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巣窟の女神  作者: 氷室冬彦
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7 風に潜み水に思慮

フェルノヴァの森の中はいつもの見知ったラウの森より数倍は重々しい雰囲気だった。木々は厚く重なり合って陽の光を遮断し、生い茂った植物たちは小路のわきから侵入者を監視するようにその背を伸ばしている。既に日が傾きはじめていることもあってか、あたりは薄暗い。現状における唯一の手がかりである探偵の手帳はロアのうしろから流し見た程度だが、手帳の字はあらかじめ他人が読むことを想定している場合に使う字体だった――そうでない場合はかなりの教養がないと解読がむずかしいほどの達筆だ――ので要点は押さえられた。彼の文字は非常に整っていて、書かれた内容も重要な事柄はそれとわかるように記し、的確かつ簡潔にまとめられているので、軽く見ただけでも大事なことは自然と頭に入ってくる。


ジオ・ベルヴラッドは実のところ、探偵という男に対して他の者が想定しているよりも好感を抱いていた。文句を言いながらでも仕事はきっちりとこなし、満足のいく成果をあげてくる。優秀なのは言うまでもないが、悪運が強いと言うべきか、ギルドにやってくる前からその後も彼には何度も危険な状況に追い込まれる機会があったはずなのだが、なんだかんだとしぶとく生き残っているところからも並々ならぬ根性を感じるのもいい。達観したように見えて誰より死を恐れているから生き汚い。実に人間らしくて好印象だ。


ああいう頭脳だけが取り柄だとでも言うような人間で、頭がよくても精神面が脆かったりする例はこの五百年で何人も見てきたが、彼は非常に強固な精神を持っている。それゆえの危うさというものもあるのだが、目下のところ心配なのはフィジカル面においては普通の人間とそう変わらないところだろうか。能力者ではない分、物理的に脆いというのが彼の弱点だ。どこまでも冴えわたる頭脳や強い精神力を持っていても、肉体が脆いとそれだけで死が身近になる。ゆえにこそ誰かが守るべきなのだ。


今までは助手の寿や手伝い人の秋人をはじめ、そのとき共に行動するギルド員や、ギルド以外でも他国に居を構えるフランリーとかいうらしい友人などがその役目を担っていたようだ。彼の生存に関わる運の強さはその交友関係の広さのおかげでもあるだろう。探偵という男は相手が依頼人であっても不備があれば罵るし、誰の前であっても机の上であの長い脚を組んだりする無作法さもあるが、それでもなぜか人を惹きつける。大勢から嫌われるような態度を堂々と取りながら――あれは嫌われるためにやっているのかもしれないが――人に好かれやすく、いざというときに彼に力を貸したいと思う協力者は、本人が思っているよりも多いだろう。ジオもその一人だ。


行方知れずとなっているのは翡翠雫希とフィストティリア、そして二人を追った不知火三月。どこかに連れ去られたらしい三人のうちの、フィストか三月が探偵と合流しているのであれば護衛としては十分だ。ジオは三人の居場所を探し当ててギルドに報告する。そして必要ならば解決のための手助けをする。三人を連れ帰るだけでは事態の根本的な解決にはならないのだ。


探偵の手帳にあった、三月が森の木に残した目印はすぐに見つかった。それを辿っていくとこれも記述にあったとおり、小石を奇妙な文字のように並べられているのを発見する。その先に進んでいくと、これまでは等間隔に用意されていた目印が消える。しばらく周辺を探してみたが見つからないので、ここが三月と探偵の足跡が途絶えた地点であることがわかった。なるほど草木をかき分けてよく見ると、地面に鋭利なものが刺さっていた痕跡も見つかった。彼らはこのあたりでなにかに遭遇したのだ。しばらく待ってみるが、別段なにかが起きる気配はない。


いっそこの森ごとひっくり返して――いや。事態の本質が見えてくるまでは権能ちから任せの行動は慎むべきだ。思考を落ち着かせ深呼吸する。遥か昔に例の守護神の宝珠とかいう媒体を通して風神と契約したまではいいが、それ以降なぜかときどき桁外れに荒っぽい手段が頭に浮かぶようになってしまった。ジオの本来の性格を考えるとそんな方法が真っ先に浮かんでくるはずがない。守護神との契約による人格への影響はそれほど大きくなかったが、正真正銘ただの人間だったころよりも性格がいくらか苛烈になった自覚があった。森全体を地面ごと持ちあげて文字通りひっくり返すなど、たしかに守護神の力を持ってすれば不可能ではないはずだが、あまりに短絡的すぎる。それにそんなことをすればスーリガとフェルノヴァが黙っていないだろう。しかしあとで綺麗に元通りにすれば――いやダメだ。この森に現存する生命への配慮がまるでないのは守護神としていかがなものか。それにそのような現象を、なにも知らない人間が見たらどう思う。むやみに恐怖をまき散らすのはジオの望むところではない。


