?」


「うぅーン?

そういう事になるんですか…ネ?」


ノイズはちらりとアビスを見やるが、彼は微笑んで


「僕見ても答えなんてなーいよぉ♪」


と言うだけ。

ノイズは呆れ顔でエンデュへ視線を戻す。


「ですよネー分かってましたヨ。

兎に角回復させてあげられれば問題有りませんのでネ。」


「頑張る!」


「頼みますよ。

で?ネームレスはどうなってまス?」


「ラヴァの鎮痛剤のお陰でやっと寝れたって感じ。」


「顔面ズタボロでしたもんネ。」


「そうなんだァ。」


アビスの適当な返事にノイズは呆れる。


「ってそうでしタ。

貴方ネームレスの顔が()()()()んでしたネ。」


「そ!産まれた時から顔が無い突然変異。

不便な身体だよねぇ〜ネームレスって。」


「えぇ、これまで本当に大変だったでしょうに。」


自分のことではないのに怒りを覚えているノイズを

ちらりと見たアビスは、自分の膝に肘を置き、頬杖を付いた。


「自分の顔が無いなんて想像できないもんねぇ。」


「鏡にも写真にも映れない、自分の存在証明が何一つ出来ない…そんなのあんまりです。俺は彼が居ることを証明したい。」


「ふふ、皆同じ気持ちだよぉ。

この腐った世界を壊して新たな世界になれば僕らは

幸せになれる。だから頑張ろ?」


「えぇ、俺はその為なら何だってする。

例え自分が死ぬことがあっても。」


「心強いなァ。

でも僕はノイズにも新世界に居て欲しいよ。」


「貴方お得意の嘘では無いことを信じましょうかネ。」


「えー!?嘘じゃないよォ!」


「どーだカ。」


「もうっ!ラヴァが頑張ってるのに呑気にお話

しないでよぉ〜!!」


「ラヴァが優秀だからやる事ないもん。

ね、ノイズ?」


「えぇ、そうですねアビス。」


「そ、そう??えっへへ…

あと少し頑張っちゃうぞー!」



世界崩壊を企む彼らは笑い合う。

仲間同士で笑い合う。

この場では彼らが正義であり、物語の主人公達であり、目的を邪魔する者(本来の主役)悪役(ヴィラン)である。


しかし彼らは己の物語にも関わらず相手側の考えに

倣い、自らを悪役(ヴィラン)と言う。

それは大切なモノが欠けた心の何処かで


“やってはならない事”


だと思う事があるからだろうか。



「ねぇねぇ、あのさぁ!

召喚士育成機関って他にもあるんだよねぇ?」


「は?アビス、貴方知らないのですカ?」


「確認だよォ!閃いたの!

ヴァルハラやエクス君とかさ、ヨシュア君達を

直接狙わずにゆっくりじんわりと追い詰めようと

思ってさァ!」


「ほウ?具体的には何ヲ?」


「まずホムンクルスちゃん達創ってぇ、

ある男をボコボコにするの!」


「ある男とハ?」


「ポセイドンの召喚士、

あのニフラム=ギアミニットに並ぶ男


ジル=ギルベート!」


「ジル=ギルベート…ですカ。

しかしその言い方だとさぞお強い方なのでしょウ?

ホムンクルスちゃん達だけじゃ多勢に無勢でハ?」


「うん、だから生徒達とか少数の人間をホムンクルスに変えちゃおうかなって。」


「周りから脅威となり得るものを崩す作戦ですネ。

でもたかが1人の為にそこまでしまス?

魔獣の臓器とかで薬作るの結構苦労しますヨ?」


「たかが1人、されど1人。

ジルは成長したエクス君な感じぃ。」


「つまり面倒と言うことですネ。」


「そう。

多分1人で学校守りきるだろうからねぇ。」


「ひ、1人??」


「それくらいなの。だから生徒を使って動揺させて叩いてみる。」


「…待ってください。

調べておかないとやはり無謀ですよ。」


「えぇ〜?めんどぉ!」


「はいはい、

また俺とライアーで行ってきますかラ…。」


「ありがとー♡」


「最初からそのつもりでしたネ。」


「えぇー?

何の事かなぁ?よろしくね、ノイズ!

もし何かあればパパッと殺しちゃってね!」


ただ1人を除いては。

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