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短編集

日常

作者: mint

いくら頑張って世界の終わりというものを想像してみたところで、さっぱり思いつかなかった。


今何処かの地で行われている空爆か、それとも食糧危機か、色んな事が同時多発的に起きていることか。

ちょっと想像しようとしてみたことが規模が大き過ぎたから、もう少し身近な事で考えてみようと思う。

なんだろうか。

自分の「死」はどうだろうか。さて。一体何歳まで生きるだろうか。

そもそもだ。大学生の、自分さえしっかり想像なんて出来無いのだから、無理だろう。

体験したことのない事象を思い浮かべるというのは、思っている以上に体力も精神力も使う事に気付いた。

小説家や漫画家さんというのはスゴイ事に思い当たる。


そんな事を考えて窓の外を眺めてみた。

最近ニュースを賑わせる事の中には、ものすごく生活環境が近い事件も多くて、アナウンサーやコメンテーターとかいう人種から、最近の若者は想像力に欠けるなんて言葉をよく聞くが、こんな些細な事も想像出来無い自分はやっぱりご多聞にも漏れず想像力に欠ける最近の若者なのだと思う。

こんな事を窓の外見ながら思う程度にヒマだっただけなのだが。

そうだ、実にヒマだ。

外にいる人を眺めては、誠に勝手ながらその人の生い立ちなんかを考えてみる。

が、それもすぐに飽きた結果が世界の終わりに行き着いた。

自分の頭の中だけの事なんだから飽きるにきまってる。


「あー…何してんだろ…」

呟いてみてから自分の置かれた立ち位置を思い出した。確か間違ってなければ受験生とかいうのでは無かったか。志望校に受かるために勉強に勤しむご身分の事だ。

今座っているのは学校の図書館とか言ったっけ。

窓の外は何しろ校庭だ。見慣れた景色。部活の生徒が色々している。

少女漫画なら、ここでぼーっとしていてカッコイイ先輩とかに声をかけられて、なんて展開があっても良いだろうが、現実はそんなものではない。

平和だ。

何も、ない。

特に大きな事件も無くて、実に平和だ。

良いんじゃないかな、平和が一番だ。何よりも大事な事。

机の上に広げられた戦後時代と比べれば。


さて、勉強しようかな。

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― 新着の感想 ―
[一言] 今日も日本は平和っすなぁ
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