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愛のリペアマイスター ♡第7話 女友達♡

恋バナしちゃおっかなー。

 燈には友達らしい友達が居ない。ただ、たま~に会う女性は居る。その女性とは某SNSのフォロワーさんで、ネットで仲良くなったというわけだ。


 小林由未(こばやしゆみ)、42才。リアルで初めて会った時は彼女がイタリアンの店を予約してくれていた。


 1年前……。


『ルル』こと小林由未にリアルで会うこととなった『にゃみ』こと燈。

 駅前の広場で待ち合わせた。燈はネットに半分顔出ししているので、ルルはすぐに気づいたらしい。

「にゃみちゃん?」「あ! ルル?」「うん、そうだよ!」「初めまして!」


 二人のおしゃべりはとっても盛り上がり、お店から追い出されるまでとなった、ランチタイムだったからなー。

 よーくテーブルを見ると『ランチタイムはできましたら2時間以内のご利用を宜しくお願い致します』と書かれたものがメニューのそばにチョコンとあった。

「あ、すみません、長居しちゃって!」とルル。二人は場所を変え、カフェでまたもおしゃべりに花を咲かせた。


 二人はいわゆるネットで『写真垢(写真アカウントの略)』と呼ばれる、カメラマニアだ。写真の話でかなり盛り上がったし、これまでの燈の離婚経験の話なども真摯にルルは聴いてくれた。彼女も離婚経験者で、高校生の娘ちゃんが居る。


 ルルとにゃみこと燈は数カ月に一度ぐらい食事を共にした。

 そのルルからSNSにダイレクトメールが久々に来た。

『にゃみ、ハロ~。久しぶりにごはんしませんか?』

(……恋バナ、誰かに聴いてほしい気もしていたし、秘密にしとかなきゃとも思うし……)

 ちょうどそんな風に、悶々と燈が考えこんでいたところだった。


(うん。暁斗さんの事を話す話さないは置いといて、ルルさんに久しぶりに会おっかな)

 なんとなく気が向き『オッケー!』と返信した燈。


 ルルの仕事が休みの日曜日に会うことに決まった。


 いつもの駅前の広場で待ち合わせた。「ルル~!」先に来ていた燈が手を振る。満面の笑みのルル。「にゃみちゃん、お待たせ―。ごめんね! 待った?」「ううん、さっき来たとこだよ」「じゃあよかった。いこっか」「うん、うん」


 ルルはいつも燈の住んでいる街まで会いに来てくれる。この街のことにも詳しい、東京出身のルルがいつもお店を予約してくれる。

「今日はハンバーグね? ルル。ハンバーグ大好き! あ、おなか空いてきちゃったー」

「うふふ。そのお店はね、超寛げるお店だから、時間を気にしなくて良いんだよ」

「あ! それはいいわね」

「うん、うん」

 歩きながらもお喋りに花が咲く。

「あ、息子君は元気かい? にゃみちゃん」

「うん、元気だよ! なかなか百貨店って気を遣うみたいだけど、毎日頑張ってるみたい。親ばかだけど偉いな~って思うよ。あたし、接客業はもう良いわ」

「あ、そか。にゃみちゃんラウンジレディだったもんね。お酒のある職場はしんどそう」

「うん、そうよ! いろんなお客様がいるからねー」

「あ、にゃみちゃん、ここだよ!」


 アジアンテイストで親しみやすい佇まい。この間、暁斗と行ったお店のように、燈は思った。(ここにこんなお店あったんだー。よく通る道だけど知らなかったな)

「入ろ」とルル。「うん!」


 二人でメニューをまじまじと見つめる。

「あ! このチーズの入ったハンバーグおすすめだよ! そだ、にゃみちゃんって大のチーズ好きだったよね」

「そうよ、ルル。じゃああたしこのハンバーグのランチセットにするわ」

「うんうん。じゃああたしは~、おろしハンバーグ! 和風で行くかな」

「いいじゃん!」


 薄暗い店内はムードがある。(今度、暁斗さんをここに誘ってみようかしら? あ、でも……やっぱお外で逢うのは危険かな? にしても暁斗さんは堂々としてたな~)

 等と考えていると、ルルが

「にゃみちゃん?」少し悪戯っ子の顔をしている。

「ン? なぁに? ルル」

「にゃみちゃん……良い人できたんでしょう!」

(え、なんでわかる? 顔に書いてあるの)鏡が見たくなったぐらいの燈。

「にゃみちゃん、なんだか色っぽくなってるもん! ネ、白状しなさいよっ」

「ンー……どうかな、うふふ♪」

「ほ~ら、やっぱそうだ! どんな人なの? 知りたい、知りたい!」

 燈はちょっと迷ったけど、ルルのことを信頼しているので打ち明けた。

「セクシーで、ワイルドでクールな人よ!」

 顔を赤らめる燈。

「キャー! 羨ましいっ」

 そして、燈は思いきってルルに話してみた。

「そのひと、結婚しているの……成人のお子さん1人・高校生の子どもさんも1人……いるん、だ」

 すると、ルルの表情が真剣になった。

「にゃみちゃん……」

 そのルルの顔を見た時、(あ~、ルルからお説教される―)と想像のついた燈。

「ルル、あたし本気よ?」

「うん、にゃみちゃんは真剣なんだと思う」

「彼もよ?」

「そうかもしれない……。でも、にゃみちゃんが傷つくわ。ごめん。あたしはにゃみちゃんに幸せになって欲しいから、その方との恋愛は辞めたほうが良いと感じる」


 ルルはとてもまじめだ。でも四角四面という意味ではない。多面的に物事の見られる女性だ。

「ありがとう、心配してくれて、ルル……」

「うん。にゃみちゃん、よく考えてみてね」


 ちょうどハンバーグがやって来た。鉄板の上でジュージュー言っている! キャー、美味しそう!

「いっただきま~す」

 嬉々とアツアツハンバーグにパクつく女二人。


 食後のデザートになってからももう、二人から『暁斗の話』は出なかった。


 楽しい時間はあっという間に過ぎた。

 駅の広場でお別れだ。

 互いに「またね!」と笑顔で別れた。


 でも燈は、ルルにもう二度と会えないような気がして来た。


しょんぼり……。

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