#6 冒険者ギルド
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「服は買えたが、他に行きたいところはあるか?」
「うーん、そうですね。 最終的には宿屋に行きたいんですけど、ゲイルさん、時間は大丈夫なんですか?」
「俺のことは気にしないでいいぜ。 さっきも言ったが今日は休みなんでな」
「そうですか、ありがとうございます。 あ、それなら武器屋とかってありますかね?」
「ああ、冒険者ギルドの近くにあるぜ。 行くか?」
「お願いしていいですか?」
「おう、任せとけ」
なぜ武器屋に行こうと思ったのかというと、この世界の武器の相場や基準が知りたいと考えたからである。 自分が作ったロングソードがどれくらいのものになっているのかを確認する意味もある。
「そういやショーマは戦えんのか?」
「どうでしょうか……? あまり比較したことがないのでよく分からなくて」
「戦えんなら冒険者になったらどうだ? 腕が良ければ稼ぎはかなりあるし、戦えなくても街の困りごとの解決とか、採取依頼とかで十分食っては行けると思うぞ」
(冒険者か…… 異世界のテンプレ職業だけど、戦わない人もいるんだ。 それならなってみてもいいかもしれない)
「そうですね…… なれるものならなりたいですけど、どうやったら冒険者になれるんですか?」
「登録するだけなら簡単だぞ。 名前と軽い質問に答えて、銀貨1枚払えばギルドカードを発行してもらえる感じだな。 ギルドカードは身分証になるから作っておいて損はないと思うぜ」
「そんな簡単になれるんですね」
「まぁ、世の中困りごとが沢山あるからな。 それを解決する冒険者もいればいるだけ助かるってことだろ」
「なるほど、納得です」
そんなことを話してる間に、大通りの突き当たりが見えてきた。
そこには他の建物と比べて、かなり大きめの、見た感じ四階建てくらいの建造物があった。
「あれが冒険者ギルドだ」
「大きいですね……」
「一階に依頼とかを受けれるクエストボードや受付があって、酒場もついてるぞ。 二階は個別の依頼とかを聞いたりする個室がいくつかあって、ギルドマスターの執務室とかもあるな。 三階、四階はギルド職員の居住スペースになってる」
(居住スペースもあるのか。 住み込みで働けるのはいいな)
「どうする? 先にギルドに行くか? 武器屋もすぐ近くにあるからどっちでもいいぜ」
「もう見えてるのでギルドからにしましょうか」
「そうだな。 俺も採取依頼の報告をしたいしな」
(そうか、ゲイルさんは依頼を受けてウロナの森に行っていたんだったな。 気が回らなくて申し訳ない)
そして2人は冒険者ギルドの前まで来た。
(近くで見るとさっきよりも大きく感じる。 とても立派な建物だ)
「じゃあ、中に入るぜ」
ゲイルは慣れた足取りでさっさとギルドに入っていく。
匠真もその後ろをついていき、同じようにギルドに入った。
そこは、とても賑やかな場所だった。
色々な装備をした冒険者がかなりの数おり、仲間と思しき人達と盛り上がったり、真剣に話し込んだりしている。
「登録は真っ直ぐ行って右側の受付だから行ってこいよ。 俺は依頼の結果報告に行ってくるぜ。 多分、俺の方が早く終わるだろうから待ってるぞ」
「分かりました。 ありがとうございます」
礼を言うとゲイルさんは手をヒラヒラさせて依頼結果報告の列に並びに行った。
匠真は、登録するための受付に向かった。
幸い登録の受付は空いていて、すぐにでも受付することができそうだった。
「ようこそ! 冒険者ギルドへ! 新規の登録ですか?」
そこでは愛想のいい少し赤みがかった髪をショートカットにした、若い職員の女性が対応してくれた。
「はい。 新規登録をお願いしていいですか?」
「かしこまりました。 それではお名前を教えてもらっていいですか?」
「ショーマ=ケンモチといいます」
(ステータスにはそう書かれてたし、そうやって名乗るのが自然だろう)
「ショーマさんですね。 戦闘職はお持ちですか?」
(戦闘職? ウェポンマスターと魔導師があるから待ってると言っていいのかな?)
