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バース・オブ・ニート

その男はニートだ。正確にいえばイカリニートだ。彼は名前を失い、果てなき戦いへと向かう。

速水一樹という高校生がいた。彼は大学に進むことも就職することもせず、ただひとり怒っていた。それは世間に、学校に、そして世界のシステムそのものに。

そんな彼の内部で異常事態が生じた。

肉体が変化した。

全身を真っ赤な血管がはいまわる。

思考がおかしくなり、あらゆる事象を瞬時に把握できるようになった。

気が付けばニートブレードとニートオートで武装する最強の戦士ニートになっていた。

彼は怒りの感情からニート化が発生したため、

イカリニート

という名なのだ。


イカリニートは世界のシステムを知った。

教えたのはワイズニートというニートサイドの賢者だった。その老ニートは世界の影でニートとオタクという二大陣営が殺戮と蹂躙、支配と革命を繰り返してきたことを明らかにした。それは真実だった。

オタクサイドにも多種多様なオタクがおり、そいつらが常時、虎視眈々とニート打倒を狙っている。


イカリニートはニートオートで応戦した。ニートオートはニートが使うもっとも汎用な銃だ。弾は30発入り、自動装填型、45口径の連射ピストルだ。

イカリニートの前でオタクオートを構える男。

彼は大きなメガネにチェックのシャツ。

笑いながら乱射した。

イカリニートは華麗にかわした。ニートは卓越した運動能力と素早い思考能力を持つ。それは一般人を驚愕させ、同時に恐怖させる。ニートがそれほど研ぎ澄まされ優秀なはずがない、そう思っているからだ。

瞬間的にニートブレードを抜く。

ニートブレード。それは古代から続く技術と伝統、そしてその集約。最高峰のテクノロジー。

日本刀の起源ともいわれる、そのブレードをイカリニートは毅然と構えた。

「我が名はイカリオタク。怒りより生まれた。」

それは両者が同じ存在だということ、彼らが怒りの具現化だということに相違なかった。

両者は睨み合い、武器を交差させた。

ニートブレードとオタクオート。

刀と銃。それは古より続く戦いの模様。

両者は舞い上がった。

激震。

咆哮。

斬。

撃。

飛。

殴。

蹴。

そして着地。

振り向いたイカリオタクは笑った。

「しかし、これは序章。貴様には千の苦痛が待っているだろう。」

イカリオタクは腰からふたつに断ち切られ、内臓と恐ろしい血を吹き上げて倒れ伏した。

「我が名はニート。イカリニートなり!」

叫びは全世界にこだました。




ニートサイドに伝わる、最強の武術。それがニート拳だ。ニート拳は卓越した運動能力と素早い思考能力が必要となる。世界中のあらゆる武術はすべて、その起源がニート拳にある。つまり世界中の武術の要素を取り入れてあるということだ。

そこにニートブレードやニートオートを付け加える。


全身武術、全身武装のイカリニートの前にキラーニートがあらわれた。彼はアメリカの大統領を暗殺したことでも有名だ。彼の働きがなかったら今頃アメリカは共産国家になっていただろう。このようなことからもニートがいかに世界のために活動してきたかということだ。

キラーニートは特殊な暗殺術「ニート瞬殺血滴拳」を伝授した。これは標的の脳を握り潰し、鼻から血を滴らせて殺すという代物だ。

イカリニートはさっそく使うことにした。


自然的引力によって両者は引き寄せ合う。

ニートとオタクはデウスという神によって存在を定義され、その意義として戦いを運命づけられているのだ。

イカリニートは危険な任務をおった。

オタクサイドの本拠地、アキハバラに奇襲をかけるのだ。

同行するのはゴーストニート。彼は自由自在に消えたり、壁を抜けたり、空中を飛んだりできる。

噂では彼は死者で、その魂の中にニート素質を見出だされ、デウスによってニート化されたのだと。戦闘能力も凄まじく、頼りある青年ニートだ。

そしてもうひとりーー

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