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プロローグ

この作品は筆者の処女作であり、文章が少し拙い部分があると思いますが、それも一つの味だと思ってお読みください。

 皆さんは中学生くらいの頃、授業中にこんな妄想に耽ったことはないだろうか。

「今ここでテロリストが学校を襲撃してきたら俺が一人教室から立ち去り、テロリストを一人残らず殲滅し、学校の英雄となり、女子たちからチヤホヤされる」こんな妄想だ。

 恐らく、心身ともに健康的に人生を謳歌してきた男子中学生なら、確実にこの妄想をし、遂にはテロリストを倒すシミュレーションまでも行いだす次第だ。

 しかし、それが高校生になると自体は一変。多数は少数へ、マジョリティはマイノリティへと変化する。何故なのか。答えは簡単、高校生にもなってそのような妄想をしているのは、はっきり言って"痛い"のだ。

 しかし、そのような荒波に飲み込まれず、そのような妄想をし続ける少年、英 雄吾(はなふさ ゆうご)がいた。

 彼は、「テロリストを単独で殲滅する」、「街の凶悪犯を一瞬でなぎ倒す」、「そこら辺にいる指名手配犯をとっ捕まえまくる」等の、痛すぎる妄想を、高校生になった今でも本気で思い描いていたのだ。

 しかし彼は別に、不治の病"厨二病"に罹っているわけではない。

_____ただ、本気でアホなのだ。 だが、そのアホさ故に、英雄への憧憬は、他の追随を許さぬほど強大なものであった。


 ある日、少年に転機が訪れた。

 そう、ガチのマジで学校にテロリストが襲撃してきたのだ。

 校内放送で、校長が息を切らしながら、堰を切ったように危険を知らせた。

 クラスメイトたちは、一斉に金切り声を上げた。泣き出す者もいた。

 だが、少年はは鳥肌が収まらなかった。

 ワクワクが収まらなかった。

 ニヤニヤも変な汗も止まらなかった。

 たった今、自分の眼前に常日頃思い描いていた光景があるのだ。

 この機会を逃すまい。と、少年は興奮した兎のようにテロリストの下へと駆けていった。

 生身で、武器も持たずに_____


_____少年は瞬殺された。文字通り殺されたのだ。

 テロリストの放った銃弾に、見事に風穴を空けられたのだ。

 少年は悔しかった。

 思い描いていた憧憬(えいゆう)とは程遠い、無様な死に方をした自分が情けなかった。

 自分の非力さに憤りすら覚えた。

 しかし結果は変わらない。

 少年は死んだのだ。

 少年は静かに意識を失った。_____



____目が覚める。此処は何処だ?

____俺は死んだはずでは?

 あれこれ状況の整理がつかないでいると、とても大きな、しかし上品且つ、可愛げのある笑い声が聞こえてきた。

「アッハハハ!!あなたホントにアホね、生身で武装集団に喧嘩売りに行くなんて!」

 笑い声の正体は、街を歩いていれば男女問わず思わず見とれてしまうほど人間離れした整った目鼻立ちをし、美しく水々しい明銀(ライトシルバー)の髪を腰のあたりまで下ろし、絢爛さの中にある程度の寂れた上品さを残した白基調の服を纏った、俺と同年代のように見える美少女だった。

 俺は、ひと目見ただけでそこにいる少女が、人間界で女神様と呼ばれる方だと認識できた。

 そのような方が、このだだっ広い天界(?)っぽい場所にポツンと置かれた一つの椅子の上で、俺の悪口を言いながら抱腹絶倒していたのだ。

 ...殴りたい、この笑顔。

 正直、女神様でなければ即、グーパンを決め込んでいたことだろう。(耐えた俺、偉い。)

 やっと笑いが収まってきた女神(多分)が、スーハーと息を整えながら話す。

「初めまして、雄吾さん。突然のことで整理がついていないかもしれませんが落ち着いて聞いて下さい。あなたは...死んだのです」

 そりゃそうだろう。あの状況で生きていたら、テロリストなんかに負けている筈がない。

 少女が続ける。

「私は女神フォルトゥナ。日本と、あるもう一つの小さな世界の死者の魂を導く仕事をしているの。そして此処は私の職場、まあ、あなた達の世界と天界の間のような場所よ」

 薄々勘付いてはいたが、ホントに女神様だったのかよ、こいつ。

 そんなことを思いつつ、俺は女神(フォルトゥナ)の話を聞いた。

「あなたには三つの選択肢があるわ。まず、また地球で赤子として生まれ変わる。これを選ぶ人が多いわね。このときは、人間に生まれ変わるわ。あと、前世の記憶はリセットされるの」

