第6話・消した過去
「え!お前酒なんか飲んだのか?」
「うん。何か珍しいやつ・・・・でも美味かった。」
「いいなー・・・ジン・・・」
「何いってんだよ直希。頭だいジョブか?」
「美味かったぜ一応・・・アキラも飲んでみりゃ分かるって。」
「そーだよなァ」
「飲むかっての。ってかどんな酒か詳しく説明してくんねぇ?」
「えっと・・・・何かパッケージの張り紙みたいなやつに
中国語っぽいも字が書いてあった。んで薄黄緑でビンに入ってて・・・・そんぐらいかな」
「なんかすげーな・・・」
「そんなもんのんだのか!?ありえねぇ・・・・」
「でも・・・・偶然だろ。多分。接点がないし・・・・あと特徴とか無いの?」
「ん〜・・・・なんかキツイかも・・・・頭痛いんだよな・・・・」
「二日酔いかよ・・・」
「・・・そんぐらいなのか・・・・・・・やっぱなんでもないだろ。」
「ははは。そーだよな。」
「んじゃァあしたな。」
「ああ」
「じゃーな直希」
「おう・・・」
(はァ・・・耳鳴りか。単なるデマかも。ドッチ道俺には関係なさそうだし・・・コンビニでもよってこっと・・・・・・・・・・・・
(はァ・・・・こんなとこで長居しちまった・・・やっべ・・・・・)
サアァァ―・・・
(何か・・・・やな風・・・ま・・・帰るか・・・・・)
「ハァ・・・・ハァ・・・な・・・直希ィー!!・・・・ジンが・・・・」
「何かあったのかはァ?何かあったのか?てかよく聞こえない・・・ジンが何?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・落ちたんだけどよ・・・歩道橋から・・・・」
「はァ!?・・・・あ・・・ありえねえだろ・・・普通あんなとっから・・・・」
「だ・・・・だってよォ、マジで・・・・下除いてるって思ったら・・・・おっこってった・・・」
「と・・・・・とにかく早く!!どこだその場所!!」
「ちょっとすいません・・・空けてくださ・・・・」
「・・・・・・・・・はァ・・・はァ・・・」
「・・・あ・・・おい・・・・あれってよ・・・・まじかよ・・・・
・・・・ジン・・・・・・・」
「な・・・直希ィ・・・・」
「ん・・・・・」
「直希!」
「・・・何やってんの・・・・?」
「え?」
「いや・・・・なんでココにインだ俺・・・・・」
「あれから・・・・あの場所で倒れたじゃんか・・・・・んで1週間ねてたんだよ・・・・」
「は?う〜ん・・・・・・・おぼえてねえけど・・・・・ってかジンは?お前一人?」
「え・・・お前本気で覚えてないのか!?」
「何?俺に内緒で何かしようとしてるっしょ。」
「いや・・・・・その・・・・・・・」
「何だよもったいぶって・・・」
「いや・・・・えっと・・・・・お前が寝てる間に転校したんだけどさ・・・・」
「はァ〜?水くせぇ・・・・・何だよ・・・ってか・・・・手震えてんぞ?」
「・・・きにすんんって・・・」
「はァ〜なんか疲れた。」
キーンコーンカーンコーン・・・・・
「あ!直希・・・・」
「あ・・・よォ。」
「今日はきたんだァ。」
「ってかさ・・・・ジンって転校したんだよな?」
「は・・・・?」
「んでさ・・・・あいつ俺に何かいってなかったの?」
「ッてかあんた何いってんの?ジンは一週間前に・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・え?」
「お前・・・・・・それ見て失神したんじゃねえか・・・・」
「え?」
「・・・・」
「・・・・・・・・・・・・即死だったみたいよ。」
「・・・・・・・はァ・・・・?んなこと・・・・・・・・」
「やっぱ珍しい酒だなこれ・・・あ・・・色戻った・・・・・・・・
・・・直希・・・?おい・・・・・顔色悪いぞ?」
「・・・・え・・・あァ・・・」
一瞬の出来事だった。消されてた記憶がこの液体によってよみがえった。
「直希・・・何か変だぞ。・・・何かかくしてんだろ?」
・・・・彼は重たい口を開く。
「あのさ・・・・俺・・・・・」
「・・・・いってみろよ。」
部屋を重たい空気が包む・・・
「俺さ・・・中1のころ一回記憶喪失になったことアンだよな・・・・」
「お前が?」
彼は目をそらす。彼の手は、布団をつかみ震えていた。彼は淡々と全てを話した・・・・記憶のことや、耳鳴りのことも・・・そしてここにくるまでにあったことを・・・・
「―んで・・・・そいつが死んだって聞かされて本気でショックで一瞬で記憶なくして・・・友達の名前とかもわかんなくなって・・・・でも今そのことも全部思い出した・・・・やっぱその酒になんかあるかも・・・・・」
「・・・・記憶か・・・・やっぱそのジンてやつの飲んだ酒といっしょっぽいな・・・ってか乱闘なんかやってないぞ。」
「ああ・・・・かもな。」
「でも今になってあの耳鳴り伝説がよみがえるとは・・・・・ってか俺のせいかな・・・」
訪問者は申し訳なさそうに呟いた。しかし、呟くそばから訪問者の言葉をさえぎるように彼が言った・・・
「あーすっきりした。」
「・・・・え・・・?何だいきなり・・・・」
少し意外な反応を見せた彼に訪問者は少し驚きを隠せない。
「・・・・何かもやがとれたわ。頭はいて―けど・・・・耳鳴りもやんだし。」
冷静な様子で彼がいった。訪問者の表情ももやが取れたようだった・・・・
「・・・・・やっぱお前はお前だな・・・・」
安心していたのもつかの間。彼が訪問者にトドメの一言。
「・・・・・ってかさ・・・・金払っといて。俺ちょっとそこ行くから。酒屋にさ。」
「え・・・・。まァ・・・いいけど。(・・・・調子こくなよオイ・・・・まあ・・・・たまには悪か無いけど・・・。)んじゃ金払ってちょっとコンビによってくからその後俺もそっち顔出すわ。」
「んじゃよろしく。」
彼は勢いよく部屋をとび出していった。何が起きるかも分からないまま・・・・・・・・・
第6話・消した過去 完 第七話タイトル未定 に続く