なにも起きない以上じっとしていても仕方がないので、もう少し奥のほうへ進むことにした。別段迷う素振りもなく藪をかき分けて木立に分け入り進むと獣道に出て、そこからさらに森の奥まったほうへ歩いていくと背後からガサガサと草木を踏む音がして立ち止まる。うしろを見ると大きな影が目に入り、それはジオを見ると獣のようにいなないた。


四足歩行の獣のようだがその全身に肉はなく、骨だけで構成されたスケルトン系のカルセットだ。高さだけでも三メートルはありそうな巨体で、体長はおそらく七メートルかそこらだろう。もっと大きいかもしれない。真っ暗な眼孔の奥に灯る赤い光がジオの姿を見据え、低くうなりながら前足で二回ほど土を散らす。骨しかない体の肋骨の中には人影がみっつ。男が一人に女が二人だ。気を失っているのか骨の檻の中でぐったりと倒れ伏している。また、肋骨の隙間や大きな牙が覗く口の隙間からは煙のようなものがもれ出して、そういえば先ほどから周辺の景色が薄らと霧がかったように白い。


毒性のあるガスかなにかか――とジオが察したと同時に、獣型の骨が地を蹴ってその巨体で突進を試みる。俊敏だが真正面からの大ぶりな攻撃に対処できないジオではなく、骨のカルセットは目標たるジオが立っていたすぐうしろの木をへし折ったが、そのころジオは既にその背後に着地していた。回避の方法が空間転移か高速移動だったのかは気にすることでない。獣は俊敏に向きを変える。


「そのなりで人語は話さないか。それとも、捻り上げればなにか吐くか……」


ジオが骨のカルセットに手のひらを向けてぎゅっと指を閉じ拳をつくると、骨のカルセットは金縛りにあったように固まった。そのままジオが拳をひねると同じようにカルセットの体は宙に浮かびながらねじれていき、めきめきと全身の関節が軋みをあげる。苦しそうにわめく獣の鳴き声に的外れだったとでも言いたそうな失望した顔を見せ、ジオは胸の前でぽんと両手を軽く合わせた。


瞬間、空中に浮いた獣の骨が破裂を思わせる勢いで分解され地面に降りそそぐ。骨は消えずに地面に落ちたまま残り、肋骨の中に閉じ込められていた三人の体は地面に落ちる前に宙で止まった。ジオが歩み寄って男の頬を叩いてみるが目を覚ます気配はない。外傷はなく呼吸や脈拍も落ち着いており、顔色が悪いわけでもない。三人とも命に別状はないらしい。自分自身も跳躍に合わせて浮遊し、森全体を見渡せる高度まで上昇したあと、その三人をさらに浮上させたまま森の外まで運んで地面に寝かせた。既にスーリガ部隊が森に向かってきているのが見えたので、そのまま放っておけばすぐに保護される。


骨しかないわりに骨のない相手だったが、あれだけ大きなスケルトンをジオは初めて見た。あとで専門家に詳しい話を聞いておくべきだろう。そう考えをまとめて、ジオは地上での探索を再開するのだった。まったくの手探り状態というわけではなく、既にひとまずの指標はある。


そのまま森の奥へ奥へと突き進んでいくと、やがてひらけた場所に出た。やや小ぶりめな湖が日差しを受けて輝く清涼な湖畔で、それは先ほど上空に浮上した際に視認できた場所だ。森の中程か少し北側に位置する湖で、おそらく既にフェルノヴァとスーリガの国境を越えたあとだろう。ここに来るまでに出会ったのは獣型のスケルトン一匹と、捕らわれていた人間三人。探偵はおろか善丸の姿もなく、このままなんの収穫もなく帰るわけにはいかない。そうであっては主君たるロアに顔向けができないというもの。森を丸ごとすくい上げてひっくり返すのは避けるべき究極の最終手段だが、そんな乱暴はしないで森の中にあるものをひとしきり指先でさらい上げるだけならば、森の中にも外にも混乱を生じさせずに済む。


ジオが一度目を閉じてゆっくりと息を吐くと、彼を中心に突風が巻き起こり、その風は木立こだちをすり抜けて瞬く間に森中を駆けめぐった。草木が畏怖に震えあがり、おののくような葉擦れの音があたり一面に響きわたる。隠れていた数少ない小動物が動揺に跳ねまわり、その足が蹴りあげた砂の一粒。森の入り口で揺れる葉の一枚一枚に至るまで。この森に存在するすべての物質の配置が手に取るように伝わってくる。これはジオの持つ風属性の能力による、いわば感知能力センサーのようなものだ。己が発現させた風に触覚を乗せ、その範囲を広げていくことで、この風が触れたものすべてを感知できる。動いているものの有無と障害物や空間のおおまかな形状。距離が離れすぎると、そこになにかがある、なにかが動いた――という程度のことしかわからないが、人捜しや初見の場所での探索においてこの力があるとないとでは違いが大きい。森中をひとさらい、今のであらかた確認したことになるが、地上に気になるものはなかったというのが所感だった。