「まあ無難だな」

俺は感じたことをそのまま口にした。

「あなた喋れたのね!!私の超ビューティフルなご尊顔に見惚れて離せなくなったのかと思ったわ!」

 ここで俺は、この女神と会話したのはこれが初めてであったことに気づいた。

 ついでに、この女神がいちいち面倒くさいということにも気づいた。

 フォルトゥナが、「コホン」と間を置き、続ける。

「二つ目が、天界に昇り、何もすることなく、植物のような生活を永遠に続けるものよ。正直、これを選ぶ人は、相当前世にトラウマがある人だけよ。私もお勧めはしないわ」

 そんな生活はやだな、と思った。

 すると、フォルトゥナが勢いよく俺の眼前まで飛び出してきた。

「そ・こ・で!!!最後の一つよ!!これはあなたには超おすすめ!」

 フォルトゥナは玩具を買ってもらった子どものようにペラペラと話し始めた。

「俺にお勧めってなんだ?もしかして、英雄の人生でも歩ませてくれるのか?どうなんだよ?」

 俺は一抹の期待と疑いを持って質問してみた。

 返事は予想外なものだった。

「そうなのよ!!!この選択肢では君は英雄なれるかもしれないんだ!」

 胸が熱くなった。

 憧れてきた英雄になれるのだと、眼の前の女神は言ったからだ。

「早く詳細を!!」

 フンフンと鼻息を荒くした俺は眼の前の女神に顔を思い切り近付ける。

 俺は完全にこの女神のペースに飲まれた。でもそんなことはどうでも良かった。俺は早く詳細が知りたかったのだ。

「ま...まあ落ち着けよ、ちゃんと話してやるからさ。君に与えられた三つ目の選択肢はズバリ、異世界転移さ。その世界にはダンジョンがある。また、魔王も存在する。君にはそれらを攻略していって、その世界の英雄になってほしいんだ」

 なるほど、そうきたか。異世界転移して冒険者となり、強大な魔物たちを倒していってその世界の英雄になれば良いんだな。

 しかし、少しの疑問が残る。

「俺が転移したって、どうやってそんな魔王とか、強そうな魔物を倒すんだよ。どれだけ俺が鍛えたとしても現実的に考えて不可能だろ。まあ、もう現実的もくそもないけど」

「その点は大丈夫さ!向こうの世界では、能力(ステイタス)というものがあってね。それぞれ、「職業」、「Lv」、魔力、パワー、敏捷、防御、運の「能力値」、「エフェクト」、「魔法」の項目が設定されているんだ。向こうの世界では、敵を倒すと、経験値が貯まっていってね、それがある一定量まで達するとLvが上昇するんだ。能力値は、経験値を稼げば稼ぐほど上がっていく。Lvとの相関関係はないよ!まあ、大体の人はレベルとともに上がっていくんだけどね。エフェクトは、いわば体の特性みたいなものだよ!魔法は職業によって習得できる魔法が異なり、魔力を消費して技を放つ!!以上だ!」

 なるほど、これなら戦えそうだ。

 俺は勇気が湧いてきた。

「さらに、君にオイシイ提案をしよう。大盤振る舞いだ!君の英雄への熱い羨望とさっき君を笑ったことへの謝罪の意も込めて、君に固有エフェクト、つまり、君だけのエフェクトを差し上げよう。ズバリ、『英雄への熱望(ヴァリアント・ソウル)』さ。効果は秘密だけど、絶対に君の英雄への道の捷径となるだろう!」

____何でもありだな、女神って。

 そんなことを思ったが、今はそれを有り難く享受しよう。

「それじゃ、異世界へ行ってらっしゃい!!!あ、ちなみに向こうで死んでも此処へ飛ばされるからね。あんまり早く戻ってこないように!!」

「ったり前よ!俺は英雄になるんだからな。そんなすぐくたばってどうする」

「よーし、その意気だ!!!」

 フォルトゥナは俺を激励した後、静かに目を瞑り、手を胸の前で組み、魔法の詠唱のようなことをブツブツしだした。

 すると、俺の足元に大きな純白色の巨大な魔法陣が現れた。どうやら、本当に転移するらしい。

「向こうの世界では、人も動物も、世界までもが、(えいゆう)を望んでいます」

「それでは、頑張ってくださいね?」

 目を潤わせ、祈りのポーズのまま上目遣いでまるで小さな子があざとくお強請りするように俺にいった。

 正直、キュンとした。元々、考えられないほどの美貌の持ち主なのだから、いつもそんな風に振る舞っておけば良いのに。

 そんなことを考えていると、いつの間にか俺は意識を失っていた。

これから不定期更新していきたいと思います。

とりあえず完結させたいです。

何分筆者が学生なもんで、更新頻度は終わってると思います。


あと、筆者も小説が好きなので、他の作品に影響を受けて設定が被っちゃっていたりするかもしれませんが、ご了承ください。

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