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愛のリペアマイスター ♡第11話 ピンチ♡

ハンバーグ。おいちー!

「ンフフ! あたしは『おろしハンバーグ』!」

「もう決めちゃったの、燈? はやいねアハハ」

「うん、こないだルルと来た時にルルが食べていてとっても美味しそうだったのよ」

「うん、グーなチョイスだね。オレはね~、チーズハンバーグのランチセットで行こう」

「あ、それ、この間あたしが注文したのと一緒っ」

「そうなんだ、アハハ!」


 燈は「あそこの席が良い」と暁斗に甘えた。そこはこの間ルルと座った席だった。とても落ち着く席だったので。


 モゾモゾモゾ……。(アン♡暁斗ったら、テーブルの下で、足を触ってきている自分の足で……。それだけでカンじちゃう……)

「意地悪……」賑やかな店内で小さく切なげに燈が囁いた。

 暁斗はやめずに「ン? なにがぁ……」

 ちょっぴりサディスティックな暁斗が、イイ。


 お料理が来た!「いただきまーす♪」

 存分に躰をふたり、満たし合ったあとのごちそうで暁斗と燈はごきげんだ。


「ネェ暁斗?」

「ン、燈」

「あたしのお誕生日、2月20日なの。再来月よ。プレゼント、ホ・シ・イ!」

「うん。なにが良いの?」

「指輪よ」

「うん、わかった。今度一緒に買いにいこっか」

「わーい! ありがとう、うれしいっ」


 ちなみに燈は金属アレルギーがあるので、プラチナか純金か18金じゃないとかぶれてしまう。

「アメジストのが良いな~」

「オッケー」


 でもおねだりしたあと燈はちょっと思った。(おこづかい、大丈夫なのかしら? 暁斗のお家の事情知らないまんまねだっちゃった。 けれど、暁斗が「良いよ」と言ってくれたのだから要らぬ心配はよそう)


「暁斗のお誕生日はいつなの? あたし聴いてなかった」

「ン、いっしょ。燈と同じ2月。……25日だよ!」

「あ! 近いんだ~。お誕生日のお祝い一緒にできるね!」

「うん」


 ふたりは互いに知りたいことがたくさんある。

 ただ、子どもではない。オモチャ箱をひっくり返すように根掘り葉掘り聞かない。ましてや、いわゆる不倫関係だ。

(倫理に『不』ってなにさ!)と考える燈……。だって純愛以外のなにものでもないから。

 40年生きてくれば、話したくないことなんて山ほどある。思い出したくないつらい過去もある。それは自分だけではないだろうと燈は思うのだ、暁斗のことを。


 時に言葉を使わずとも、真実の愛を交わすことは出来る。


 食後のドリンクもいただき、ふたりは再び腕を組み、ふたりじゃなく1人の人間のようになりくっつき、街を歩いた。

「せっかくだから、ジュエリーショップに見に行こうよ」

 突然、暁斗が言い出した。

「え! 良いの?!」

「うん、燈のお気に入りを見つけておこう」


 路地を出て大通りに出た。


 ツカツカツカツカ……。ハイヒールを履いた茶髪のケバケバしい女性がこちらへ向かって向こうから歩み寄ってきた。

 間近まで来ると……バチンッ!

「いったい! 痛い!」

 燈が殴られた。

「何すんのよーッ!」怒り狂う燈。思いっきり女性は叩いて来たので、燈はよろめき、暁斗がサッと支えたぐらいだ。


「何しやがる!」いつもの優しい暁斗ではない。燈をかばい怒鳴った。でも……この女性を知っている風だ。まさかっ!?


 女性が叫び出した「ハーッ!? 誰に向かって口きいてんの。あんた、浮気しといて自分の嫁にその態度?!」


 やっぱりそうか、と燈は思った。


「浮気じゃない!」と暁斗は言った。


 道行く人がじろじろ怪訝な顔つきで見て行く。


「浮気じゃん! まさに浮気現場じゃん! なに言ってんのよぉ! ええッ?」

「本気だよ」

 はっきりと暁斗は奥さんに向かってそう言った。

「そ、話は帰ってから聴くわ」

 と奥さんは暁斗に向かって言い、向き直し燈に言った。

「この泥棒猫が! 訴えたらあんたが負けよ。慰謝料ガッツリ貰うからね! 覚悟しとけ!」


 燈は怒り・嫉妬・悲しみに震えている。恐怖は全くない。


「行くわよ! 暁斗」

「ああ、わかった。オレはオレで帰るから」

「何言ってんの? そんなこと許されるとでも? あなた不倫してんのよ?」


 みっともない痴話喧嘩を街中でし続けようとする奥さん。


「いや、お前とは帰らない。大事な女性に暴力振るうなんて赦さねぇ」

「ハ? 大事な女性?! あたしをなんだと思ってんのよ!」

「家族さ。何も直子(なおこ)を憎んでる訳じゃない! でもこの人に手を上げたからにはオレは赦さない」

「フン! 浮気男が嫁に向かってフツーそんなこと言う?!」 


 燈は、殴られたが意外にも冷静に(二人とも家で話し合えばいいのに)などと感じている。


 しかし暁斗も火山のように怒っている。

「勘違いしないでくれ。オレは直子に相手にされない寂しさから浮気したんじゃないぞ。そもそも、とっくにオレ達、互いに冷え切ってたじゃないか。この女性を本気で好きになった。ただそれだけだ」


 奥さんは歯ぎしりするような表情で暁斗と燈を睨み付けている。

「先に帰っとくから、今すぐ帰ってくんのよ?!」と奥さん。

「ああ、適当に帰る」暁斗が答えた。


えぇっ!? この先どうなるの……。

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