「すいません。 実はかなりの田舎から出てきて常識に少し疎いんです。 戦闘職の基準ってどうなっていますか?」
「そうなんですね。 えーっと、魔法を使える方だったら攻撃魔法スキル、戦士系のスキルだと剣術や槍術のスキルを持っていれば戦闘職と認められます」
「それなら持ってます」
「分かりました。 次に後衛職か前衛職かなんですけど…… 分かりますか?」
「魔法とかを使って距離を取って戦うのが後衛で、剣とかを持って戦うのが前衛ですかね?」
「はい、概ねその認識で合っています」
「それなら、どっちも使えます」
「えっ、本当ですか?」
「えっ、珍しいんですか?」
(……やばい、やっちまったかな?)
「そうですね…… ギルド内でも、両方のスキルを持つ方はごく僅かで、その人達は皆ランクが高いです」
「あー…… バレるとやばいですかね?」
「あ、大丈夫です! 幸い、聞いたのは私だけで一応ギルドマスターには報告しますが、職業は個人情報なのでギルド側がそれを口外することはないです!」
「そうですか……」
(やっぱり常識が分からなすぎて困るな。 誰かに教えてもらいたいけど、相談するためには僕の職業とかを明かさないといけないから、信用できる人じゃないとなぁ……)
「うーん、ショーマさんはちょっと危なっかしいですね…… 良ければ、色々とお教えしましょうか?」
「出来ればそうしてもらえると嬉しいです。 でも、今日はこの街を知り合った冒険者の方に案内してもらうことになってるので、また後日、お願いしていいですか?」
「はい、構いませんよ。 あ、私の名前はリムといいます。 お休みの日以外の営業時間の大体は受付にいますので、また来たときに声をかけてください。 いなくても、受付の誰かに声をかけて呼んでくだされば、すぐ来ますので遠慮なく声をかけてください」
「分かりました。 近いうちにまた来ることにします」
「ぜひお越しください。 じゃあ、ギルドカードを発行するので、この魔道具に手を置いて軽く魔力を流してください。 3秒程で大丈夫です」
そう促されたのは、平らな板のようなものに手形が描かれ、何かが出てきそうな細長い穴がある道具だった。
(よく分からないけど、ここに手を置けばいいんだな)
手を置いて3秒ほどするとその板が光り、板の上の穴から何も書かれていないカードが出てきた。
「これがギルドカードになります」
「何も書かれてないんですけど……?」
「文字は所有者の魔力を流すことで表示されます。 ちなみに本人以外には表示されていても光っているようにしか見えません。 あと、今は真っ白なカードですけど、冒険者ランクが上がればそれに応じた色になっていきますね」
「ちなみに冒険者ランクって?」
「冒険者ランクは下から白、緑、青、赤、銅、銀、金という順番になっていて、始めは誰しもが白ランクからスタートになります。 クエストの達成数だったり、その人の人柄などでギルド側が昇格を決めるシステムになってますが、普通にクエストをこなしていれば緑や青にはすぐになれますから頑張ってくださいね」
(めちゃくちゃ便利なカードだな。 さすが異世界の魔道具といったところか。 それに、冒険者ランクか…… 上げる事にメリットあるかは分からないけど、どうせなら上のランクを目指してみるのもいいかも)
「これで登録は完了です。 お疲れさまでした」
「そうですか、ありがとうございました。 また色々と聞きにきますね」
「はい、お待ちしております」
リムと別れ、広いギルド内でゲイルを探す。
(待っていると言ってたけど、場所を決めてなかったな……)
「おーい! ショーマ! こっちだ!」
入り口の方でゲイルの声がした。
匠真が少し駆け足でそちらに行くと、ゲイルともう2人、知らない男女が一緒にいた。
「お待たせしました、ゲイルさん。 えーっと、そちらの方達は……?」
「こいつらは俺と同じパーティーで、リーダーのクラウスとミリーだ。 ま、覚えなくてもいいぜ」
その言葉に反応して、ミリーと言われた暗めの紫色をしたロングヘアーの女性が思いっきりゲイルの足を踏みつけた。
「痛ぃぃぃっっってぇ!!」
「紹介するならしっかりしなさいよ。 シーフのくせに脳筋男。 ……初めまして新人さん、私はミリアンヌ。 親しい人達からはミリーと呼ばれてるわ。」
「あ、ショーマと申します。 あの、ゲイルさん大丈夫なんですか…? のたうちまわってますけど」
「割といつも通りだから問題ない。 紹介された通り、私はクラウスだ。 一応ここにいる3人ともう1人加えた4人パーティーのリーダーをしている」
そう言葉を続けるのは長い金色の髪を後ろで一つにまとめた男の人だ。
(……本当にいつも通りなんだろうな。 2人に気にした様子がないし、周りの冒険者達も「またか……」みたいな視線を向けている)
「ショーマさぁ~ん」
(ん? リムさん? なんで僕の名前を呼びながら走ってきてるんだろう?)
