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愛のリペアマイスター ♡第2話 デート♡

電話が鳴ってる!

『もしもしこんにちは、あ……燈ちゃん』

「あ、暁斗さん? 嬉しいです! さっそくお電話くださって」

『もっと早く掛けたかったんだけど、バタバタしちゃって、ごめんね』

「いいえ」(結婚してるんだもんな~。お仕事もされて居るし、そんなおいそれと女性に電話かけられないわよね)

『あのね、オレ……燈ちゃんの、てぁ、オレ今気づいたけどチャン付けだね!? ごめんなさい、なれなれしいね!』

「ううん、しっくりきます。嬉しい」

『うん、オレよりお若いお嬢さんだからつい……』

「ン? たぶん……暁斗さんとあたし同世代ですよ?」

『え! ……オレ、39才だよ!?』

「ンフフ、じゃああたしが1つお姉さん!」

『うっそぉー! びっくり。30いってるのかな~って……あ、あまり年齢の話をするのは失礼だよね、すみません』

「ううん、お褒め戴き喜んでます……。ねぇ、暁斗さん、お話の途中だったわ」

『あ、ああ、うん。オレは燈ちゃんの声が凄く聴きたくなったんだ。嬉しかったんだよ。修理し終わった靴を前にして、あんなに喜んでくれたお客さん今まで居なかったから、それも……』と、暁斗は黙ってしまった。

「それも? なぁに? 暁斗さん?」

『あんなに可愛い声で!』嬉しさを噛み締め黙っている燈。この沈黙に暁斗も心地よさを感じているようだ。


(結婚のことは口が裂けてもこちらから言わないわ。ヤキモチ、ヤキモチ!)

 ちょっぴり間を開けて「ありがとう」と返した燈。


『燈ちゃん……あの、良かったら、今度お茶でもしませんか?』

(キャ! ……夢じゃないよね?!)

「ええ、喜んで!」

『あ、嬉しいな。オレね、駅近ですっごく素敵な喫茶店を知っているの。ちょっぴり隠れ家的なね』

「あ、そうなんですね! どこかしら」

『東口を出たところに大きな家電ショップがあるでしょう』

「はい、時々行くわ」

『うん。あの店と今工事をしている建物の間の路地を入って行くの』

「うんうん」燈は頭に今知っている場所をイメージしつつ暁斗の説明を聴いている。

『それでね、少し行くと自転車屋さんがあるんだけど、そのちょうど真裏にあるビルの地下1階が喫茶店なんだよ』

「あんなところに喫茶店があったんですね!」

『うん『Angelus Lunaアンジェラスルナ』っていうお店だよ」


「はい、じゃああさって木曜日の朝10時に、喫茶アンジェラスルナね」


 電話を切ったあと、気絶しそうなぐらい幸せな燈。「キャ――! 当日はおしゃれして行くぅ~」

 その夜オフロに入り、バスタブで暁斗の顔を想い出すと声が聴こえてくるようだ。うっとりとしつつ白い肌を優しくお湯で撫でつける燈。ちょっぴりエッチな気分になった。

 お風呂を上がり長い黒髪とお肌のお手入れを念入りにしたあと……たまらなくなり、燈は自分の躰を触り、慰めた。

 素敵に気分が高揚し、燈はしあわせに身をゆだねた。


(たった二回逢っただけの男性にこんなにも夢中になってしまうなんて。あたしどうしちゃったのかしら……)

 デート前日の水曜の夜まで、何度も燈は暁斗を想像しつつ、自分の躰とセクシーに対話をした。


 そして待ちに待った木曜日。

 ペパーミントグリーンのタイトなミニスカートにふわもこのピンク色のオフショルダーを燈は勝負ファッションとしてチョイスした。このオフショルダー、肩のみならず胸元も結構開いているのだ。勿論靴は、先日暁斗さんが直してくれたシンプルな黒のバックル付きパンプス。ネイルは上品に透明感のある薄桃のものを塗った。ペディキュアも!

(ペディキュアを……暁斗さんに見せるチャンスが万が一あったら、もうこれからは彼を離さないわ! 暁斗さんを……誘惑シ・タ・イ)


 待ち合わせのお店は、知っているビルの地下だったのですぐに判った。(このビル、地下もあったのか―)燈はスマホを取り出した。時刻を確認すると9時50分。ゆっくり階段を下りて行った。お店は地下1階ときいたわ。

 階段を下りると異国情緒たっぷりな、木製の美しい扉があった。店内はステンドグラスで見えない。


 扉を開ける。奥行きがあり広い店内。お客さんが多くにぎやかだが、とてもホッとする空気が流れるのはなぜだろう。

 奥まった窓際の四人掛けの席に暁斗発見。こちらに手を振っている。

(キャ! なんてカッコいいの!)

 暁斗は茶髪のウルフカット。耳はピアスだらけ。首にはネックレス。指輪は結婚指輪以外のものもつけている。

 けれど、華やかなアクセサリーとは裏腹に、とてももの静かな人柄を感じさせる、色気があり神秘的な男性だ。

 黒にさりげないイラストの入ったロンT。グレーのカーゴパンツ。

 普段から薄着の燈の上着はグレーのPコートだ。


「待ちました? ごめんなさいね!」

「ううん、さっき来たところだよ。燈ちゃん、コートちょうだい」

 見ると、暁斗の後ろに木製ハンガーがあり、暁斗のネイビーのダウンジャケットがかかっていた。

「はい」そっとコートを脱ぎ両手で手渡した。

「うん」ハンガーに燈の上着をかけた後、振り向いた暁斗がハッとした表情をこちらに向けた。

「暁斗さん、どうしたの?」

「うん……可愛いね、燈ちゃん」暁斗はそう言った直後少し目を伏せた。

(わ~い! あたしの露出作戦成功かな!? ちょっぴりはしたないけど……でもでも[可愛い]って言ってくれたよ! 暁斗さん)

 心の中でもろ手をあげている燈。


ンフ~……ドキドキ。

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