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第五話:旅立ちました

さて、いま自分は旅の空のしたにいる。


え? オカンにごねられてなかったかって?


んなもん、説得したに決まってるじゃないですか。

どうやって? おやおや…皆さんも勘違いしてた様ですね。



小生が独りで旅立つなんて、いつ言いました?



治安が心配? なら護衛をつければ良いじゃない。


簡単な事です。

別に戦場まで行くわけではないし、護衛もオカンが認める凄腕やし、見聞を広める旅なら十分ですよ。

ね~経姐さん。



「よく言う。蒿さんを説得するために、わざと私が付いてくことを言わなかったね?」



さぁ? なんの事でしょう?



「あんたってヤツは…」



まあまあ、たった1年だけとはいえ、先は長いです。仲良く行きましょうよ。



「…はぁ…不安だ…果てしなく不安だ…」




※※※



「そうですか、震は旅立ちましたか。」



幽州李家にて、たまたま里帰りしていた公孫賛は目の前に出された白湯を啜りつつ、李蒿に返した。

たまたまの里帰りで震とすれ違うあたり、物凄い間の悪さであるが、李蒿にしてみればソコが可愛く、この娘の善いところなのだと言う。



「まったく、単径も単径だ。震に付いていくなら一言あっても良いだろうに。

お陰で震に一杯食わされてしまったよ。」



「裏をかくのがうまいですから。…お陰で、かくれんぼや鬼ごっこは、ずっと鬼だったなぁ…」


本当にこの子は…


駄目な子ほど可愛と言うが…いや、能力どうこうでは無い。

この子のこう言う一面もまた、魅力なのだ。

その魅力は付き合いが長ければ長いほど、川辺の石が苔むすがごとく石をおおう。

この子もまた、時代の寵児なのだ。



「な、何ですか蒿さん。」



「いや、賛は可愛いなと思ってな。」



「い、いきなりなんですかぁ!」



取り合えず、今は目の前の娘の愚痴を聞きつつ、からかって馬鹿息子に一杯食わされた憂さを晴らしますか。




※※※



からからから

目の前を荷馬車が通る。

ペタペタペタペタ

人が一人二人三人

目の前を通りすぎていく。

僕はただ、膝を抱え座り込む。

誰も僕には気づかない。

みんなが余裕がないと言うのもあるけど、僕は誰にも気づかれない。

母上だった人にも気づかれない。

唯一僕に気づいてくれた姉も、旅立ちもういない。

姉が旅立ったあと、母上はその美貌を生かし直ぐに家を出てった。

一人になった僕は、誰にも気づかれない。

もう何日食事をしてないだろう。

声をたくさんあげた。

たすけて!

でも、だれもきづかない。

さいきん、とても寒いな。

力が入らない。

冷たい土の地面に横になる。

なんか、ねむいな………



《おや、これは………》



「どうした震?」



《ふむ、ねえ君》



生きたいかい?




少年が救われるのは、もう少し先…




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