「すいません、伝え忘れていたことが……って、クラウスさんとミリーさんじゃないですか。 こんにちは。 ゲイルさんも…… いつも通りですね」
(……リムさんにもいつも通り扱いされてる)
さっきまでは頼れるお兄さんという感じだったゲイルだが、クラウス達に会ってからは、情けないところばかり見てしまっている。
「ショーマさんが案内をしてもらってるのってクラウスさん達だったんですね」
「正確には、そこに転がってるアホが案内してたらしいわ。 私とクラウスは今、会ったばかりよ」
「というか、ゲイルさん大丈夫ですか……?」
「大丈夫じゃねぇー…… というか、なんで今日に限ってヒールなんて履いてんだよミリー……」
「休みなんだから少しくらい着飾っていいじゃない」
「過激なツッコミはマイヤがいない時はやめてくれよ……」
「自業自得でしょ。 というかそんなくだらない怪我をあの子に治させるんじゃないわよ。 あの子は優しいから治してくれるけど、貴重な光魔法の使い手で回復魔法が使えるあの子の魔力をあんたなんかに使うのはもったいないわ」
ミリアンヌの発言の通り、森でステータスを見てたときに、この世界で光魔法の適正を持つ人はそこそこ珍しく、魔法使いの中では闇魔法と並んで人が少ないらしい。
(僕はありがたいことに全属性の適正を持ってるけど……)
「もう1人のメンバーの方は回復魔法が使えるんですか?」
「ああ、教会で僧侶の資格を得たマイヤという名前のメンバーだ」
(僧侶か…… いかにも回復魔法とか使いそうだな。 というか、僕も回復魔法使えるし、ゲイルさんを治してあげた方がいいかな?)
森である程度の魔法の名前は確認しておいたので、ゲイルにはちょっと申し訳ないがお試しさせてもらうことにする。
「ゲイルさん、良ければ回復魔法かけましょうか?」
「ショーマ……? お前回復魔法使えんのか……?」
「はい、一応使えます」
「使ってくれるなら頼む……」
痛みがすごいのか、ハヒハヒ言いながらゲイルは匠真の質問に答えた。
「じゃあ、いきますね『ヒール』」
匠真がゲイルの足に手をかざしそう唱えると、ゲイルの足が緑色の光に包まれていく。
その数秒後、ゲイルはなんの問題も感じさせることなく立ち上がった。
「おぉ! ショーマすごいな、お前のヒール! 治りが早いし効き目もすげぇ! マイヤと同じくらいの力はあるんじゃねぇか?」
「いや、そんな大したことではないですよ」
「いや、かなりすごいと思うわよ? 魔法使いから見ても、発動から効果がでるまでの時間も短かく感じたわ。あなたかなりの使い手みたいね」
ゲイルだけではなくミリアンヌもそう言ってきた。
(うまくいったのは魔導師の職業のおかげかな? 魔法を使う時に色々と補正があるみたいだし)
そんな風に自分の事でいっぱいいっぱいだった匠真は、周りの冒険者の一部が値踏みをするような目つきでこちらを見ていることに気付けなかった。
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