では、下だ。


ジオはその場に屈んで地面に手を振れる。先ほどは自分自身を中心に風を広げて空間を感知したが、今度は逆の要領だ。遠くの空間に発生している風を感知し、その位置を探る。つまり地面の中の風を逆探知するのだ。当然、地面の向こうは地中であるのでなにも感知できないのだが、もしもこの下に空間があるのなら。風――というがこの場合、正しくは空気あるいは大気ということになるだろう。


先に試した地上を探る風のセンサーはジオの自前の能力だけでもできることだが、遠くにある空間そのものを感知しようとすると風神の権能の一部を使わなければならない。とはいえ、もはや守護神の力もジオの自前の風属性能力も線引きなどあってないようなもの。契約して現身となった今は風神の力もジオの実力の一部であるし、ジオはもらえるものはもらっておき、使えるものはなんでも使う性分なのだから軽々しく神の力を使うことに遠慮などしない。棚から牡丹餅ぼたもち、大いに結構。


「……なにかあるな」


やはり本丸は地下のようだ。



*



フェルノヴァの街は最後に来たときと変わらず活気にあふれていた。道行く人々に三月と雫希の写真を見せながら尋ねてまわったところ、善丸と同じ容姿の男が同じように少女を捜していたことと、駅のほうでは善丸と同じ顔の青年がスーリガ方面からの列車をここで降り、数時間後にスーリガ行きの列車に再び乗車したことを聞いたので、三月がフェルノヴァに来ていたのはたしかだ。


しかし雫希とフィストのほうはてんでダメだった。雫希が懇意にしているカフェやアクセサリーショップなどに協力してもらっての捜索も功を奏さず、善丸は成果のない情報収集を一人懸命に続ける中で、やはりあの二人はフェルノヴァに来るまでの道すがらにトラブルに見舞われたのだと結論付けた。きっと三月も同じように考えてスーリガに引き返したのだ。


スーリガのほうでは探偵が聞き込みにあたっているそうなので、そちらに合流するべきかもしれない。列車に乗って向かうのでもよかったのだが、探偵が既に森に入っているならスーリガへ向かったところですぐに合流はできないだろう。かといって、ここから森を徒歩で突っ切ったところで、連絡もなしに広い森の中で探偵に会える確率などたかが知れている。それはスーリガ側から森に入った場合でも同じだ。むしろそうやって合流できたとしても探偵の場合、何度も同じ場所を調べるのではなく、まだ調べていないところを調べることを優先しろと言って善丸を叱るだろう。


昼ごろから始めた街での聞き込みを切り上げて、森のほうへと向かっていく。南へ南へと歩いて行くにつれて、だんだんと人通りが少なくなっていき、森の入り口に差し掛かるころにはあたりは人っ子ひとりとして見えなくなっていた。以前からこの周辺で住人が行方不明になる事件が増えているため、近辺に住む者たちは警戒しているらしい。実際、善丸も森に入る間際で近隣住民から忠告を受けた。


森の中は木々が密集していて、既に日が沈もうとしているのもあって暗かったが、同時に閑散としていて非常に静かだった。野生の小動物のものであろう足跡が見つかったので、重厚な暗さに反してのどかなところらしい。もちろんカルセットの類は生息しているはずだが、今はすっかりなりをひそめている。あたりに響くのは土に積もった木の葉を踏みしめる音だけだ。


だらだらと続く小路を辿ったり逸れたりしながらニ十分も歩いていくと、不意に南西の方向から善丸にとって親しみ深く心地の良い、日々の充実と幸福の象徴ともいえる気配が鼓膜に触れた。そのかすかな音を善丸が聞き逃すはずもなく、吸い寄せられるように足先がそちらに向いてしまうのも彼の趣味嗜好を考えれば無理からぬことと言えるだろう。


草木をかき分けて進んでいくと急に視界がひらけて、望んだとおりの光景が視界に広がった。空は広く、かすかに揺れる水面は夕日を浴びて輝いて、清涼に透き通った水は底が見えないほど深い。その小さな湖の姿に善丸はかすかな喜びの息をもらした。湖畔に佇み、水面を眺めること数秒。歩み寄って手を伸ばし、片手で軽くたわむれるように水をすくう。束の間の休息として少しばかり触れ合っていたが、あまり遊んではいられない。名残惜しくも立ち去ろうと手をひっこめる。もっと別の出会い方ができたなら、すぐさま飛び込んで思う存分に泳ぎまわったというのに。


