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顧問の先生が素手で幽霊を殴るんだが、どこかおかしいのだろうか?  作者: くろぬか
第二部

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140/251

見える人達

 一区切りついたという事で、改めてな感じの説明も結構含まれています。

 ご了承ください。


 怪異。

 幽霊や妖怪、都市伝説などの摩訶不思議な事例。

 ごく普通に生きていれば、まずそんなものに関わる事などないだろう。

 関わろうとしても、早々お目にかかれないからこその怪異であり、超常現象なんて呼ばれている訳だが。

 だからこそ一部の人間はそこに魅入られ、“降霊術”だの肝試しといったはた迷惑でしかないモノを繰り返す。

 その結果何が起きているのかさえ自覚できず、彼らは普段の生活に戻っていくのだ。

 しかしもしも、もしも本当に“見えて”しまったり、そうでなくても奇怪な現象に見舞われてしまった場合、そういった人物は大抵後になってから後悔するのだ。

 「あんな事やらなければよかった、あの場所へ行ったりしなければこんな事には」

 そう言いながら、どうにか助かろうと“詳しい人間”に頼るのだ。

 お祓い、除霊、その他諸々。

 だがまぁ私の知る限り、本当に効果がある様な物、または人というのは、早々お目にかかれないのが現実だが。

 大概は“見えない人”達が、“見えない人”にお金を払って、祈りを捧げたりお経を唱えたりするだけなのだから。

 まぁそれで解決するケースもあるが、相当“相手”が弱い場合じゃないかな、なんて思ってみたりする。

 特番とかで『陰陽師がどうとか~』『エクソシストがどうとか~』っていう番組だと、全然“祓えて”いなかったり、そもそも“憑いて”さえいない場合だって結構ある。


 なんともまぁ馬鹿馬鹿しい……とまでは言わないが、複雑な気持ちだ。

 怖いなら近づかなければいいのに、興味があるからと言って軽はずみな行動を取らなければいいのに。

 そんな風に思えるのは、きっと私たちが“普通”ではないからなのだろうが。


 そして今日も、私達はそういうモノに関わっていく。

 好きでやっている訳ではないが、近くに居るんだったら仕方ない。

 さっさと潰してさっさと帰ろう、そうすれば私たちはしばらく平和に生きられるのだから。

 それが私達の“活動”。

 この“オカルト研究部”、通称オカ研の目的であり、私達が“普通”を手に入れられる唯一の手段なのだから。


 「部長、そろそろみたいですよ?」


 「鶴弥てめぇ、人に運転させておいて寝てやがったな? 寝てやがっただろうこの野郎」


 「草加先生、この場合は女郎ですかね。 もしくはこのアマと言った方が正しいかと」


 「おっ前……相変わらずなんかズレてんのな。 そこ突っ込む所か?」


 とてつもなくどうでもいい会話を繰り広げている二人に視線を送り、ため息を一つ溢してから頭を振って眠気を払う。


 「寝てませんよ。 少し目を瞑って意識を手放していただけです」


 「それを人は眠っているというのではないでしょうか……」


 いつも通り適当な会話をしながら、停車した車から外へと足を踏み出した。

既に日は落ち、辺りは真っ暗。

 目の前にはどうみても獣道としか思えない脇道が一つ。

 はてさて、今日は何が出迎えてくれるのやら。


 「さて、それじゃ今日も始めますか」


 車のトランクから引っ張り出した荷物を背負い、目の前の道を逆手に持ったライトで照らした。

 街灯なんて物は当然ない真っ暗な獣道が、早く来いとばかりに私達を誘っている様にも見える。

 そんな光景にもう一度ため息を溢してから、振り返ってオカ研メンバーを見渡した。


 「準備は大丈夫ですか? 問題なければ行きますよ」


 各々頷いたの確認して、半分ほどのメンバーで歩き出す。

 とてつもなく面倒臭いが、これが私達のいつもの活動なのだから仕方がない。

 さぁ始めよう。

 本日もまた、怪異達の夜を蹴散らしてやろうではないか。




 という訳で第二部始まります。


 今後ともよろしくお願いします。

 次回から文字数もいつも通りくらいの長さになりますので、ご安心を。

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(1)
― 新着の感想 ―
[一言] ついに二部かー、一部はある意味目標みたいなやつはあったが二部はどうなるのやら
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