匂い
何かいい匂いがする。どこからだろう。
鼻を利かせながら歩いていくと、2階の寝室に辿り着いた。ありゃ、畳んで押入れに仕舞ったはずの布団が散乱している。
だが、今は布団のことよりも、この匂いのほうが気になる。これは間違いなくバーベキューの匂いだ、いい匂いだなぁ。焼肉と違う匂いなんだよなぁ、何でだろ。
答えは簡単、フランクフルトの有無だ。
バーベキューの匂いの大半はフランクフルトの匂いだと思う。焼肉にはフランクフルトは無い。........無いか?知らん。
西手の窓が空いていた。そうか、この匂いは外からなのか。そう思った私は1階に降りた。そう、ご飯をよそいに行ったのだ。
ご飯を左手にベランダへ出た私は、絶望した。匂いが途絶えたのだ。
ということは、外じゃないってことか?
家の中か?
私はご飯を持ったまま寝室を飛び出した。
どこだ?居間か?キッチンか?トイレか?風呂場か?
私は家中を探した。しかし、やっぱり寝室が1番匂う。
「よく分からないけど、いいや」
私はそう思ってご飯を食べ始めた。鼻に入り込んでくるバーベキューの匂いをおかずに。
布団の散乱した寝室の真ん中で1人でご飯を立ち食いしている私は、あることを考えていた。
「片付けたはずの布団が出ているのは何故だろう」
家に誰か侵入しているのか?
布団が自分で暴れたのか?
知らぬ間に私が出したのか?
考えているうちに食べ終わった。
とりあえず布団をしまうか........と、押入れを開けるとなんとそこには驚くべきことに........!
続く!