しかし水面から指先が離れた瞬間、揺れる湖面が手の形に伸びてきて、あろうことか善丸の手首をつかんだ。


「うわっ」


そのまま水中に引き込むように引っ張られ、予期せぬ展開に心底おどろきながらも善丸はその場に踏みとどまった。幸い引っ張る力は軽いもので、少しばかり足腰に力を入れるだけで十分だった。誰も触れていない水面がひとりでに揺れ、善丸の手首が解放されたかと思うと、今度は手ではなく人の頭の形に湖面が伸びあがった。


「え……えっ?」


湖面から生えるようにして現れたのは女性の形をした水の塊だった。動揺のあまり唖然として目をぱちくりさせる善丸に対し、人型の水はすう、と流れるように水面を移動し、善丸のすぐ前で止まる。口にあたる部分が薄く開き、その奥からガラス玉を転がすような涼やかで高い音がカランコロンと鳴った。


善丸がなにも言えずにあっけにとられていると、女性の形をした水は善丸の真正面より少し横に逸れて、地面に手をついて地上にあがった。すると、上半身はたしかに人間と同じ形をしているが、下半身は魚のような尾になっていることがわかる。魚人――いや、人魚と呼ぶべきだろう。水の人魚は湖のふちにこしかけて善丸とさらに距離を詰めると、懸命になにかを訴えるようにカラコロと喉を鳴らした。


「ええ? え……っと」


カランコロン。カラカラ。


カラカラン。カラコロ。コロン。


「ま、待って待って。俺、異種族の言語はさすがにわからないっていうか……」


コロン?


人魚は首をかしげて水の中に戻り、顔だけ覗かせながら善丸をじっと見ている。カルセットなのだろうか。出て来た瞬間は心臓が飛び出さんばかりにおどろいたが、どうもこちらに危害を加えようという意思はないらしい。人魚はなおもカラカラと音を奏でる。善丸の言葉を理解したのか、あるいは善丸の言葉が理解できなかったことによって、自分の言葉もまたこちらに伝わっていないと悟ったのか、今度は音を出さずに水の中を指さした。


「なに? 水中? なにかあるのか?」


地面に手をついて湖を覗き込むが、別段なにかが目に留まるわけではない。ただただ深くまで水が広がっているだけだ。顔を上げて人魚を見ると、なんとなく困ったような顔をしている気がした。善丸は腕を組んで小さく唸り、もう一度だけ水中を見てから、また人魚の様子をちらりと見る。人畜無害に見えるが実は、ということも考えられる。善丸は三月のような慧眼を持ち合わせていないため、その顔の裏に悪意がひそんでいるかどうかを推測することができない。こういうときに礼の能力は便利だよな、と思った。それでも、本当になにか困っていることがあるなら、相手が何者であれ善丸にできる限りの協力をしてやりたいとも思った。それから単純に、このどこまで深く続いているかわからない清涼な湖を泳いでみたかった。


「……しょうがないなあ」


ため息まじりにつぶやいて、地面に両手をつき足から水の中に飛び込む。ひんやりと心地良い浮遊感に包まれた。善丸は人魚と同じように水中を指さし、もう片方の手を人魚に向けて差し出した。


「なにかあるなら、俺をそこまでつれてってよ。泳ぎには自信あるんだ」


言葉での理解はしていないだろう。しかし人魚は善丸の行動や仕草を見て言いたいことを理解したのか、少しだけ心配そうな顔をしたものの善丸の手を握って水中に引っ張った。それに合わせて深く息を吸い込み、手を引かれるままに潜水する。人魚は周囲の水と同化してしまうため姿を視認できなくなるが、手はしっかりとつながれたままだ。


明確な水深はわからないが、主観としてはだいぶ深くまで潜ったと思う。湖の横っ腹の壁に大きな洞窟がぽっかりと口を広げており、そこで人魚の進行方向が変わった。横穴に入った途端に周囲が真っ暗になったが、それに比例して人魚の体が淡く発光し、周囲を照らしながら奥へ奥へと進んでいく。


並の人間の肺活量ならばここにたどり着くまでに窒息して溺れてしまっているだろう。しかし善丸はその点に限って言えば人並み以上だ。水属性系の能力による恩恵ももちろんあるが、やはり善丸自身の持って生まれた才能、いやさ特異性と言える。息継ぎなしで数十分にわたる潜水を軽くこなせる驚異的な体質で、そのからくりを簡潔に明かすと、魔力の一部を酸素に変換して体内をめぐらせることが呼吸よりも簡単にできるのだ。そのため人間としての常識を超えた長時間の潜水が可能となる。水中での視力も良好で、彼ほど水中探索に向く人材はそうそういない。


そして善丸が次に水中から顔を出して酸素を吸い込むことができたのは、彼が水中で活動できる限界近くまで泳ぎ続けたあとのことだった。

次回は明日、十三時に投稿します。

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