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第三夢

俺が夢美の元に世話になり始めて数日が経った。どうやらここは本当に未来の世界のようで、科学の発展は凄まじかった。詳しいことは夢美に聞いても理解できなかったが、概要だけ言うのなら重力、電磁気力、原子間力の全てが同一の原理で証明されている、だとか...うん、俺にはさっぱりだ。

とにかく、これによって全ての力の謎は解明されたということになっているらしいが、彼女はどうやらそれに異を唱えた。『その原理には当てはまらない力、すなわち〝魔力〟というものが存在する』と、学会で声高に主張したということだ。

案の定と言うべきか、学会では馬鹿にされ、相手にされなかった上に笑い者にされたらしい。

そのことに腹を立てた彼女は学会に参加していた者たちを見返す為に決定的な証拠を提示してやろうと躍起になったみたいで、その手伝いをしてくれる人を探していたとのことだ。

丁度探しに行こうとしたところで俺に出会い、今に至るとのことだ。

そしてこの時代から3世紀も前の一般学生であった俺にできることなんて、家事や物運びくらいのものであったが、彼女たちはそれのお陰で準備に専念できるからいいのだとか...

そんなこんなでここ数日過ごしてきたのだが、その証明する方法というのを聞き忘れていることに気づいた。昼食の時にでもきいてみようか。










「そう言えば一つ聞かせてもらっていいですか?」

「何?」

「どうやって証拠を手に入れるつもりですか、魔力なんてものの」

「ああ、話してなかったわね。」

「簡単に言うと別世界に跳んで決定的なものを掴んで...ってどうかしたのか?そんな鳩が豆鉄砲くらったかのような顔をして。」

「いえ、あの、別世界に跳ぶとか理解の範疇を超えたことをさらりと言われたので。」

「時間を超えてきたお前がそんなに驚くことか?」

「いや、意図的に跳ぶのとでは全然違うような...」

これがジェネレーションギャップなのか...

「まあそんな訳で私達はここ数日、その移動手段の調整をしてたのよ」

「調整ということは既に...」

「完成してるぜ、一年ほど前に」

三百年あれば人は別世界に移動できるようになるのか...と遠い目をしていると

「もうすぐ座標の割り出しも終わるから明日には跳ぶわ。今日中に準備を済ませておいてね。」

等と聞き捨てならないことを言われた。

「ちょっと待ってください。それって俺も行くんですか?」

「当然だぜ」

「それともここに一人だけ残るとでも言うの?」

「それは...その...」

「と言うわけだ、準備しておけよ」

「それじゃあ私達は作業に戻るわ。ご馳走様でした。」

そう言って彼女たちは元いた場所に戻っていった。

魔力があるような世界…危ない予感がするなあ。仕方ない、覚悟を決めて出来るだけ準備をしよう。

そう思い俺はとりあえず先に後片付けを始めた...


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